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こちら陽気なたんぽぽ荘 ~大家と店子の家賃戦争~  作者: かきくけ虎龍
第一部 たんぽぽ荘の家賃徴収人のお仕事編
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旗艦級機動戦艦ホームシティ編……焦る極丸の九尾キツネの恋

こんばんわ、何とか仕上げました。

不覚でござった……大切なもの(リン殿)を奪われる。


本来ならば麻呂の激高に値するほどの出来事でおじゃる……この怒りが現世なればスコーピオンキングとなりて国を一つ破壊するところでおじゃる!


 眼下に広がる光景……純白の羽が敷き詰められたほどに心地よい床は土足で踏み荒らされることもなく、ただ沈黙している。


「むむむっ、リン殿が消えたでおじゃる! ふーむ、床をぱんぱん叩いてみても穴はないでおじゃる……これは不可思議な術’(化学)でおじゃるが……この戦艦はどういうつもりで?」


 疑問が口をついてでる麻呂の視線の先にポテリッと倒れている人型の妖怪? がいるでおじゃる。


「はううぅぅ、痛いですぅぅ」


 何ともお間抜けさんすぎる声で聞こえてきたでおじゃる。


「大仏さんの隅っこで転がっていた饅頭を見るみたいな哀れな眼差しはやめてくださいぃぃ、だいじょうぶですぅぅ」


麻呂は威圧の覇気を展開しながらおっとりと間の抜けた声の方向に目を向けると――光沢のあるパープルのボブカット、牛乳フタなみのぐりぐりメガネに黒ジャージの上着にスパッツ……うむ、麻呂の美的センスからはかけ離れたファッションでおじゃるな。


それにグリグリメガネは行き遅れ年増の砂かけババアも愛用していた牛乳蓋メガネと同タイプかもしれないでおじゃる!


うーむ、このタイプは、我がふる里っぽい荒れ果てた世界の道端に落ちていたら、働きものの軍隊アリの餌に最適なおっとりオタクっぽいやつでおじゃるな。


麻呂の威圧的な視線を直に感じたらしく、オタクっぽい妖怪は直ぐに立ち上がりメガネごしに唇が触れ合いそうなほど接近してきたでおじゃる。


何かしたら直ぐに殺すでおじゃるが……むむむっ、ジーっと麻呂の相貌を見てくる、もう穴があきそうなほど凝視されたでおじゃる。


そして、このオタクっぽい妖怪、ぽあっと蒸気が噴き上がると頬から耳まで夕日と同じ茜色に染まっていく。


「あぁのぉぉ、もしかして、さっき、ホームシティに入ってきて、引っ越してきたぁぁ、新入りさんですねぇぇ」


右手でキラリと光沢を放つぐりぐりメガネを何回も上下させて興味津津&興奮気味に麻呂を熱すぎる眼差しでがん見してくる……むーっ、鼻息がかかっているでおじゃるよ!


「わたし、きゅうびキツネの今日子といいますぅぅ。実はわたしはぁ、地球で産まれましたぁ。同郷なので仲良く結婚してくださいね」


「結婚? 麻呂には大切な人(リン殿)がいるでおじゃる。それより、何故、麻呂が地球生まれだとわかるでおじゃる?」


「匂いでわかりますぅぅ。恋ノチカラはいだいなのですぅぅ」


このオタク妖怪……興奮したようにふわふわ尻尾をパタパタさせて、両手を頬に添え、いやんいやんと顔を横に振っている……ううっ、イラッとくるでおじゃる。


そうでおじゃる、土偶神アラハ様にきいたことがあるでおじゃる、もしや此奴の摩訶不可思議な雰囲気……脳内妄想している複数の色合いが混巡した眼差し……もしや不死の病と名高い『邪気眼厨二病』ではおじゃらないか!?


「麻呂はスコーピオンキングの極丸でおじゃる、お主に聞きたいことがあるでおじゃる」と言って愛想笑いも兼ねた笑顔を浮かべてやると……     


パタン――


身体中から先ほどよりも蒸気が上がり、明太子のようにお肌が真っ赤になった九尾ギツネ(今日子)がその場で腰から崩れた。


「はううぅぅ、極丸さまぁ、か、可愛すぎですぅぅぅ。どストレートなのですぅぅ、もう、今日子のハートはメロメロの熟熟になりましたぁぁ、しっかりまったりと長い妖生の責任とってくださいぃぃ❤」


この九尾ギツネ(今日子)の瞳が3D立体型の絵にかいたようなハートマークが浮かび上がり、ふわふわ尻尾を振りすぎて遠心力でお空に浮かびそうな勢いでおじゃる……ふーむ、何ともファンシーな妖怪でおじゃるなぁ。


「あのぉぉぉ、大切な人って彼女はですかぁぁ!? いましたらぁ、丑三つ時に丁寧に呪い殺しますぅぅ」


興奮バロメージ――MAX――必殺技OK――そんなぁ、『しっぽ触っていいすよぉ』と麻呂の頬に九本のふわふわ尻尾が順番にサワサワと撫ぜ当たりの高度な技を繰り出し何かを誘っている。


「わたしぃぃ、まだ、初々しい三百歳のお子ちゃまなんですぅぅ、恋愛経験のない寂しがりなのでぇ、絶対に結婚してくださぁい」


「嫌でおじゃる!」


「ふえぇぇぇ、何故ですかぁぁ!?」


ギラリ!――瞬間、背筋に氷を流し込んだような悪寒がよぎる眼光を麻呂にぶつけてくる。


「そのぉ、大切な人を呪い殺せば解決ですねぇ」


こいつは嫉妬ジェラシー果実の申し子みたいな奴でおじゃる、吐き出す言葉からぼぁぁぁ~と黒い瘴気がでているでおじゃる。


そんな、呆れている麻呂を食い入るように瞠目しながらグルグルメガネの奥の瞳が妖艶にキラリに光る。


そして、いかにも怪しくポケットからリンゴを取り出して不気味な笑みを浮かべて。


「極丸さまの大切な人には、とっても美味しい毒入りのリンゴあげますぅぅ、市場でも出回らない極上品なのですぅぅ、食べて死んでもらいますぅぅ♪」


  



いかがでしたか?

少しでも楽しんでいただけましたら嬉しいです。


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