一章九節 主砲と称号持ち
分かってた、最初から分かりきってたことだった……自分に力なんて無かったただ運が良かっただけ、単にヘカトンケイルを倒したのも仲間のお陰自分には何の力も無いのに……『銅騎士』の称号を貰って調子に乗ってるだけ……
「力がないなら、積めば良い」
そんな事出来てたら簡単だ、出来ないから苦労してるんじゃん、こんなことなら、こんなことなら……
「自信持ってよ!」
リーラの背中を叩きながら、パイロットの人は手早く、パラシュートを取り付けた。
「無理です、無理です!イヤだ!!」
「さぁ、時間だゼ!ガール!飛び込んできな!」
「無理でぇすぅー!!!」
パイロットがそっとリーラの背中を押すと、リーラはお空に飛び込んだ。
その、直ぐ後に悲鳴がパイロットの耳に届いたのは。
まさか、まさか!理事長が条件があるって。
スカイダイビングしながら作戦基地にたどり着けとか可笑しいでしょ!!死ぬかと思ったわ!!
リーラがそんな事を考えていると、目の前には監視役の橘 黒が立っていた。
「少し、休みな……空の旅で疲れたろ?」
微妙な顔をして慰めてきた。
「いえ、大丈夫です」
リーラが顔を上げるとそこは地獄だった、国土防衛魔法によって、王都内は守られていたがその魔法外は踏むつけられ火事で辺りが燃ていた。
「ひどい有り様ですね」
建物中から、ライフル豊和M1500担いだ、碧が出てきた。
「生徒会長!何でこんなところに?」
「貴女こそ、『銅騎士』クラスが参加出来るはずが……兄さんは逃げないで下さい」
逃げようとした、黒の首を掴み事情を説明しろと言い寄った。
「いや、ねぇ連れていくなら強くなって帰って欲しいから」
「だから、スカイダイビングなんですか……」
「俺も反対したよ、女の子を空から落とす何て出来ないからね、まぁ……アイツらやっちゃたんだけどね」
移動方法は理事長の友人に飛行機会社を営む人からの貸してもらったらしい。
「そんな事より、王都大丈夫ですか?」
ジュラルミンケースを抱えたままヘカトンケイルがひしめく王都を見ていた。
「大丈夫とは言い切れないけど、大丈夫」
そう言いながら、ケースからライフルを取りだし、徐にセットしだした。
「そうだな、まぁ大丈夫でしょ……俺らの他にも『称号持ち』は居るんだし」
黒がドライバ『叢雲』に魔力を流しながら答えると、リーラが聞いた『称号持ち』について聞こうとした時。
「兄さん、準備出来ました、いつでもいけます」
碧は崖の斜面を利用して、仰向けになったまま空に向けて、銃を構えていた。
「なら、行きますか!『闇魔法【夕闇の演奏】」
黒が魔法で作り出した空間に、さまざまな音楽が流れだし、碧の身体能力を強化した。
魔力を貯め終わった『叢雲』は刀身から霧が出ていた。
すると、碧がライフルのトリガーを引くと、発砲音とともに銃口から煙が出ていた。
「当たったか?」
碧生徒会長が、いくら銃器に慣れていたとしても、王都から3kmも離れたこの場所から、ヘカトンケイルの頭を撃ち抜く事なんて不可能と思っていたら。
爆裂音が王都付近から聞こえてきた、一体のヘカトンケイルの頭が吹きとぶと全身を灰にしながら、崩れさった。
「流石、碧の技術半端ねぇな」
「当たったとしても、この『対異形特殊銀弾』がなかったら吹きとばせませんよ」
ライフルの薬室から空薬莢を排出しながら、碧は薬室に薬莢を詰め装填し直した。
「なら、狙撃は任せたよ」
碧に特殊銀弾の入った箱を渡すと、リーラに向かって。
「ここは、【主砲】様に任しとけば大丈夫だろ」
「【主砲】って……嘘ォ!」
碧は照れながら顔をフードで隠した。
【主砲】とは、たった13歳の子供が『甲殻型異形種』【バジリスク】を撃退。
熟練者の人達の使うドライバや戦略爆撃機でも甲殻で守られたバジリスクを倒せなかった。
