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第7話 初陣

ながいぜ。


あらすじを少し変えまして、視点をパイロット2人から国防軍全体にしました。

まぁそれでも空軍が中心になるんですけどね。

ということでこれからもよろしくです。





小松での訓練教官を終えた荻島は以前から異動願いを出していた空母飛行隊へ配属され、空母赤城の航空機試験運用の為の航海に臨むため横須賀に居た。

空母のだだっ広い飛行甲板の上、内地の基地とは違う塩の香りに鼻をすすっていた。

「荻島2尉!」

そういい駆け寄ってくるのは今度の試験航海で編隊を組む(あがた)だ。

「なに」

短く返すと、県は息を整えつつ。

「荻島2尉って零開発当時から乗ってたんですよね。お話聞かせてもらえませんか」

しばらく考えるそぶりを見せると

「それもいいけど明日のブリーフィングも兼ねるよ」

県は「はい!」と威勢よく返事をすると2人は艦橋に向かい艦内に入っていった。



試験航海当日、今回は今までと同じく日本近海での航空機発着艦訓練とそれに伴う兵装搭載及び運用訓練だ。

艦の運用は海軍、飛行隊の運用は空軍、そして極め付けには空母は航空機運用が主なためその艦の長はパイロット出身というごちゃ混ぜ状態で始まった。が何とかまとまりを見せつつあった。


横須賀を出た試験艦隊は赤城型航空母艦1隻、秋月型防空護衛艦1隻、村雨型護衛艦2隻は訓練海域へ航海を始めた。




同時刻、日本防空の中枢である総隊司令部ではありえない事が起きていた。

「司令!!北海道太平洋方面、及び九州方面へ向う大編隊を探知!!数・・・100機を越えます!!」

「んな、バカな事があるか。SSへ自己診断を要請」

「了解・・・・・・・結果来ました。診断終了前に反応消失。北海道、九州両方です。どうやらゴーストだったようです」

あっけに取られていると別の管制卓から怒号が飛ぶ。

「峯岡山SSから入電!海岸線より45マイルに国籍不明機!数20!!ゴーストではありません!」

「浜松のAWACSはなにしてた!!直ちに百里からイーグルを上げろ!」

「了解。百里、ホットスクランブル」



日本近海太平洋上空高度1万にこれまでにない事態という事で、脇腹にMRMを抱えたF-15がいた。

「ビルド1、間も無く目視圏内」

『数が数だ。接近せず一定の距離を保って警告。百里、小松から後続を上げる』

「了解」


そう返すとパイロットは操縦桿を右へ倒し未確認編隊を右手下方に緩やかな180°旋回に入った。2番機も寄り添うように続く。


国際緊急無線周波数を使い呼びかける。

「未確認編隊へ。こちらは日本国防空軍である。貴編隊は日本領空へ向かっている。直ちにこちらの指示に従い反転せよ。」


呼びかけるが応答はない。無線は沈黙を保っている。続いてロシア語、中国語と続けるがイアフォンからはなにも聞こえてこない。


「ビルド1より。呼びかけるも応答なし。機種は・・・F-18、Su-33、F-35にSu-50・・・全て艦載機、国籍マークは無し。とんだバケモン揃いです」

『・・・わかった。後続を待て』


やっとの事で合流した後続のF-15、4機と合わせ6対20。いやF-35やSu-50をいれるともう少し増えるか。その戦力差は圧倒的であった。


ーーーー


「近海に空母がいるのでしょうか」

無線を聞いた管制官が後ろにいる上田に問う。

「そうとしか考えられん」

「三沢のF-2を出しますか・・・」

「早まるな」

上田はしばらく考えたあと

「いや・・・対艦兵装でコックピットスタンバイだ」


ーーーー


『もう少しで小松の零が2機来る。もう一度警告を実施後、警告射撃。自衛隊との違いを見せてやれ』

「ビルド1、了解」


パイロットにはそれなりの重圧がのしかかっていた。警告射撃と言ったら、冷戦時にソ連航空機に対して行った一回きりだ。その頃にはこのパイロットは生まれてもいない。

が、応答せず。編隊はだんまりだ。


「警告射撃を実施する。これに従わない場合貴編隊を敵性と判断し実力行使に出る」


そういい、2番機を現高度に残し1番機は高度を落とし編隊とほぼ同高度へ。


2番機と後続の4機が見守る中、突如小さな灰色の点から紅い火線が伸びる。時間にして0.5秒足らず。約50発の20ミリ砲弾が彼方に消える。


その時、上空で待機していた2番機から無線が入る。

『こちらのビルド2、敵からロックされている!恐らくF-35かSu-50のオフボアサイト!回避機動に入る!』

5機編隊は散り散りになり回避に入る。が。

『くそっ!やはりロックが外れない!』

「落ち着け!こっちの敵機に動きはない。ロックして脅してるだけだろう。一応距離を取れ・・・いやまて、ミサイル発射!回避回避!ビルド1ミサイルによる攻撃を受けた!反撃の許可を!」


『国籍はわからんのか!』

「はい!ぐっ!・・示すものはありません!しかし機種からしてアメリカとロシアなのは確実ですよ!」

それは上田も思っていたことだが、同じ編隊の中に敵国同士の最新鋭機が混ざっていることに違和感を覚えずにはいられなかった。


「あぁ!3番機が落とされた!くそっ!あいつら編隊も解かずに!早く反撃の許可を!」

『・・・よし、兵装の使用を許可する』

「了解!」

途端に、マスターアームスイッチをセーフからマスターに。左手ででSRMを選び近代化改修で追加されたオフボアサイトを使う。

敵機はまだ編隊を組んだままだ。見たところ対地兵装の機体が編隊中央に。その外側を覆うように対空装備であろう新鋭機が囲んでいる。

「ここまで接近すればステルスなんて関係ないっ」

高Gの旋回からHMDを被った重い頭を敵へ向ける。

「もらった!」

ウェポンリリースボタンを押し込む。

機体に振動があったあと物凄い角度で飛んでいくAAM-5が見えた。

その先に見えていたSu-50が・・・いない!

焦って探すと下方で火球に包まれていた。

流石のステルスに加え高機動機のSu-50であってもこれは避けれない。

だがそれはこちらにも同じことが言えた。

数は5対23。依然、圧倒的劣勢は変わりない。








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