第1話
とりあえず投稿します
マリーア・カロルこと、わたくし、実は今、婚約破棄をされているのです。
わたくしはカロル公爵家長女。弟や、妹もいますから跡継ぎには問題ありませんし、婚約者のフリ(相手は知らなかったようですが)をしていた人に婚約のフリを辞めたい、と言われている訳ですからこのまま静か〜に頷くだけうなずいて早く帰ってしまいましょう。見ている人も護衛だけですし。
あくまで婚約のフリ、ですので書類上傷物になることもありませんし、とりあえず相手に喋らせときましょう。
その間にわたくしは早く話が終わるようお経Ver.早く話おわってくださいませ。を心の中で唱えましょうか。
早く〜終われ〜長話〜。長い長い長すぎる〜。時間〜勿体無〜い。
。
。
。
適当に聞き流します。完全頷きスルーです。
「以上のことから、マリーア・カロルを幽閉する!」
ん?
今聞き捨てならない言葉が、。
わたくしが幽閉?
どういうことでございますか?
「聞いていなかったのか?貴様を幽閉する。ゆっくり言ってやるぞ、ゆ、う、へ、い!わかったか?」
わか、りますけど。
幽閉、って、わたくし、幽閉されるようなこと、いたしました?
「王子様は、あたしに意地悪したマリーア様にバツを与えたんですよ!意地悪、いぎ、意地悪したマリーア様、ホントは王子様死刑にするって、言ってたんですけど、あたしがやめて、って言ったから、マリーア様、死刑にならなかったんですよ。あたしに感謝していただくわ!」
よく分からないけれど、彼女を虐めた記憶が無いのだけれど、彼女のおかげでわたくしは命拾いしたようです。
名前知りませんし、恐らく初対面ですけれど命の恩人なことは事実。言われなくてもお礼を申し上げなくては。
「名前は存じ上げませんが、御令嬢様。命をお拾い頂いたことをわたくし、マリーア・カロル感謝致します。」
感謝です。
「あたし、御令嬢だって、ねえ。」
「騙されないぞ。貴様。」
意外な反応ありがとうございます。
王子様と御令嬢?様。
驚きました?婚約のフリの相手。
公爵家で王子と年齢も近いとなりますと、こうなるのです。
「衛兵!マリーア・カロルを連れて行け。」
「「「はっ!」」」
いきなり幽閉ですか…。
せめてお着替えを、持たせてくださいませ〜!