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妖々戦国時代  作者: 猫子
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ランク試し

「着きましたよ」


亜助の連れて来られた場所は厳重な警備の整った大きな建物だった。


「・・何か俺場違いじゃ・・」

亜助は男と車を運転手と建物内を進みながら言った。


ガチャ


通された部屋は何もないうえに天井がとても高いガランとしただだっ広い部屋だった。


運転手が扉を閉めた。


鼻の上まで上着の生地なのかマスクなのかわからないが目しか出ていない男は目を細めた。


「私は夏目皇世なつめこうせです。あちらは笹川次野ささがわじのさんといいます」


「はぁ・・神代亜助かみしろあすけっす・・」


「よろしく亜助。早速ですがあなたは神の能力をほんの少し持っているようですが自覚はありました?」


「は?神・・自覚って・・」


「妖魔が見えるのは生まれつきですか」


「や、さっき、じいちゃんとばあちゃんにくっついてたのが初めて・・」


「そうですか。次野さんEをお願いします」

「はい」


皇世は亜助へいくつか質問をした後次野へ声をかけた。


「なんだ?」

亜助は壁に向かう次野を見た。


壁にはS、A、B、C、D、Eと書かれた其々のボタンがあった。


真面目な執事風の次野は少し身構えて小さい声で「えいっ!」と言ってEのボタンを押した。



「!!」


壁が開き中から出て来たのは小さくて気持ち悪い妖怪だった。


妖怪は広い部屋をゆらゆらと飛び回った。


次野は怖いのかスーツの上着を脱いで盾のようにしていた。


「亜助、あれを始末できますか」

皇世に言われ亜助は考えた。


「始末って・・多分できると思う」


「それは良かった。ではお願いしますね」

皇世は人差し指を立ててにっこり笑った。



亜助は今まで世間ではお披露目することのなかった凄まじい身体能力で一気に妖怪のようなものに向かった。


(ぶっとばせばいーんだよな)

亜助はふよふよ浮かぶ妖怪をぶっ飛ばした。

妖怪はすごい速さで壁にめり込んだ。


「!!」


崩れた壁から無傷の妖怪がまたふよふよ浮遊する。


(どうなってんの!)

亜助は今度は大きく飛び上がり踵落としで妖怪を地面に叩き落とした。


先程と同じく妖怪は割れた地面からまたふよふよと浮かび上がった。


亜助は皇世のほうを見た。


「相手が人間なら頭蓋骨まで粉々でしょうね」

皇世は亜助の隣に来て言った。


「あ、こっち来る」

「まぁ見てて下さい」


弱々しくも多分こちらを襲って来ようとしている妖怪を見て皇世はヘラヘラと笑っていた。



ジュッーーー



「!!焼けた?!」


妖狐は皇世に近づいた瞬間に姿形も残らず消えた。


「亜助はまた一からですね」


「・・え?」


「・・説明すると長くなるのでまたその都度言います。亜助、学校や私生活に何か未練はありますか」


「・・学校・・は行きたいけど・・じいちゃんばあちゃんいねーし・・」

亜助は少し考えた。


「では未練はないようなので場所移動しますよ」


「え?話聞いてた?」


亜助は皇世の適当さに少し驚いた。


「次野さん、私は少し用事があるので車で諸々の説明お願いしますね」


「はい」

上着を着直しながら次野は応えた。


「じゃ、亜助君また後日」

皇世はひらひらと亜助に手を振った。


(皇世さん、めんどくさいこと全部丸投げした)


亜助は言われるままに次野の後をついてまた堅苦しい建物内を抜けて車へと乗り込んだ。


「次野さんーわかりやすく説明してね」


亜助は窓のにだらんと肘をつき窓の外を眺めた。


(俺これからどうなるんだろう・・・)




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