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難攻不落の黒竜帝  作者: 遊木昌
六章 純白の花嫁と新宿の幻影
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六章十二節 エイカーズVSハート


 タワーの最下層にて、エイカーズは目を覚ました大型古代兵器を前に、身を強ばらせていた。


 轟音と地響きを挙げながら、サファイアの泉の底から目を覚ました古代兵器が何重にも巻かれた鎖やエネルギーを抽出していたと思われる大小様々なケーブルを引き剥がし、泉から出ようと巨腕がエイカーズ達の元へと伸びる。

 鋼鉄製の壁や床を指で削り、その場から逃げようとした黒服達が出口に到達する前に、兵器の腕が彼らの身体を押し潰す。

 瓦礫に埋もれ、流血により床が真っ赤に染まっても、エイカーズの視界には兵器しか写っていない。

 地響きと激しく鳴り響く鎖や歯車の金属音によって、ユリシアは目を覚ます。

 サファイアのように煌めく液体に浸かる自身の体と、その中心で四方の壁に手を当て、周囲の情報を探る奇妙な機械兵。


 「…まさか、コレが……」

 「そうだよ、ユリシア…。コレが僕が新宿を破壊してまで欲しかった巨大な古代兵器…さ」

 エイカーズが目を覚まして間もなくい困惑したままのユリシアの頬に触れ、不気味その物な笑みを浮かべる。

 兵器が壁を触り終え、天井を突き破ろうと拳を突き上げる。

 一瞬で天井が弾け、無数の瓦礫が土砂の様にユリシアとエイカーズの頭上へと振り掛かる。


 「ごめんね……ユリシア。君をあの古代兵器の核になって貰わないと行けない。そうしないと、兵器として操れないからね」

 エイカーズの不適な笑みに恐怖を抱きエイカーズを突き飛ばそうとするよりも先に、ユリシアの体がみるみる兵器のコアと思われる胸部へと吸い込まれる。

 ユリシアの周囲を外敵から守るように張られた瑠璃色のバリアが、次第にその厚みをさらに増していく。


 「さよなら……。黒焔に壊されるか、寿命で腐り果てるか…。一生僕の奴隷として、有益に利用してやるよ」

 ユリシアを胸部に格納した兵器が動きを止め、うっすらとしか光を灯していなかった眼光が真っ赤に発光する。

 土砂の下敷きとなる寸前でエイカーズの頭上に振り掛かる瓦礫が古代兵器の腕に弾かれる。


 「――さぁ、行こうか…。僕の忠実な下僕と最強の殲滅兵器よッ!」



 結界維持に使われた維持装置があまりの衝撃によって破壊され、新宿を覆っていた結界が破壊されると、鼓膜を刺激するほどの爆音が新宿を包囲していた騎士達にまで届く。

 


 「――暁団長ッ!新宿内部にて、大型古代兵器を確――」

 「――見えてるよ。それに、何の為に第四と第六を向かわせたと思ってるの…?十二単将の中でも生粋の武闘派の2人だよ。僕の意図ぐらい読んで貰わないと困る」

 それだけ言い残すと、暁は包囲網を敷いた全部隊に新宿から避難してくると思われる住民の受け入れを強化するように命令を出す。

 無線機から聞こえる微かな暁の声に、両者睨みあったままのハートと天童が攻撃を手を止める。

 「どうやら、相手も切り札を切ったらしいな。行かなくて良いのか?――大事な人が危ないぞ?」

 「テメェが偉そうに物を語るな。ユリシアを殺した癖に……」

 しかし、そこで天童の中に不思議な疑問と疑惑が浮上し、天童は思考を巡らせる。


 (見す見す…?俺が察知出来たのは長年の付き合いでもあるが、殺す気かその気があるか位は分かる。1発目が囮だと初めから気づいて…た)

