一章七節 準備と理事長参戦
第二校舎の大爆発と共に現れた『異形』。
【ヘカトンケイル】学院の生徒は目の前に佇む脅威から、逃げることも出来ずにいた。
「異形だ!異形が出たぞ!」
「逃げろ!」
誰かが発した言葉に釣られ生徒達は逃げたした。
「逃げるとは何事ですか!」
逃げようとした生徒の目の前に立ちはだかったのはリーラだった。
リーラは深呼吸をすると、ドライバに魔力を流しながら。
リーラはヘカトンケイルを見つめた。
「ヘカトンケイルは、異形の中でも特種な大型種、ですが!図体だけがデカイだけです。この場にいる生徒で対処出来ます!皆さん周りを見て、避難を優先するのか逃げるのか!自分が何をするべきか考えて下さい!」
この場にいる生徒に生徒全員で一丸になれば対処出来る。
まだ、避難が出来ていない一般市民の避難を優先などの、基本的な人命救助などの事があると言うことを生徒達に指示すると。
一人、ヘカトンケイルに向け、飛びこんだ。
「はぁ!」
ヘカトンケイルの腕に一撃を叩きつけたが、効いてる気配所か、こちらの存在にすら気づいてなかった。
リーラはもう一度、ヘカトンケイル体を登り肩に到達した所で、ヘカトンケイルがリーラの存在に気付いた。
「グァガァガガガガガガガガ‥‥!」
ヘカトンケイルが雄叫びを挙げたのと同時に、リーラを振り払うと、リーラを地面に叩きつけた。
「ガッハァ……」
リーラは地面に叩きつけられる前に、ドライバに流してあった魔力を自信に纏って衝撃を吸収した。
もう一度、ヘカトンケイルに挑もうとしたが、目の前を遮られた。
「『渚』!それに、『三奈!』
「一人で美味しい所持って行かないで欲しいでち!」
むっす、とした表情の『三奈』
「行動力ありすぎでしょ~リーダー、てかもう少し他人を頼りな」
薙刀を担ぎながら鼻を啜る『渚』達がリーラの前に立っていると。
「あれ?理事長先生は?」
渚がリーラに尋ねると。
「ま……まさか!…ヘカトンケイルに潰されたのでち?」
三奈がリーラに目線を送ると、三奈の頭上から黒色の箱が降ってきた。
間一髪避けた三奈は箱に目をやるとそこには、箱型ドライバ『棺』の上に立つ理事長が居た。
「さて、皆行くよ!お掃除の時間だよ」
理事長のドライバ『棺』が開くと中から、『人形』が一斉に出てきた、それに負けじと渚や三奈もヘカトンケイルに向かって走りだした。
理事長の放った『人形』を見ながら、リーラは理事長に訪ねた
「先ほどの人形…まさか……魔法ですか?」
リーラが震える手を押さえながら、理事長の方に向くと、リーラの頭を撫でながら、
「大丈夫…恐いこと思い出させちゃったね」
ニッコリと笑いながらリーラを抱きしめた。
学院の校門付近に集まっていた、生徒達は生徒会長こと碧の指示により避難誘導に出ていた。
「まさか、……ここの生徒会長とはねぇ~驚いたわぁ~」
苦笑いしながら碧に近づいた。
「兄様が聞かなかったので、言いませんでした」
そっぽを向きながら、銃型ドライバ『断罪の銃身』をホルスターから抜き、兄である黒にドライバが入ったジュラルミンケースを渡した。
「これは?」
碧に渡されたケースを見ながら黒が聞くと。
「泉お婆様が作り直してくれた、兄さんのドライバ【神器・『黒幻』】ですよ」
ジュラルミンケースを開けると刀身は赤黒色で出来ており、柄や鞘までも黒1色だった。
「黒過ぎんだろ……」
「兄様の特性を生かすとこうなるらしいですよ」
碧が黒色のドライバ『黒幻』を見つめながら心配そうにしてると。
「心配すんなよ、別に死ぬ訳じゃねぇ……それに、今はアイツ優先だろ」
ヘカトンケイルを指差すと。
黒幻を鞘から抜き、刀身に魔力を流すと赤黒い雷が刀身から流れだし赤黒色の刀身はよりいっそ赤黒くなった。
「所で兄様、『叢雲』は?」
碧が唐突な質問に忘れていたわぁと言わんばかりの顔で碧を見ると冷たい目をしていた今度は笑わず。
「コレ、どうしようかな?」
腰に手を当てながら、蒼白の色をしたドライバ『叢雲』を眺めていた