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難攻不落の黒竜帝  作者: 遊木昌
一章 漆黒の楔編
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一章十四節 作戦開始と射程距離

王都近郊では、装備品や大型ロボットなどが輸送機から下ろされていた、輸送リストと照合しながら着々と作戦の用意がされ始めた。

重装備に身を包む多くの隊員達が列をなして並んでいた。

各々が軍用ライフルや特殊大型殲滅兵器に対異形特殊銀弾を装填する中一人王都を見ながら青年が、青年の背後に現れた少女は何かの紙切れと石を渡すとその場から少女は消えていた。


緋音やリーラがバーを出て王都に向けて進みだしたところ、緋音達の前に大きな壁が立ちふさがっていた。

数多のヘカトンケイルが1列に貴族街から王都に人を入れないように壁を成していた、緋音は絶句していた。本来なら多くて2・3体の出現するのに対して現在では40体近くの異形種の出現。

ここでは、全てが無意味であった。

「くそ、腹立ッ!」

緋音が勢い良く、その場にあったベンチを蹴り壊すと、黙って佇んでいたリーラが何かに釣られたかのように声を挙げた。

声を挙げた。にしても小声で聞こえない筈だったのに、その瞬間その数秒間。

“世界から雑音が消えていた”

雑音だけが消えた世界には、妙に聞こえてくる音があった、それは。

ゆっくりとゆっくりと、歩き続けヘカトンケイルの先にある王都の王室に向けて、黒が近づいてくる音だった、地面を伝わって緋音達に聞こえてる足音は怒りと殺気で満ち溢れた様だった。

「邪魔だ……黒竜薙ぎ倒せ」

右手を掲げると、黒色の靄が赤黒色の靄に変わり、大きな球体へと形を成すと黒の口から呪文が唱えられた。

『我らは器、歩き続ける器、汝の願い汝の祈り、応えよう、我らは汝の器』

「臨界調律魔法【貫くは我らが願い(シュゲルドアルサート)】」

球体から靄が解き放たれ、靄が何本もの槍に形を変えヘカトンケイルの向けて、放たれた。

ヘカトンケイルが一斉に黒に向けて襲い掛かろうとしたが、だが黒の魔法の方が速く槍は無尽蔵に靄から出現しヘカトンケイルを貫いた、どんなに錬金術師の異形錬成が早かろうが、黒の魔法槍の方が速く錬成する前のヘカトンケイルや小型異形種も槍に貫かれ王都を守る城壁は紙切れ同然に何本の槍が突き刺さり、跡形もなく崩れていた。

「さて、王の奪還と行きますか!」

リーラと緋音が同時に前に出て口々に叫んだ。

「お父様を助けるのはこの私!『卑弥呼』の称号保持者、邪馬緋音(やまひいね)だ!」

「救出作戦に私もご一緒させてください!」

緋音とリーラは黒の後ろに並び、正面から堂々と王奪還を試みた。


王都外では、先程の地鳴りと城壁の崩れる音を聞いた隊員達は直ぐ様荷物をまとめると王都に向けて攻撃ヘリや軍用ジープに乗り王都に並んでいた。

隊員何名かは、緊張で震えていた。

ジープのハンドルを握る手が強くなり、少しの音でびくびくする隊員までもが出てきた。

「ヤバいな、緊張を和らげたいが逆効果になりそうだ」隊員の一人が愚痴を溢しながら配給の野戦食糧レーションをかじっていたが、チラリと隣を見ると任務中であるのに堂々と寝ている隊員に平手打ちを決めると。

半ば状況を飲み込めず辺りを見回すと、配給品を食べてる隊員と目が合った。

伊倉いぐら軍曹!?何事ですか!?」

伊倉と呼ばれた隊員はレーションをしまうと、緩みすぎだ!と怒りながら寝ていた隊員の頭を叩いた。

各隊の通信機に本部からの命令が聞こえてきた。

各隊は東西の開いてる城門から侵入南北の門には別の部隊が先回りし逃走経路を遮断した。

「5番隊から8番隊逃走経路の封鎖を確認、いつでも突撃出来ます」

通信機を片手に本部いた男性は突撃の命令を出した。


「さて、一仕事しますか!」

一人だけ場の緊張感を乱す言葉に皆驚いていた。

澤本さわもとォ!少しは緊張感を持って任務を遂行しろォ!」

伊倉は澤本に説教をしていると、通信機からの応答があり、伊倉は仕方なく王都に向け全軍進軍した。


緋音は考えていた、この状況を打破するための策を、現状は最悪何の考え無しに来たため錬金術師に捕まった。

「何に考えてるのよぉ!黒ちゃん!助けるならちゃんと助けないよぉ~」

ミッシェルが体をねじりながら黒に向けて文句を小一時間垂れていた。

「まぁ、黒先輩に難しい事とか無理ですからね…」

千夏がチラリと小一時間文句を言われて放心状態の黒を見ると、黒はまるで仏の如く静かに一人悟りを開いていた。

「こんな、馬鹿だとは思わなかったわ!」

緋音が牢獄の中にあった木製の椅子に腰を下ろしながら、黒を責める。

「あの……皆さん責めすぎなのではないかと…」

リーラが弱気になりながらも意見をすると、一斉にリーラに三人が迫り。

「「「こ・い・つの責任!」」」

「…はい……」

リーラも三人の言葉に異議を唱えることはしなくなった。

すると、黒が悟りを止め立ち上がると。

「まぁ、碧が何とかしてくれんだろ」

何気ない言葉にその場にいた四人は、妹頼りの自信はいったい何処から来るのか聞かないでいた。


黒が悟りを止めたと同時刻、碧は腰のホルスターから銃身型神器【ジャッジメント・アソーテ】と拳銃型ドライバ『断罪の(ジャッジ)銃身(メントパイソン)』を2つ取りだし王都に向け歩きだした。


「ここから先は……私の射程距離内(テリトリー)だ……」


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