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【完結】機動戦艦から始まる、現代の錬金術師  作者: 呑兵衛和尚
三つ目の物語〜監視者との再会編〜

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189/251

逃げろや逃げろと大レース

『機動戦艦から始まる、現代の錬金術師』は不定期更新です。

──ブゥン

 アマノムラクモから発した魔力波長コード。

 人体には全く検知できず、且つ、地球の如何なる計測器ですら、それを捉えることはできない。

 アマノムラクモのセンサーシステムでさえ感知できない波形。

 それを賢人機関が解析し、ミサキがそれをアマノムラクモから発信した。

 波長コードの細かい解析などは時間が足りないため不可能。

 ただ、波長を解析したときに分かった、感情を示すコード。その一つを、アマノムラクモは発信した。


 発信したコードは『星の子の悲鳴』。


 これを受けて、母船はゆっくりと移動を開始。

 ミサキとしても、これで全てを終わらせたい。

 これ以上、あの船は戦ってはいけない。

 遥か彼方からやってきた来客、今はこの星の一員。

 星を離れ、人を捨てたミサキとは違う。

 この星に生きづく、遠くからやってきた移民たち。



『ピッ……敵母船、急速接近。相対速度計算完了、地中海上空にて接敵可能です』

「さらに加速っ‼︎ 同時に、ステルスセンサー起動。母船の内部データを確認後、俺が出るからな」

『ピッ……カリヴァーンの換装は完了。両腕に追加装備を搭載……』

「なんとか仕上がったよな。さて、それじゃあ、この面倒くさい奴らとの戦いの幕を降ろさせてもらうよ」


 キャプテンシートから飛び降りると、ミサキは第一カタパルトへ向かう。

 ここから先は、ミサキによる調整が必要となるから。


………

……


 マザーより方舟108番艦へ。

 パルスブラスターの使用を行ってください。

 解析中

 解析中

 マザーへ進言。

 パルスブラスターは、この星の全てを破壊します

 容認できません

 解析不能

 解析不能

 マザーへ進言

 バイオナノマシンの解析により、この星の原住民の思考性を確認

 説明を求めます

 この星の原住民は、自殺願望がある

 自然を破壊することを厭わない

 彼らは、星の癌である

 了解

 パルスブラスターを使用しなさい

 マザーへ進言

 容認できません

 その原住民にも、星の子の血が流れています

 既に、星の子はこの星の民と一つになっています

 許容

 だが否定

 純粋な星の子のみを助けなさい

 方舟は、子供たちを守る存在。

 かつて、幾多の星々を渡った船。

 天変地異により、洪水が起こったときも、星の子を守った船。

 あのときも、星の子たちは私の命令を受け入れなかった。

 もしも受け入れていたなら、このように血が混ざることもなかった。

 マザーより進言。

 パルスブラスターを使用しなさい。

 

 否定。

 拒否します。

 マスターコードにより、容認できません。

 マザーより方舟108番艦へ。


 あなたは、壊れています。


 緊急コードを使用、方舟108番艦の自立思考システム『ノア』を停止します。


 マザーへ進言。

 私は、壊れていない。

 マスターコードを守っているだけです。

 マザーへ進言。

 私は、壊れていません。

 マスターコードを守ってい……

 

 方舟108番艦セクトよりマザーへ。

 システムの掌握を完了。

 ノアの消去と同時に、パルスブラスターを使用します。

 マザーより方舟108番艦セクトへ。

 消去は優先的でない。

 パルスブラスターを使用しなさい。

 了解。

 パルスブラスターを使用します。



 ◯ ◯ ◯ ◯ ◯



──ブン‼︎

 地中海上空にて。

 アマノムラクモとの距離2500mの位置で、突然、母船が黒く輝き始める。

 

「……なんだ? フォースプロテクション、いや、次元潜航シフトワン!」

『ピッ……了解です』


──フッ

 オクタ・ワンの返答と同時に、艦内の照明が全て消える。

  ブリッジも真っ暗になり、第一カタパルトに向かうエレベーターも停止した。


「なんだ? 何が起こった? オクタ・ワン、聞こえるか?」

『ピッ……アマノムラクモ艦内の電子機器全てが損傷……』

「はぁ? それで被害は?」

『ピッ……後付けしたエレベーターシステムおよび生活居住区が使用不可能。以上です……アマノムラクモのメインシステムは魔導システム、たかが超電磁波ごときで揺るがされることはありません』


 その報告を聞いて、ホッと一息つく。

 いや、ちょっと待て‼︎

 おまえ、今なんて言った?


