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第13話 新たな炎

9月中、他基地へ行っており作業が滞ってしまいました。すいません、お待たせしました。






昼過ぎの小牧基地。戦闘航空団が在籍していない分、静かではある。だがここでは広いエプロンを大型の航空機が所狭しと行き来していた。輸送部隊を擁するこの基地では、硫黄島への定期便の積み込み作業が行われたいた。

荷物を積み終えたKC-767は滑走路へ向かい離陸。片道1200kmの旅路に就いた。


高度9500m、硫黄島まで250kmまで迫った時だった。

「定期便S-94。応答願います」

パイロットが硫黄島のタワーに呼びかけ、しばし待つが返答が来ない。

繰り返し送るが音沙汰がない。時々ノイズが聞こえる。

「ノイズ?混線か?こんなところで・・・」


やがて水平線の向こうに硫黄島が姿を見せる。

「ん?」

なにか違和感を覚えた副操縦士が双眼鏡を覗く。

「あれです。硫黄島の向こうの」

どれどれ、と言いながら機長も渡された双眼鏡に目をつける。

「・・・・・・・蜃気楼とかじゃないか?今日はこの天気だ」

「そうですかねぇ・・・」

機長は双眼鏡から目を離すと、それを日差し代わりに雲一つない空を見上げる。

副操縦士は違和感が拭い切れず、もう一度双眼鏡越しに硫黄島を見る。その時

「あ。何か光りましt」

言い終わらないうちにコックピットにけたたましいビープ音が鳴り響く。

「はぁ!?ミサイル!!」

レーダーを照射された警告音を無視して、いきなりのミサイルロック警報。

「オーパイ解除!!急旋回!」

貨物室内にいた隊員も何かに一瞬でしがみつく。

防衛装置、いわゆるフレアやチャフは積んでおらず回避機動を取るしかなかった。

「こちらコビー!硫黄島方向からミサイルにて攻撃を受けている!繰り返す、攻撃を受けている!」

その旨を報告された中空司令部は途端にごった返す。

事実確認のため、繰り返し確認を取るが返信はない。




色とりどりのジャケットを身に纏った整備員が揺れる巨大な滑走路を駆け回っていた。

そこには離陸体制に入った零が2機、電磁カタパルトにノーズギアを固定していた。

「アリア、レディ」

『ギア、レディ』

空母赤城にて試験航海に出ていた荻島は急な任務に戸惑いながらも、零に乗り込み発艦準備完了とコントロールに伝える。それに続いて荻島と編隊を組む縣が完了報告をする。

スロットルをミリタリー出力を超えマキシマムA/Bまで押し込む。ストッパーが外れ機体が加速し、瞬時に140ノットまで達する。艦首から飛び出すと、いつもと違う操縦桿の感触に眉間に皺が寄る。その原因はブリーフィングで伝えられていた。

「28式対艦誘導弾。さすがに重い・・・」

先日、公開された射程850kmもの対艦ミサイルである。零による運用試験は終えていたものの、今回の使用は通常弾頭とは別に、新規開発されたN2弾頭の試験を兼ねていた。ブリーフィングでは爆破試験を行っておらず、今回が初の爆破だと伝えられていた。信用はしているが、未知数のものを腹の中に抱えて飛ぶ不安はかなりでかい。ナトリウムだかなんとか、と六菱の派遣されてきた技術者が興奮気味に語っていたのを思い出す。

だが、これを積んだせいで対空ミサイルをほとんど積めずAAM-5を2発搭載に止まっている。その代わり、縣の機体には対空ミサイル満載である。


荻島と縣が5000ftで合流し作戦空域に向かった頃、議事堂では記者会見が行われており、今村総理が壇上に立っていた。

「先週某日。硫黄島基地に補給物資を積み向かった空軍のKC-767空中給油機が硫黄島から約200kmの地点で消息を絶った。列島太平洋側ではKC-767のものと思しき破片の漂着も確認、これに伴い我が国の衛星にて当該海域への監視を行い、航空母艦を中心とする総数28隻からなる艦隊を認めた。私が前に述べた通り、これは日本領土に対する侵略行為と判断し艦隊を派遣、攻撃を開始する体制にある。その際に使用される兵器について先に弁明しておくと」

そこでしばらく沈黙が続く。記者団がざわつき始める。

「その兵器の弾頭は通常兵器だが威力については通常にあらず。私および日本は敵勢力の、硫黄島基地、日本領海からの早急の撤退を"祈る"。すでに関係各所には通達済みであるが作戦空海域への侵入を、禁止するとともに推奨せず、一切の責任を問わない」





「ヘディング17、ALT25000。目標まで650km」

『依然、目標には動きは見られず。作戦をフェイズ2へ移行』

赤城から上がっていたE-2Dからの報告を受ける。

「アリア、レディ」

『ギア、レディ』

コックピット前面の数少ないアナログスイッチを触りマスターアームスイッチを操作する。

「マスターアーム、アーム。ミサイルアーミング中」

それを聞いた縣は荻島機の下方に潜り込む。

「爆弾庫開放、ミサイルダウン」

『爆弾庫開放、ミサイルダウン・・・確認。問題ありません』

「了解、爆破高度入力・・・完了」

機体中央、縦長に配置された零のウェポンベイから巨大な筒がぶら下がる。

「投下5秒前4、3、2、1、投下」

投下した瞬間、大きな重りから解放された機体はふわりと浮きかけるがコンピュータがそれを止める。機体から数秒落下した後、ロケットモーターに点火し、その巨体をぐんぐん加速させていく。




数分後、敵勢力艦隊上空28000ftに到達したミサイルは弾頭を起動し爆破することに成功した。

と、同時にかつてより、「人類の英知の炎」として世界を恐怖に陥れたモノを完全に、過去の産物としてみせた。







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