僕と彼女
「はいっ!」
そう言って彼女が差し出してきたのは、1本のリコーダーだった。
リコーダーの先端には彼女の唾液がぬめりと付いており、妖艶に輝いている。彼女は、手足を縛られ身動きが取れない僕に向かい、そのリコーダーを徐々に近づけてくる。
リコーダーの先端が僕の口元までやって来た。先端に付いていた彼女の唾液がタラリと僕のズボンに落ちる。
僕は唯一自由が利く首を激しく横に振り、先端を口に入れないよう必死に拒んだ。しかし、彼女はしつこい。
「ねぇ・・・なんで?なんでしゃぶってくれないの?わたしの唾液付きよ?間接キスができるのよ?」
彼女は尚もグイグイと先端を僕の口に入れようとしてくる。それでも僕は必死で拒む。
「な、なんで・・・。なんでわたしの愛を受け止めてくれないの!?」
突然、彼女の顔は般若のような形相になった。
次の瞬間、彼女は叫ぶと、僕の髪の毛をグワシと掴み上げた。頭に激痛が走る。そして、有無も言わせず思いっきり僕の口へとリコーダーの先端を突っ込んだ。
「んんんんんーーー!?んん!んん!!」
僕は呻くが、彼女は構わない。
「どう?どう?わたしの愛が伝わった?ねぇ、ねぇ?」
彼女は、先ほどと打って変わった恍惚とした表情で僕を見つめていた。
なぜ、こんなことになったのだろう?呻く一方で、僕はそんなことを考えていた。