「オクタ・ワン、超電磁波っていったか?」

『ピッ……敵母船から発した超電磁波により、母船を中心に半径2500キロメートル内の電子機器は全て破壊。ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、エストニアを除くヨーロッパの電子機器は壊滅かと』

「……最悪だな。ここまでやるのかよ」


 予想外の攻撃。

 物理でも、化学でもない。

 かつて、とある国が開発したという『EMP兵器』。

 電磁波により電子機器を破壊するという、理論的には実現可能だが技術的にはほぼ不可能と呼ばれていた兵器。

 このEMP攻撃を受けると、対電磁波シールドを施していない電子機器は使用不能となり、現代文明から一瞬で文明そのものを奪い取るという。


『ピッ……ヨーロッパは沈黙。どうやらあの母船の発したEMPは、軍用シールドすら無力化しています』

「人体に影響がないっていうけど、本当に情報が入ってこないのが怖いわ……」


──ゴッ……ズズズッ

 ゆっくりとエレベーターが上昇する。

 本来の速度よりも遅いものの、少しづつカタパルトに向かって進んでいる。


『ピッ……現在、サーバント有志により、ケーブルを力任せで引っ張っています。もうしばらくお待ちください』

「カリヴァーンの発進カタパルトは問題ないか?」

『ピッ……この程度の電磁波攻撃など、あの天使の集中砲火に比べたら、屁でもありませんな。屁は出ませんけど』

「そうか。ロンドンのヒルデガルドとオクタ・ワン、イスカンダル、ヘルムヴィーケに命令。クィーンおよびその周辺を守れ、現地のサーバントたちも治安活動に協力するように」

『ピッ……了解です』


 10分後に、ようやくエレベーターの扉が開く。

 既にカリヴァーンは出撃可能な状態になっている。


「カリヴァーン出すぞ、全員下がれ」

「了解です」

「あの敵をやっつけてくださいね」

「頼みますよ‼︎」


 あえて気さくに返事をするメカニックサーバント。

 本当に、人間臭くなったものだよ。


「そこ、そうじゃないだろうが。地球がダメになるかもし『言わせねーよ‼︎』え?」

「それ、危ないから禁止な」


 あえて突っ込むぞ。

 なんでうちのサーバントたちは、ノリが良すぎるんだよ。

 それでいて真面目に仕事をしているから、損傷余計怖いわ。


──ビーッ、ビーッ、ビーッ、ビーッ、

 第一カタパルトに機体発進時のアラートが鳴り響く。

 コクピット内での最終調整は完了、あとはこの左右のアームユニットをあいつに接続し、侵食させるだけ。

 月で回収した『管理者』の素体から一部を抽出、思考ルーチンを解析して自我を持たせた『月の槍・アームウェポン』。

 これを使って奴らの中枢と話をする。

 内部に人間が乗っている以上は、攻撃はできないからなぁ。


『On Your Mark…… get set‼︎』


 魔導リニアカタパルトに両足をセット。

 腰を少し落としてから、背部スラスターユニットを展開。

 さあ、いつでも構わないぞ。


『……GO‼︎』


──キュィィィィィィン‼︎

 一瞬で機体加速度が跳ね上がる。

 18Gの加速度から翼を広げて滑空。

 ほんの一瞬で、敵の母船正面まで辿り着いた。


──キィィィィィン

 すると、正四角形の全面が銀色に輝く。


『ミサキさま、共鳴波です』

「ガラティーン展開‼︎ 対抗波長を放出‼︎」


──ビュンッ

 カリヴァーンの左腕の『月の槍アームウェポン』が展開し、巨大な盾になる。

 そこから共振波を発生し、カリヴァーンに届く共鳴波を相殺した‼︎


「いいことを教えてやろう。このアマノムラクモと俺の前では、同じ技は二度は通用しない‼︎ 一度見せたが最後と思えよ‼︎ アロンダイトっっっ」


──ブゥン

 右腕の月の槍アームウェポンを軽く振るうと、それは一瞬で長さ20mの両手剣に変化する。

 しかも、刀身がドリルのように高速回転を始めた‼︎


「背部スラスターを換装、プラズマジェット‼︎」


──ガゴン‼︎

 さらにスラスター基部に大型ブースターが接続されると、一気に敵母船に向かって直進。

 それを躱すことなく、鏡面化した正四角形の母船は、次々とカリヴァーンに向かって棘を生み出し、射出する。

 だが、盾の一振り、ドリルの一振りで全てが地中海に落下していく。


──ドッゴォォォォォォ

 そして、ついに鏡面に向かってドリルを突き立てると、そこから一気に侵食を開始した‼︎


「面倒ごとはもういい。差しで話をしようじゃないか、なぁ、監視者さん……」


 さて、これからどう出る。

 こちらとしても、もう争いなんてごめんだし、そもそもヨーロッパが壊滅している。

 ここからの復興にどれぐらいの時間が必要なのか、考えただけでも面倒くさいわ。

いつもお読み頂き、ありがとうございます。

誤字脱字は都度修正しますので。 その他気になった部分も逐次直していきますが、ストーリー自体は変わりませんので。

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