 ――()()()()()()()()()――

 天童はエイカーズの言っていたユリシアを表す大事な花嫁だと言う表現に、焦りを見せた。

 天童を黒焔から切り離す為の人質ではなく、元から別の使い道があって天童をこちら側に釣るのはただのオマケだったのでは……と。




 「――俺を新宿から遠ざける為の芝居を演じたって訳か……。クソがッ!」

 両翼を羽ばたかせ、上空へと飛翔し新宿に向けて空を切って進む。

 「……暁。新宿方向に天童が向かった。何か嫌な予感でも察したと思われる」

 『知ってるよ。でも、事前に情報を渡さなくて正解だったね。天童には悪いけど、起動してない古代兵器を見付けるのは至難の技だからね』

 ハートが肩や服に付着した砂や小石を払いながら新宿内部にて、その巨体を余すことなく振るう古代兵器を見詰める。


 「……古代兵器を動かすために、()()()()()()()使()()って、魔物に覚醒してることを祈るか……。魔力切れで死ぬ前に、天童と共子達に破壊されることを祈るしかないね」

 天童が無線機を切って、背後に現れた白ローブの一団を睨み付ける。

 「悪いが……違法な改造ドライバも巨像(ゴーレム)型古代兵器も、お前達に渡すことは出来ない。今ここで死ぬか…鴉達の指揮の元で死ぬか――選べ」

 ハートの手に光の粒が凝縮され、光が形を成して現れた黒を基調とした色と金色の装飾が施された両刃の剣をハートは鞘から抜く。


 「……三秒程度やるよ。死ぬか消えるかだ」

 鴉との戦いで見せたハートの【聖剣(エクスカリバー)】とは比べ物に為らないほどの高密度で高濃度な光の剣が、ハートの前方全域を塵へと還す。


 「聖剣(エクス)…違ったな。神器解放(パージ)…【鏖魔の聖剣エクスカリバー・プロメテリア】――」



 真っ赤に禍々しい魔力と戦神の魔力が混じりあった光と闇の歪な光の魔力が剣先から溢れ、別空間から現れた白ローブの数名を一瞬で塵へと還し、ハートが振るった聖剣の魔力を帯びた斬撃が山肌を焼く。


 暁やその他大勢の騎士が、ハートのいると思われる地点から空へと伸びる禍々しい魔力に気付く。

 (ハーちゃん。その力を出したってことは……鴉が接触してきた。やはり、目的は古代兵器と改造ドライバのどちらか…。それか、両方)

 「全部隊に通達。鴉達と思われる勢力が、第三勢力として関与する可能性がある。総員気を引き締めるように、臨戦態勢を維持――」

 「本当に、鴉達が介入してくるとお考えなのですか…?」

 暁が夜営ように張られた天幕へと入り、その後ろを恐る恐る付いて歩く数名の団員達を鋭い眼光で見詰める。

 暁からすれば、ほんのちょっとした脅し程度の出来心であり、団員達にピリついた本当の戦場での危機感を抱いて貰うため、第三勢力の介入があり得ると言う曖昧な表現で全布陣に臨戦態勢を命じた。



 ――しかし、新人を含めた全ての団員達は、心の底で不安を押し殺していた。

 『黒焔の力の象徴であった皇帝の不在』は、団員達の不安要素の塊であった。

 もちろん、暁やハートを含めた十二単将や四天はそれ相応の力を有しており、戦力としては申し分無い。






 鴉達――異形の者達との、戦いでなければ――…






 「……って、みんな不安になってるよ?」

 「そうだね…。そう言うミシェーレ…君は、不安じゃないの?」

 暁がマキジや医療部隊所属の者達が頻りに天幕の外を走り、報告書や新宿からの避難民の手当てに大慌ての笹草やマキジ達を微笑みながら見ていた暁が、伝達係からの報告を受け取る。

