「day3」
いやーいよいよDAY3きました。
ここから話は終わりに向けて加速します。
話自体はよくある、ありきたりなものですが、どうかここまで来たら
最後までお付き合いください!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜 day3 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
カナデは胸の内につっかえている不安を吐き出しそうになりながらも、もしかしたらヤツの仕業かと怯え皆でホールに出る。ホールは静かに皆を迎える。「ホールにはいねぇ、もしかして外にでたのか?」リュウイチが外の様子を伺おうとドアの扉に向かった時、カナデは叫ぶ。
「リュウイチだめだ!扉に触れちゃいけない!」危うくリュウイチはドアノブに触れる寸前だった。その時ようやく気づく。
「リナが、リナもいねえ!」
あまりの不自然さと、違和感、非常識、異常事態が相次ぎ完全に皆の感覚は狂っていた。「多目的ホールのほうも見てみよう!」カナデは急いで多目的ホールへ向かう。扉を慎重に調べながら多目的ホールに全員入ると、そこには・・。
何もない。
異常事態とは何か?そう言わんばかりに机や椅子が奇麗に整列して列をみださないまま凛としている。その様子は「いつ私たちの出番がくるのか」と待っているようだ。「ここにもいない?どこなんだ?」全員で踵を返し今来たばかりの道を辿りホールへ戻る。この間1分も満たない短い時間の中で何かが変わる。多目的ホールの扉をあけて初めて知る真実がある。
扉を開けてすぐ目に入るのはガラス張りで出来た、大きな壁。その丸見えの壁から見える向こうは奇麗な中庭で、中庭の真ん中には大きな騎士の石像が見張りをするようにいつもは佇んでいる。でも今日は違う。今日はその石像が構える異形の薪割り斧にズタボロのスズカが上から落下したかのように突き刺さっていたのだった。
体中穴だらけになるほど、なんども異形の薪割り斧の槍の部分を突き刺したような傷をおい、
これ以上滴ることがないほど血液が流出し枯渇していたようだ。アイは目を伏せその場にしゃがみ込み、カナデとリュウイチはまさかと思い廊下の扉の鍵をすぐにチェックしにいった。
すると「鍵がかかったままだ!?どういうことだ?」扉は昨晩逃げる際に鍵をかけたままだった。鍵はこちらからしか掛けれない仕組みになっていて、ヤツはこちら側には来れないのにスズカは向こうで死んでいる。ということだった。スズカを注意して見てみるとスズカと石像の下には血で作ったような池みたいに血溜まりができている。
そこには、手帳らしきものが紛れ込んでいたのかすかに見えた気がした。それにカナデだけが気付いていた「手帳がみえる!なにかヒントがあるかもしれない」
しかしいくら武器を手にしたとはいえ相手は得体の知れない怪物だ、ヤツが扉の向こうで待ち構えていると考えただけで恐怖で扉の向こうへは行ける気がしない。
「でも、いくしかねぇよな!」リュウイチが怒鳴る。
「行こう!」カナデがそういうと決意が固まったようだが、アイだけは立ち上がれない。「ここで離れる訳にはいかねーだろ」
「そうだよ危険すぎる」それでもアイは動けずに居た。しかたなく多目的ホールに行き、内側から鍵をかけてもらい「俺たちがここに戻るまで決して扉を開けるなよ!」そう言って二人はアイを完全な密室に残し遂に中庭へ目指す事にした。
中庭には二階側の廊下からは見えるだけで、外に出ることは出来ない。従って一階側の廊下からしか行けない一方通行だ。念のため一階の廊下側だけ鍵をあけて進むことにした。包丁を強くにぎりしめたリュウイチが「ふーふー」と息を荒立て始め「いくぞっ」そう言って勢いよく扉を開ける。扉を開けた先の廊下にはスズカより先に行方不明になっていたユウタの死体がバラバラになってそこら中に飛び散っていた。カナデは「うっ」と低い声をだしてこらえる。「ユウタぁ・・本当にユウタなのか・・・?」リュウイチは残念そうにしながらも辺りをヒントになりそうなものがないか調べて行く。
ここまで異常な状態が続くと、人が死んでいるのにも関わらず感覚が麻痺していく。
廊下には汗や血、木材でできた壁や天井の古くさいシミや思い出と、くさい臭い。そこにはこの夏最後を告げたような、残り香が残っている。耳をこらすと皆で騒いで遊んだ昔の残響が聞こえた気がしていたが、目の前の色鮮やかな幻とモノクロの今の景色が重なった時、無情にも現実へ引き戻され切ない気持ちがこみ上げる予感している最後の夏。
ユウタの一部の近くには見慣れないクローバーマークの鍵が落ちていたのでとりあえず拾っておいた。きっと昨日逃げるときに聞こえていた激しい音は、ユウタを斧で痛めつけてた音だったのだろうと、二人はすぐに感じていた。二人は会話もすることなく目で合図し、構えながら中庭へでる扉を開けた。
そこにも幸いヤツはいない。カナデはスズカの元へ走り血溜まりから手帳を拾う。「読めるといいんだが・・」
「弟は兄を殺した。
そのときの衝動はもう今まで行ってきたどんな実験よりも得るものを感じていた。
弟の衝動はもう止まらなかった。ついには自らの癖と興味を最終目標である人間にしてしまったのだ。
そして、
イジメに関わった者達はこの事件がおきる少し前から全員が依然として行方不明である」
手帳を覗き込んだリュウイチがこぼす「くそ・・嫌なこと思い出させやがって・・。」カナデはどういうことだ?と思いリュウイチに訪ねた「嫌なことってなんだよ?」リュウイチはずっとカナデを見つめ「お前ふざけてんのか、今回だってお前が色々理由つけてあんなに言うからここに来たのに・・。」
「いったい何の話だ?」
その時、別館のほうからピアノのメロディーが聞こえてきた。
「くそ、この話は終わりだ!このまま怯えるのはもうごめんだ!アイツを倒しにいくぞ」
リュウイチはもう止めることができないと直感できるほどの気迫に満ちていた。それにきっと怯えて助けをま待っているだけなら全滅する事になるだろう。そう思ってカナデも、うなづいた。二人は手に持った凶器をぎらつかせ、忍び足でピアノの置いてある部屋へ近づく、扉の前にさしかかった時ピアノの音ははげしく「ボーン!」という和音を立てて止まった。
「いくぞ!」
カナデが扉をあけてリュウイチが部屋へと叫びながら飛び込む。カナデはそれを見た瞬間から急に意識が遠のいていた。目を開けた時、リュウイチの姿はなくカナデを待っていたのは無人のピアノだけだった。
徐々に太陽がすべり落ちて行き、カラスが不安を表すように騒ぎだす頃だった。
やっぱりマップ欲しいですよねー
あと「異形の薪割り斧槍」
この怖さを絵で伝えれなかったのが残念です。




