第20話 I島奪還作戦 フェーズ2
荻島、縣等が母艦への帰艦途中、フェーズ2開始のため硫黄島へ向かう編隊とすれ違う。
「フェーズ1ご苦労。ここからは任せてくれ」
『了解。帰投後すぐフェーズ3の準備に入る』
荻島は相手からは見えないだろうが敬礼をして攻撃編隊を見送る。
「姉御の作戦の引継ぎだ。気を引き締めろよ」
編隊長が一斉する。
「見えてきた。ハハ。艦艇はほとんど黒煙吐いてやがる、我々は対地制圧だ。迎撃機の発進をAWACSが確認している。対地攻撃に躍起になるのはいいがケツを取られるなよ」
上がってきた迎撃機に対し長距離から対空ミサイルを連続発射する。日英共同開発のミーティア改だ。
射程200㎞近く、発射時の機体速度によってはその長大な射程を更に伸ばすことが出来る。
同時に機首を上げ最大加速に入る。こちらの攻撃に遅れること数十秒後、敵編隊もミサイルを放ったようだ。
「高度を稼げ!ミサイルの運動エネルギーを削ぎ落とすんだ!!」
それとは別に各機体は独自で自機を守るために対抗措置を行っていた。機体各所に搭載された全方位スマートスキンレーダーによるジャミングである。とはいえ従来のそれとは違い、機体の強力な発電機からの電力をさらに増大し、ミサイルのシーカーへ照射しその電子回路を焼き切るといったEMPのようなものだ。
その効果はすぐに目視できた。自分たちの腹の下で爆発が続いた。だがそれをかわしたミサイルが数基、接近し味方に被害が出始める。
編隊長はすぐに、コックピット前面コンソールMFDの戦略MAPに目を落とす。そこには味方35機のうち4機を失ったこと。こちらのミサイルは敵の2割も迎撃出来てないことが読み取れた。
「くそ、撃ち漏らしが多いぞ。まあいい、接近戦に移行する。全機降下!マッハで突っ込め!」
周辺海域に音速を超える際の、ドン!という音が連続して響き渡る。
「戦闘機の相手はこちらに任せて攻撃隊はぶちかませ!」
『了解、蹴散らせぇ!』
その後、迎撃機と空中戦にもつれ込む。護衛の零は、攻撃隊に敵の攻撃の手が回らぬよう積極的に仕掛ける。
彗星は爆弾庫を開放し搭載されていたJDAM500ポンドを投下する。爆弾庫開放のために減速したとはいえマッハを超える機体から投下されたJDAMは、その自重と速度をいっぱいに溜め込み、物凄い速度で目標に突っ込む。
格納庫、管制塔、滑走路に次々と着弾。粉々にする。
それに呼応するように、地上から白煙が伸びる。
「SAM接近!回避!」
『うわぁぁぁっ!!被弾しました!脱出します!』
直後、SAMの発射地点を爆炎が包む。
『攻撃成果67%を達成。作戦は順調です。引き続き攻撃を続行せよ』
「了解、攻撃を続行しm」
応答した機体が粉々に吹き飛ぶ。
「なんだぁ!今のは!」
何の前触れもなく爆散し、爆煙と破片が海面と水平に広がる。
横からだと!ミサイルは確認出来なかったぞ・・・。思考を巡らせているとAWACSから通信が入る。
『生き残りの艦艇がいます。主砲の作動を確認・・・あれは、レールガンです!!』
「んな馬鹿な!!艦砲で戦闘機を落とすなど!!・・・クソッ。全機回避行動を!低く飛べ!」
その回避も空しく次々と火の玉となる。
『仕留めます!』
彗星のうち1機が、島を挟み超低空で残存艦に接近、ASM-3による攻撃を試みる。
摺鉢山の陰に隠れつつ接近し、側方を高速で突き抜けると同時にASM-3を発射。
『ミサイル発射!離脱します』
そう言って機首を上げる攻撃機。
「馬鹿!!そのまま低空をっ!」
言い終わらぬうちに標的のレールガンによってASM-3共々撃ち抜かれる。
「なぁんなんだ!いったい!!」
叫んでいると艦隊から通信が入る。
『攻撃隊は一時的に指定海域へ退避。N2弾頭兵器を使用します』
硫黄島から遥か500㎞まで接近していた日本艦隊。その駆逐艦の四本に束ねられた発射筒の中の、艦船発射型の28式対艦誘導弾が発射され加速していく。
数分後
『着弾します』
起爆高度を9000ftに設定されたN2弾頭は、沈みゆく艦艇の陰を縫い急上昇、無事起爆し期待通りの戦果を得た。
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