国や集落が潰され成す術が無かった所に特殊銀弾でバジリスクの硬い甲殻の薄い所にピンポイントで撃ち抜き撃退をしたことで、最年少の【主砲】の称号持ちとして有名になったそれが、女性であることから騎士団に入る女性率が高くなったと言われていた、顔が隠されていたため、実際に居たかも不明だったらしい。
「私!主砲さんに憧れて騎士を目指そうとしたんです!あっ…あ……後でサイン下さい!」
「分かったから、落ち着いて……」
碧が興奮しきったリーラを落ち着かせると、ヘカトンケイルがこちらに気付き迫ってきた。
「手伝おうか?」
黒が聞くと。
「大丈夫よ兄さん、バジリスク程難しく無いから」
目を閉じて集中していると、ヘカトンケイルが岩を掴み投げ飛ばしてきた。
瞬時に黒が反応して岩を真っ二つにした。
「碧のためじゃねぇぞ、こんなんのに銀弾使われたらたまったもんじゃねぇ」
「私は何も言ってませんけどねッ!」
トリガーを引きヘカトンケイルの頭を撃ち抜き、薬莢を排出して再装填、向かって来たヘカトンケイルは、全て灰になって崩れた。
王都内では、爆発等で混乱した市民で溢れていた。
「逃げろォ!」
「お願い通して!責めて責めて子供だけでも!」
対異形特別避難シェルターに殺到する、市民たち、なかには子供だけでも入れたいが余りの数にシェルターが閉まらない始末。
終わりを感じた市民達は泣き崩れるもの結界の外に出ようとしたりと、混乱が激しくなった時。
「落ち着くのよぉ!ボーイ&ガール達!そんなとこで震える力が残ってるのなら立ち上がって逃げる事だけ考えなさい」
混乱する市民を落ち着く様に良い放ったのは、体はムキムキに鍛え上げられたのにも関わらず見た目は宝塚に出てきそうなキラキラな服装、見ただけで【オカマ】と気づくその後ろからは、トランプを切りながら笑顔を振りまく美形の男が歩いてきた。
「子猫ちゃん達はこんなところで遊ばないで、俺の後ろに隠れてな」
市民達は一気に二人の男?に歓声挙げた。
「やった!やったぞ!!称号持ちだ!」
「【戦艦】と【白の道化師】がヘカトンケイルを倒しに来たぞ!俺たちは助かったぞ!」
大きな歓声が二人を後押ししたのか歩いて結界の近くまで来ても歓声が聞こえた。
「ふぅ~、全く困ったボーイ&ガール達ねぇまっ応援されて嬉しく無いわけでわないけどね」
首もとの首飾りを強調させるように少し胸を張った。
「こんな仕事しているからですかね?」
先ほどまで、切っていたトランプを手元から消して、薔薇をトランプの代わりに出すと。
「んっ?この先に知り合いの魔力を感知したんだけど……分かる?千夏ちゃん?」
千夏は、結界を見ると。
「確かに、ミッシェルさん、あの人みたいですね……出て来て何ですが帰って良くないですか?」
「駄目よ!だ~め!あの人が手を出すとは限らないし、ついでにあの人にお披露目したいのよね」
ミッシェルは、金色の首飾りを撫でると、千夏にウィンクをした。
「なら、ミッシェルさんハデに行きますか!」
「「神器………解放!」」
ミッシェルの首飾りが光り輝くと、体が次第に膨張して元の体の倍以上のでかくなると、全身の筋肉が盛り上がり血管が浮き彫りになっていた。
「発動、神器・【完全無欠】」
千夏のトランプが光り輝くと千夏の後ろから、黒服の骸骨が現れた。
「発動、神器・【無垢な骸駒】」
「今コソ扉ハ、開カレリ」
骸骨が喋る、骸骨の袖からトランプが出てきてシャッフルすると並ばれたカードを千夏が1枚取ると。
「5番だ」
「5……渇望ノ5ダ!…誰ガ手ニ入レル……渇望ノ力ヲォ!」
千夏はにやける顔を 抑え込めずにいた。
結界内でとてつもない魔力を感知すると。
「なるほど、アッチも動き出したか……俺も少しやるか」
黒が叢雲を地面に突き刺して、黒色の刀剣型神器【黒幻】を腰から抜きながら言葉を発した。
「神器解放・【黒幻】発動!」
爆風がリーラや碧を襲う煙の中から神器を解放した黒が出てきた。
全身から赤黒雷が流れだし、髪は逆立ち爪は長く鋭くなり、全身から出る殺気はまるで黒竜の様な激しさをしていた。
「ここから先は、手加減無しだ」
ヘカトンケイルは一斉に雄叫びを挙げた。