 「多分だけど…私みたいに、十二単将や四天と深い関わりのある子達。昔から黒君とハートを知ってる人なら―――団長とその右腕が不在なだけで、不安になることはないよ」

 「ミシェーレ…。まだ、議会が勝手に決めた呼び名で呼ぶの?翔も僕も…その右腕とか左腕とかって言う名称…。嫌いなんだよね――」

 暁が席を立ち、傍らに置かれていた神器に手を伸ばす。

 後一太刀でも刀身で受けようものなら、粉々に砕けてしまうほどの非常に脆くなり、目も当てれぬ状態に成り果てた神器――【十國】―……。

 しかし、暁はそんなボロボロの十國を片手に、新宿から逃げ出す民間人とそれに混じって、騎士に襲い掛かる敵存在を一瞬で見抜く。


 「―貴様ら……。最強と名高い、12人の皇帝が配下達であるのにも関わらず。そんな腑抜けでどうする――」


 低く――そして、身の毛もよだつ恐怖と殺気に満ちた暁の言葉が、全部隊…全騎士の耳に届く。

 民間人の助けを求める言葉や、脅威から逃げようとし我先に騎士の元へと駆け出す者達。

 騎士達の半数以上が、突然土砂のように現れた民間人の量にたじろくが、その悉くわ暁の言葉によって背筋を正す。


 「「「――新宿から逃げ出した民間人は、一列に並べッ!」」」


 怒号のように響いた声と共に、敵意を見せた女だろうが老人だろうが、彼らの前では全て無意味となった。

 民間人を整列させ、一瞬でも怪しい動きや敵意を持った者は即刻その場で鉛弾の餌食となった。


 「ミシェーレ。……全布陣に伝達。民間人の選別が済み次第、近くの町へと移動。大和に連絡と大和への受け入れを準備をするようにラックさんに連絡。お願いね…」

 「分かったよ。暁くんも………()()()()()()()()?」

 ミシェーレが複数の端末を指で叩き、大和へと連絡を始める。

 全布陣にて民間人と敵の区別を始め、新宿とその周囲に立っている者が敵と判断されると、暁は十國を掲げる。






 「改造ドライバが予想より多い……。作戦変更。全軍を持って、新宿内の化け物を一掃する。その後、突撃した第四と第六の兵器攻略の支援に徹せよ。…一斉攻撃。開始――ッ!」


 二輪車が砂煙を挙げて展開された各布陣から、二輪車に股がった騎士が雪崩のように新宿へと攻め込む。

 第十師団によって、所々に開けたゴーレムの穴を付いて各部隊が突撃しゴーレムの大群を突き破る。

 しかし、新宿にて待っていた数名の人影によって、複数箇所にて突撃が妨害されていた。


 「なぁ…俺と遊ぼうぜ?」

 「私も混ぜてよ。ゲルマン」

 大型である二輪を片手で楽々と持ち上げたゲルマンが、次々と新宿へと侵入する騎士をあえて見逃す。

 そんなゲルマンの顔を覗き込み、頭の上にはてなマーク浮かべたタムネが揃って迎え撃つのは、旧ドライバを腰に携え新型ドライバと思われるアタッシュケースを片手に2人を睨み付ける人影に、ゲルマンは釣り上げる頬を隠せずにいた。


 「……前戦ったガキとやり合いたかったが、女のお前でも…充分楽しめそうだ」

 「へー…。ウチに喧嘩売っといて…生きてられるとホントに思ってるの?」

 旧ドライバを鞘から抜刀し、ゲルマンの右頬を掠めるように反らした斬撃にゲルマンは反応する。

 甲高い金属音が鳴り、ゲルマンの突き上げた拳に弾かれた斬撃が頭上の石門を切り崩す。

 ガラガラと音を挙げて、塞き止められた門の中からゲルマンは笑みを浮かべて共子を見下ろす。

 「ゲルマーン。そんな女何か速く片付けて、えっちゃんの加勢に行こうよ。暇すぎてつまんなーい」

 共子が後ろで控えていた部隊に別の道から突入する部隊と少数の部隊をその場に残らせる。


 「暇なら……()()()()()()()?…ウチからすれば、雑魚が一人二人増えようと変わんないから」

 共子の挑発的な言葉にタムネの我慢の限界を迎え、共子へと飛び掛かったタムネの体が宙を舞う。

 ゲルマンが唖然とその光景を見詰め、地面に転がる下半身と未だに動いて共子に手を伸ばす上半身に一瞬で分けられた。


 「そうよね…。こんな雑魚に、素早さならトップクラスの佐奈が遅れを取る筈はない。きっとその異常なまでに進化した再生能力によって負傷した。三奈と渚を庇って佐奈が逃げた。だから、魔力欠乏症に陥った……。良かった私の早とちりで」

