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やがてのいろへ  作者: につき
7/11

あの光/ 夏が降る/

あの光/ はtwitter既出です。

あの光/


枯れそうなトマトがひとり

夏空を恋しがっている

萎んだままのビニールプールがひとつ

声もなく転がっている

もう朝の香が憂いを帯びてきた

日陰には薄っすらと哀しさがあって

ふと陰る陽に諦めの香りがする

そろそろと忍び寄るように

やがてあの残酷な美しい光が射すのだろう



夏が降る/


夜が軋んでいる

冷たいところを探すのに疲れ

猫は何処かへ行ってしまった


昼間は撓んでいた

溶融する程の熱を持てない日差しが

今日だった昨日に射していた

朝と昼の間に

昼と夕の間に

蝋燭の短さのような

期待と静けさがあった


夏が降る

熱を失いながら

夏が降り積もっている

鈴虫がそれを食べて

麗麗と鳴いている

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