僅かな生き残り……そして、生きるという現実は恥ずかしいお話です
こんばんわ、何とかアップできました。
宜しくお願いします。
平原で戦っていたアンパン兵とゲイ鬼が強靭な腕っ節でお互いに抱き合うように重なり倒れていく。
も、もしや、皆、青いお空の下で相思相愛の蜜月アバンチュールなのですかーっ!
これはいったい何が起きたのでしょう!?
と言いたいのですが……今はそれどころではないのです!
もう、割れた谷間……そう後ろ側の貞操の危機なのです!
僕の周りでも懸命に戦っていたゴールデンアンパンが突然「あんあんパーン」と断末魔を天高くソプラノ調で上げながら、大きく開いた口から大量のこしあんが噴き出して倒れ込むし……もうザッこしあん祭り状態だ。
そして、切なげな溜息を漏らすゲイ鬼の手によって服が裂けまくり、泣きそうな顔をしながら抜けるような白い滑らかな肌とピンキーな乳首が全開放している絶体絶命の僕。
鉄パイプ風のゲイ鬼がマウントポジションをとるように覆いかぶさって「お尻イヤーン」と妖艶な叫びをあげて僕の胸板をレロレロと舐めて大興奮。
唾液まみれの胸からザリガニの死骸の香りがしますよーっ。
ついに奴は僕の花園に頭をこすりつける!
鉄パイプにしかみえない頭でパンツをビリビリと破り、「お尻イヤーン」の咆哮しながらも乙女の恥じらいの如くお顔が真っ赤。
潤んだ瞳がキュートに見えない鉄パイプのゲイ鬼は不自然なほど身体を揺らして僕の可憐な菊門さまに突入しようしているぞ……ひいぃぃ、僕の中で眠ってないで助けてリリンーっ!
しかし、奇跡? が起きた……もうミラクルのオラクルさぁ!
ゲイ鬼が突然、気色の悪い蟯虫みたいな虫を口から吐いて倒れる……ふぅ、改めましてこんにちは、もう少しでお尻に変なプレイをされて快楽に目覚めながら名称がにいさまからねえさまに変更しそうになっている自分を実況生放送していた、こんんにちは、僕です。
「むっひょー、あにさまのピンクの小山もうちのものです! そこの変な虫を吐いてる鉄パイプにお尻を開拓されやがってませんか! 開拓と開墾は買い叩くと貧困に呼び名がにているので赤貧の神の役目なのです! あにさまはうちとの初夜までしっかりと守りぬくのです」
「生花を刺していた奴がなにいっとるねん!」
「もう、そんな昔のことなんか忘れてやったのです……と言うか、あにさま、ヤバヤバなのです。未亡人ランキングでも、ロリババアランキングでも上位にきそうな奴が雁首見せて出てきやがったのですーっ!?」
数体のゴールデンアンパンが倒れている隙間からほうほうのていではって出てきたシルクが饒舌に調子はずれな声をあげると瞳を細めて前線を見て溜息を吐いた。
「あのおっとり見かけのちびロリババアの奴は一部のマニアのオークションで写真が売買されるほど有名神なのです。とっても賢いうちのオツムがシナプスがこんがらがって火を吐くぐらい有名な奴なのです!」
「シルクの頭とうちの家計簿とどっちが火を吐くかな」
「あにさま、うちの家計簿を甘くみないでくだしゃんせ! もう火が吐きすぎて真っ黒くろくろな炭クラスなのです、しかも国産なのです。火を吐くどころかケツの毛まで萌えちまって、リングの片隅で萌えつきたさぁと言っているぐらい萌え萌えなのです」
そんな冗談を吐きながらもシルクの警戒レベルはマックスだ!
こんなに警戒がマックスなのは、夜のねぐらにしていたダンボールの箱ごとアラビヤのホーホー密漁団が所属する海賊船に間違えて乗せられてしまい「海賊王になるよりも、あにさま、この船を密告して大儲けしてやるのです!」と言いながら積荷のバナナを食べまくってテンションぐらいシルクの警戒はマックスではないですか!
「あにさまはうちの近くから離れてはダメなのです、もう夫婦が夜の営みでもんつほぐれずなみにピッタンコに引っ付くのです! 公明正大の痴漢野郎なのです、責任取りやがれ!」
「要約すると離れたら危険ということだな」
シルクは険しい表情のまま、とっても可愛い仕草でコクリと頷く。
「流石はあにさまなのです。伊達にうちの大切にしまっていたメロンパンをこっそり食べた男の知能は違うのです」
「シルク」
「もうもうあにさまはこの期に及んでエロの化身なのです、あの時のカエルを焼いて食べたのは報復なのです」
「結局、閻魔凛と親しげに話しているちっこい娘は誰?」
「ほほーっ、あにさまはなかなか目の付け所が良いのです。これほど説明してもまだ聞きたいだなんてマゾのふりをしたどSなのです! ど平たい胸族大好き会会長は幼女好きなのです……ふえぇぇ、痛いのです! いきなりのゲンコツはDVなのです。どら焼きバイオレンスなのですよーっ!」
僕のゲンコツが炸裂した頭を抑えて「痛いのですぅぅぅ、傷モノにした責任をとって今すぐ市役所に行って入籍するのです」と瞳に涙をあふれさせながら願望を押し付けてきやがる!
「もうその短絡的発想がバイオレンスだぞ」
「むひひ、あにさま、そんなにうちを褒めたたえないでくだしゃんせ、褒められたら伸びる子なのです、ふんす!」
シルク……いつからそんなアホな子になってしまったのですか。
「ご主人さま」
僕とシルクの会話に割ってはいる声。
この声はフレアルージュだ。
しなやかで均整のとれた肢体を包むメイド服はボロボロになり、全身にこしあんをかぶったフレアがとなりにくると『お怪我はないですか?』と心配そうに僕の体をまさぐる……ああっ、フレア、お尻まで確かめなくても「ひいぃぃ」人差指が菊門に入りましたよ。
「大丈夫です、お尻にゲイ鬼の痕跡はみえないです。それにしても意図せず災いに遭遇したと言う言葉だけでは表すことができない大惨事になりました。あの者は元冥界神の一柱であり、『黎明のはぐれメタル』の異名を持つ閻魔家長女ひよりです……補足ですが元未亡人で今は恋する乙女です」
元冥界神で元未亡人の恋する乙女ってどういうことですかーっ!?
僕の予想の斜め上をイキっぱなしの現実を飛び越えるほどの足音が迫っていることに僕たち一同はまだ気がつかないのであった。
いかがでしたか?
奴隷少女Aは志し半ばで倒れてしまいました。
さて、やっとあの時の不可思議な伏線が次回より少しずつ生きてきます。
作者としてほっとするところです。
今後ともかきくけ虎龍の作品にご愛顧いただけますように宜しくお願いします。




