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難攻不落の黒竜帝  作者: 遊木昌
二章 理想世界
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二章七節 鉄壁の騎士団長

黒は現状をどうやって生き残り逃げるかを考えていた。

地下まで敵が攻めて来ないという保証はなかったのに、敵の存在を忘れのんびりしていた昨日までの自分を殴り飛ばしたいとこれ程思った事はなかった。


「なあ、聞いてんのか?」

「悪いけど、急用を思い出してね。次に会った時にでも……」

ローブの男に聞こえないようにステラに耳打ちをして、先に行かせると。

「賢明な判断だな。そう言えば、俺も急用を思い出してな」

「あんたもか、用事は直ぐに済ませないとな……」

両者が振り向いた瞬間に、ローブの男が塵魔法で造り出した剣が建ち並んでいた家屋を真っ二つにする中で、黒は恐ろしい反応速度で体を捻り剣筋を避け、血燐でローブの男の首を切り落とした。


「何でかなぁ……今のは結構自信あったのに…」

血燐を通して黒の手には確かに手応えが有ったが、目の前のローブ男の首は健在だった。

「鈍刀がそれは?ちゃんと切れるオモチャ持ってきてくれよ」

ローブの男の手元に塵が集まりだし、男が近くの瓦礫に塵を投げ付けると。

勢い良く周辺を巻き込む大爆発が起きた。


「まさか、塵魔法にそんな力あったのかよ…」

黒が血燐を鞘に収めつつ、距離を取っていると。

「ホイっ」

指を鳴らすと、周辺の塵が一斉に黒に向け飛んできた。

黒は出来るだけ人の往来が激しい場所を避けながら、爆塵から逃げた。

「おいおい、俺ともっと遊ぼうぜ!」

爆塵の勢いは増し、次々と建物が壊されていった。

「ヤバイな、そらそろなんとかしないと」

ローブの男が塵魔法の詠唱をしている瞬間を狙って攻撃に転じたいが、相手は空中に停滞しつつ攻撃で生じた砂埃によって上手く相手の位置が掴めないでいた。

「あー、くそどうすれば」

その時、ローブの停滞する位置より高い位置から現れた殺女に気付かず、ローブは殺女のラリアットを正面から食らい。

瓦礫を巻き込みながら、吹き飛ばされていった。


「ナイス、殺女!」

黒の真横に降り立った殺女を、黒は化け物と思った。

「痛てぇなぁ!」

爆塵を纏った拳を殺女目掛けて降り下ろす瞬間、大氷壁が立ちはだかりローブの拳を止めた。

「あらよっ!」

ロークの鉄製の網がローブを縛りあげ、地面に倒れた瞬間を狙って黒の魔力を帯びた拳が叩き込まれた。




黒達が激戦を繰り広げている時に茜も奮闘していた。

「黒幻の残留魔力を採取して、そこから黒兄の現在地を計算して今すぐ!」

「はいっ!」

茜の声に反応するように他の研究員が計算や捜索隊の準備が順調に行われていた。

「茜先輩、僕らも手伝うっす」

渚が資料を運びながら声をかけた来た。

「ありがと。でも、皆には捜索の方にてを貸してくれるかな?」

「うぃーす」

適当な反応をする渚に、三奈が後頭部にドロップキックをかました。

「いて!なにすんすか。姉さん」

後頭部を擦りながら反応する。

「お前が、茜先輩に失礼な態度をとるからでち!」

三奈が叫ぶと反発するように渚も叫ぶため、研究室は渚と三奈の言い争いで荒れていた所を、リーラが二人の襟元を掴み研究室を後にした。

「茜教授も昔を思い出しましたか?」

丸眼鏡の老研究員が笑顔で歩み寄って来ると、茜は書類をまとめ指示をだし、老研究員に向き直り同じ様に笑みを浮かべた。

「あの三人を見てると、やっぱり黒焔を思い出してね」

茜の言葉と共に、研究室の空気が暗くなると、茜は積極的に声を挙げ研究員を動かした。

一人の研究員が計算を終え、現在地を特定したが困った事が起きた。

「茜教授、茜教授こっち来て下さい」

「はいはーい」

茜が研究室の二階から跳び降りると、数人の研究員が鼻血を出して倒れた、無論男子だ。

無意識だったのか、茜は赤面しながらスカートを直しモニターを確認すると。

「ここって、ただの農村でしょ?」

研究員が真偽を確かめようした所、別のモニターでも結果は同じだった。


「直ぐに捜索隊を出して!それと農村近くに敵のアジトがある可能性出てきたから騎士団を呼んで。今すぐ!」

遂に見つけた黒達の行方が定まり、多数の騎士団と研究員の参加が決まり、アジトに向け移動が開始された。


「美月と笹草は、敵反応が押し寄せてきた時の事は任せたぞ」

ハートが二人に大和の防衛を任して、颯爽と出ていた。

「任されちゃんたね、姫ちゃん」

「はい、ですが。頼まれたの並ばやり遂げなくては」

二人の背には、大勢の人で一杯だった。


禁忌の聖騎士(ネオパラディン)1の防衛力『大海の海風騎士ゼンレシード・フォルネ』団長紅美月(くれないみづき)の名の元に!」

禁忌の聖騎士(ネオパラディン)1の後方支援『天命の聖女(リーテロシャルチ)』団長笹草姫(ささくさひめ)の名の元に」

「ここから先の指揮は私達が努めます」

笹草が戦斧を両手で握り天に祈りを捧げ、紅は槍を振り回し再度構え。

二人の表情が変わり、団長の顔になった。



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