 ゲルマンと再生したタムネが同時に両側から仕掛けるが、共子が身を屈めた状態から抜刀したドライバに、2人仲良く切り捨てられた。

 「……嘘だろ…何で…こんな……」

 「おか…しい…よ。だって…前戦った子達と…次元が……違い過ぎ――」

 タムネが言葉を言い終える前に絶命し、微かに再生を始めるゲルマンが恐怖に染まった表情で、その場から走って逃げ出す。

 共子の指示のもと、瓦礫を二輪車で駆け登って侵入した部隊を見送り、遥か彼方に見えるゲルマンに向けてドライバの刃先を向ける。


 「旧型ドライバって、あんまり性能悪く無かったのにな……。壊すのだって、クルムとノルバだけだったし、別に新型にしなくても良かったのに。…ウチには予算の使い道が全く分からない」

 ゲルマンに向けていた刃先をその場でゆっくりと円を描くように真横に動かし、一周すると同時にそのまま一閃すると崖を必死に駆け上っていたゲルマンを切り裂く。

 藪の中で静かに倒れたゲルマンに、共子は溜め息を付いて早々にその場から立ち去る。


 (へっ……何て優しい斬撃だよ。眠るように…死ねるじゃねー…か…)


 新宿へと次々に侵入を終えた騎士が、ドライバを片手に地下から現れた改造ドライバによって、化け物へと成り果てた者達と戦闘が行われていた。

 中央では、ゆっくりとだが体の動きに馴染み始める大型古代兵器が嫌でも目にはいる。

 邪魔な建物は軒並み破壊し、ゆっくりと確実に大和へと向かって動き出す。

 地下の放棄区域から水のように溢れる化け物と、騎士と化け物が衝突するタイミングを狙って現れた異形種。

 

