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難攻不落の黒竜帝  作者: 遊木昌
一章 漆黒の楔編
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一章十二節 会議と裏切り

会議室に続く長い廊下を、杖を片手に歩く老人が隣の秘書に声を掛けた。

「今、会議室に来られてる方々は何人じゃ?」

柔らかな声で秘書が質問に答えた。

「現在お越し頂いたのは、『八騎将』の『バルゼット』様『ガルネラ』様『シュガルド』様『ナユ』様『タタ』様『リーン』様『フォルネラ』様『リョウマ』様、『久隆派遣警備会社『久隆禅くりゅうぜん』社長、『元老院』『御神楽獅童みかぐらしどう』先生、『聖獣連盟』『ミサマ』様『ロード』様です。」

秘書が口にした名前を聞いた老人は、足を止めると秘書に耳打ちをした。

「よろしいのですか?」

秘書が確認すると、頷くと目の前の大きな扉が開かれると老人は、扉の中に消えていった。




大臣が召喚した、小型異形種を斬りながら大臣目掛けて『黒幻コクゲン』を降り下ろしたが、大臣は難なく躱わし黒に向けて懐から出した拳銃で黒の右脇腹、左足に銃弾を撃ち込んだ。

「ッゥ!痛えわマジで!左足のはかすったけど、脇腹は直撃だぞ!」

脇腹を押さえながら走り出した。

王都を抜けるため住宅の屋根や壁を使い巧みに躱わし逃げるなか、大臣の銃弾が民家の壁や窓を壊しながら黒は入り組んだ住宅街の路地に入ると、大臣を王の居る中心部から遠ざけるために路地に大臣を誘い込んだ。

「逃げてばかりでは、わしを倒せんぞ!」

光弾と銃弾が飛び交うなか、路地を走りながら光弾の爆発や銃弾を避け中心部の王都から住宅街を南下し続けると。

王都の周りを囲う壁に差し掛かると、助走をつけ壁を飛び越え王都から貴族街に入ると、黒は向きを変え大臣に向け魔法を放った。

「調律魔法【アサルト】!!」

拳を大臣目掛けて突くと空気の弾が大臣の体を貫いた、目にも止まらぬ速さでアサルトの連発で大臣は避けることも出来ないまま、大臣を倒した。

「まぁこんなところだろ……後は任せるか」

黒が気を抜いた瞬間、何者かが黒を貴族街の外壁まで蹴り飛ばした。

傷だらけの大臣を抱えながらローブの下の顔が不適に笑っていた。





会議室に勢揃いの顔ぶれは壮観であった。

扉の右側では『八騎将』と『久隆派遣警備会社』が座り、左側では『元老院』と『聖獣連盟』が座りその周りを各国要人や聖獣連盟加盟国の異人が座っていた。

「ここに、ワシ等を呼んだんだそれなりの案件なのだろな?」

全身傷だらけのスキンヘッドの男が机に頬杖をついて、今しがた入って来た老人を睨んだ。

「バルゼット、初めて会う人全員に睨んでどうすんだよ」

バルゼット同様に入って来た老人の方を向くチャラチャラした服と派手なサングラスのトレードマークのシュルガルドが棒つきキャンディーを舐めだした。

「会議を開いた本人が遅れるとは何事ですか」

パタンと読んでいた本を閉じ、足を組み直した。

「ゴメン、フォルネラちゃん許してちょうだい」

フォルネラが右手で置いてあったコップを粉々に握りつぶすと、横にいたガルネラが宥めた。

「姉さん、邪魔しないで下さい。仮にも八騎将の私に向けてちゃん付け呼ばわりされたのですよ!」

ガルネラが老人を見つめていると、老人は咳払いをして一番前の席に座ると、この場に呼んだ理由を言いだした。

「現在、皆さんも知ってる通り『邪馬国』が異形が現れた」

「まさか」

「遂に邪馬国までもが」

「どう行った経緯で異形が出現したのだろうな」

口々に喋りだしたが、一人の口にした言葉でその場の空気が一変した。

「裏切り者……ですかね?」

バルゼットが机を叩き立ち上がった。

「バカな事を言う!邪馬国の中に裏切り者が居るとでも?ましてや!異形種をどうやって呼ぶのだ!」

「落ち着きなさい」

ガルネラがバルゼットを落ち着かせると、老人の方を向き質問をした。

「今現在、邪馬国の状況はどうなっているのでしょうか?」

ガルネラが老人に詰め寄ると。

秘書が割って入り、何名かの騎士団と称号保持者がいること、邪馬国の姫であり『卑弥呼』の称号保持者である、『邪馬やま 緋音ひいね』様が向かっていることを聞いた一同は胸を撫で下ろした。

「一応、こちらからも何人か手練れをだしとくわ」

久隆派遣警備会社の久隆禅が後ろの秘書に電話を掛けるように命じた。

「助かるよ」

老人が呟くと。

「当然なことをしたまでだ。それに、邪馬国が亡びると色々面倒だからな」

「おい、待てよまだ話はすんでねぇぞ」

バルゼットが老人の方に目線を向けつつ怒りを顕にしたかのように殺気をだしていた。

「わかっておるわ、裏切り者達は異形種の血を使って異形種の体を錬成させていることが分かった、現時点では邪馬国の大臣のみがその錬成方を持ってると言うが、他の国々にも錬成方が出回っておる可能性がある。くれぐれも気をつけてくれ」

老人が杖を突くと各国要人が顔色を変えたのがよく分かった。

いつ来るかわからない脅威程の恐いことは無いだろ、一夜にして国が亡びる可能性のある話が出てきたのだ。

その時、会議室の電話が鳴り出して、秘書の一人が取ると笑い声と共に驚愕な言葉が会議室全体に響いた。


「会議中失礼します、今しがた邪馬国の王を拉致したところです」

不適に笑う声は、邪馬国の現状がどうなってるのか確める必要が無いことは、皆直ぐに理解した。


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