表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

僕と彼女

「はいっ!」

 そう言って彼女が差し出してきたのは、1本のリコーダーだった。

 リコーダーの先端には彼女の唾液がぬめりと付いており、妖艶に輝いている。彼女は、手足を縛られ身動きが取れない僕に向かい、そのリコーダーを徐々に近づけてくる。

 リコーダーの先端が僕の口元までやって来た。先端に付いていた彼女の唾液がタラリと僕のズボンに落ちる。

 僕は唯一自由が利く首を激しく横に振り、先端を口に入れないよう必死に拒んだ。しかし、彼女はしつこい。

「ねぇ・・・なんで?なんでしゃぶってくれないの?わたしの唾液付きよ?間接キスができるのよ?」

 彼女は尚もグイグイと先端を僕の口に入れようとしてくる。それでも僕は必死で拒む。

「な、なんで・・・。なんでわたしの愛を受け止めてくれないの!?」

 突然、彼女の顔は般若のような形相になった。

 次の瞬間、彼女は叫ぶと、僕の髪の毛をグワシと掴み上げた。頭に激痛が走る。そして、有無も言わせず思いっきり僕の口へとリコーダーの先端を突っ込んだ。

「んんんんんーーー!?んん!んん!!」

 僕は呻くが、彼女は構わない。

「どう?どう?わたしの愛が伝わった?ねぇ、ねぇ?」

 彼女は、先ほどと打って変わった恍惚とした表情で僕を見つめていた。

 

 なぜ、こんなことになったのだろう?呻く一方で、僕はそんなことを考えていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