 新宿では、化け物と異形の2勢力を相手にする騎士団の地獄にも等しい、大規模戦闘が火蓋を切られた。






 ハートの足元にて、崩れ落ちる人型異形種(ハンター)と白ローブの一団に目もくれず、空間に開かれた裂け目から顔を出した(スネーク)と呼ばれた強敵を視界に捉える。


 「もっ……止めてよー。そんなに熱烈な視線送られちゃったら、おねーさん。本気になっちゃうわよ?」

 蛇が体をクネクネとくねらせ、ハートが放った数発の聖剣を難なく弾き、その上ハートに背を向けるなど隙をわざと見せる。

 本気で殺意を込めていない聖剣とは言え、ただの人間所か神器を持った騎士でも、余裕を見せれる程なま易しい物ではない。

 確実に、翔が対峙した蜘蛛(スパイダー)や黒が対峙した(クロウ)よりも実力者であり。

 数ヶ月程前に戦った際と同様に、本気を全く見せてはいない。


 ――見せていても、それは()()である。


 ハートが聖剣を握る拳に力が入り、聖剣の刀身に魔力がさらに巡る。

 戦神(オーディン)の魔力を使わずに、ハート自身の魔力を巡らせ禍々しい魔力にうっすらと光輝く光の魔力が宿る。


 「そう言えば……こんな表現を私、最近知ったの。『欠陥だらけの黒』『可能性だけの暁』『魔物へと近付く翔』それと――」

 「――『()()』な…僕かな?」


 蛇が頬に手を当てて言葉を思い出していたが、油断していた事と初めての戦闘時に翔と黒を強敵として認識しなかった事から、自分の中でハートも同じく眼中に無かった。

 ――聖剣によって、自分の右肩が消滅させられるまでは―……。


 「――!!ッ!!?―――ッ!ッ!?」


 一瞬生まれた蛇の驚いた表情と次の瞬間には、滝のように吹き出した脂汗を見るに――()()()()()な訳ではない。

 その事実を理解したハートは、聖剣(プロメテリア)に凄まじい魔力を巡らせ、前方に連なる山々と天を覆い隠すほどの雨雲を一薙ぎで薙ぎ払う。

 凄まじい魔力とハートの周辺に黒の魔力領域とは比べ物にならないほどに、高濃度な魔力領域が生まれる。

 一瞬で消し飛んだ山々と雨雲に轟音と魔力探知機の反応に驚いた偵察部隊の騎士や外で待機を命じられた騎士達が、音が響いた方向へと振り向く。


 地響きにも近い揺れと数ヵ所に同時に落雷が起きたと思わせる轟音の後に、一ヶ所だけ大きく穿たれた空から、パラパラと聖剣によって消し飛ばした際に弾かれた残骸が空から降る。

 神器を鞘に納めると、次第に剣は光の粒となってハートの手から消え。

 目の前の地形を容易に変化させた事実だけが、ハートの前方に広がる。

 気付けば、微かに息のあった白ローブ達もまとめて蛇諸とも消し炭にしてしまった事に気付いたハートだが――『…どうでも良いか』とだけ残し、暁からの指示を受けて新宿へと向かう。




 暁がハートの魔力が大きく乱れ、次の瞬間轟音が鳴り響いた事を確認すると、近くで轟音に驚いた女性に丸めた地図を渡し、ハートとが神器を解放した時にと周辺に、あらかじめ張っておいたに強力な結界を解く。

 

 「――洗練された刃は、どんな盾も貫く。その刃が、一級品であれば、なおのこと強靭な刃となる――…。こんな力を隠してたハートちゃんも凄いけど、そんな強者達に好かれる黒ちゃんも凄いよね。そんな運命って……少し興味があるな…」

 机の上に散らばった書類をまとめながら、暁は小声でそう呟く。

 新宿にて、火蓋を切られた戦闘についての報告が上がり暁の前で伝達係がその報告を伝える。

 その報告を受けハートが通信機の電源を即座にハートに入れ、指示を与える。



 「ハーちゃん。きっと、兵器の方は共子とアッシュがどうにかするから……国潰しを相手して貰える?」

 『分かった…。2人の邪魔はさせないよ――』

 テントの遥か頭上を通過したハートが、光の粒を集め聖剣を召喚し、進み続ける兵器の目前で停止する。

 聖剣の刃先を標的である男に向け、呼吸を整えた2人が示し合わせたように互いに警戒しながら、ゆっくりと高度を下げる。

 半壊した各区域の瓦礫と化け物によって、突き破られた放棄区域からは闇市で出回っている改造ドライバが目に入る。

 出力や正規品ではない各部品を用いた規定外のドライバが瓦礫と共に埋もれている。


 「……騎士からみても、俺が作った改造ドライバは凄いだろ?正規じゃない部品での強制出力と、ドライバや神器の魔力を直接体内に注入する薬品タイプ。注射タイプの液体と丸薬タイプの固形――。議会と連盟でドライバを騎士団のみでの独占使用。裏組織に出回らないように配慮を重ねても、新宿設計時に応用された最先端ドライバ技術と俺のカリスマ性があれば……容易に世界すら支配できるッ!」

 エイカーズが改造ドライバを手に取り、その場で転がる死体に無理矢理注射器を刺す。

 押し込まれた液体状の改造ドライバが、死体の全身に周りゾンビのように呻き声をあげる。



 「さぁ、検証だ。騎士様は善良だった市民を殺めることが出来るのか?それとも、確実に無力化をするのか?――どっちだッ!」

 エイカーズが注射器を地面に投げ捨て、容器が砕ける音と共に化け物が一斉にハートにむけて飛び掛かる。




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