第6話
マイペース投稿になります。
私生活優先になりがちです。
王子殿下の立太式は今から五ヶ月後、わたくしはきっとまたその賑わいを窓から見ることになるのでしょう。
人生は明るく生きなくては、病死とされてもう戻る場所がなくても笑わなくては。
さあ、刺繍をしましょう、絵を書きましょう、本を読みましょう。
。。。
立太式も終わり、もうこの塔に入ってから二回目の建国記念日です。
去年は歌を聞かれてしまいましたが。失敗だって今となれば笑える思い出です。
刺繍の腕も上って、料理の腕も上がりました。最近はよく飛ぶ紙飛行機に自分で作った飴をぶら下げて飛ばしているのです。
たま〜にいらっしゃる皇太子殿下はその飴を食べると幸せになれるからといって必死に探しているそうです。わたくしの飴を食べた人が、今よりももっと幸せになりますように。
わたくし最近飴だけでは飽きてきまして、新しい何かをぶら下げたいと思っているのです。
飴も重さとかで約三週間悩んだのですよ。紙飛行機の大きさと飴の重さの比率、塔の中で何回飛ばしたことか。
週イチのペースで飴を飛ばしていますけど珍しいものになっているとは、どこに飛んでいくのかを真剣に見て記録をつけたほうがいいかもしれません。ここの街には飛んできて、ここの街は飛んでこない、となりますとない方の街が可哀そうです。
王城の方には…間違っても飛んでいかないでしょう。塔唯一の窓は王都側ですから。
さて、お菓子を作らなくては。実は護衛さんたちに持っていって貰ったお菓子、なかなか好評でして、孤児院に贈ろうと思ったのです。
護衛さんたちといいますと、はじめは二人のローテーションだったらしいのですがほら、監視って一日でございますでしょう?大変疲れますから、
一回倒れられてしまいまして…。それから半日交代になったのです。
嬉しいことに公爵家令嬢時代の護衛たちがうま〜く監視組に紛れ込みまして、今は、結構孤独を感じることは少ないのです。最近は公爵家の息がかかっていない護衛さんは希少になってまして、ほぼほぼ公爵家の人間ですね。ときどきわたくしの元侍女メルリーが男装してくるのですよ。両親はさすがにばれるので来ないですけど、やはり安心して話せる人が来てくれるというのは嬉しいものです。
わたくしは何故か扉から外へ出ることができないのです。門番もいませんのに…。メルリーなどは出れますのに、本当に何故でしょう?