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こちら陽気なたんぽぽ荘 ~大家と店子の家賃戦争~  作者: かきくけ虎龍
第一部 たんぽぽ荘の家賃徴収人のお仕事編
78/162

閻魔家長女・ひより登場! 死と現実・強者の前で……死するものたちへ

こんばんわ、今回は少しだけコメディ要素が控えられて、戦闘要素が多めです。

楽しんでいただけましたら嬉しいです。

欲望にまみれた世界で、薄汚れた裏路地で震えながらさ迷い、泡と薬剤に汚染された水を飲んで生き抜いたあたしがすべてを終わらせるの……大切なご主人さまのために。


 悲壮感を隠した相好……余裕に満ちた表情などそこにはない。

 

奴隷少女Aが放つ剣線。

ヤマタノオロチやヒュ○ラの首ように光の太刀筋が幾重にも分かれて屈強なゲイオニィの電柱ぽい肉体や一升瓶ぽい肉体を一刀両断で切り裂く。

 もはや断末魔をあげる暇などない。


血塗られた手で柄部分にまとわりつくゲイ(オニィ)の死肉を払うこともなく無骨で洗練されたとは言い難い感情に突き動かされた奴隷少女Aは本能のままに目の前に立ちふさがるものたちの顔を刀身の半分ぐらいが両刃の峰両刃造りの刀で剥がれていく。


「閻魔凛……すぐに殺してあげるある……沢山、沢山……あたしの邪魔をして……もう、許さないある」


奴隷少女Aの小さな背中越しに見える世界……閻魔凛を護衛していた屈強な猛者(ゲイ鬼)。

何が起こったがわからないまま茫然としたゲイオニィの顔の面だけが剥ぎ取られ驚き歪んだ表情のまま、断末魔をあげることもなく血塗るられた平原に沈む。


「あたしとご主人さまとの『路地裏しっかりち○こ物語……ロリコンご主人さまと変態奴隷の調教は突きつ突かれてあっはんうっふん』作戦でハッピーな子作りを邪魔する奴は……死ねあるよ」


奴隷少女Aは返す刀で閻魔凛の喉元を狙う。


閻魔凛、仕留めたある!


そう確信してしまうほど一撃、生命機能の根幹を絶つほどの斬撃だったはず……それでも微動だにしない閻魔凛はアホ毛をピコピコと揺らしてうっとりと潤んだ瞳だ。


胸元の肉からひょっこり出てきた真紅の髪のメガネっ娘によって防がれてしまう。


「な、何者あるか!?」


「もう、心配症ですねヒナナ、私がヒナナのかわりに紹介してあげる♪ 天才人形遣いのセクシープリティガール閻魔凛が誇る最精鋭の不良っ子座敷わらしのメガネ部隊リーダーのヒナナちゃんだよーん! とてもつよいですよん♪」


閻魔凛の肩までよじ登った赤髪のメガネっ子座敷わらしのヒナナが深呼吸をして一息つくとぺったんこで小さな胸をはって、奴隷少女Aに『凜様に仇名す者はこの金色の針でお尻をプスプスと刺す』と語るような睨みを利かせる。

そして奴隷少女Aの斬撃をいとも簡単に防いだ金色の針を頭上に掲げた。


しかし、奴隷少女Aの視線はヒナナの突き上げた金の針のさらに上を見ている。

 奴隷少女Aの観察力と洞察力が『逃げろーっ!』と脳内で叫ぶ!


「むー、出遅れたの」


 とっても可愛らしく甘ったるい声だった。

 ただ、その声が聞こえた瞬間から奴隷少女Aの顔色が死人のように蒼白が覇気と欲望に満ち溢れていた顔貌に張り付く。

そりゃもう、縁日のお面をかぶったらボンドが付けられて剥がれなくなったほどの張り付きっぷりだ。


「ありゃりゃ、ひっそりゆったりの黎明のはぐれメタルの異名持ちのひよりお姉さままでご出馬なの!?」


「むー、夫につく悪い虫を払いに来た」


「悪い虫? 水虫や蟯虫? ああっ、巷で噂の土偶虫アラハがついてしまった夫(薩摩ふぶき)は?」


「むー、今、地獄の五丁目でボランティアのお仕置き中なの」


「お仕置きがボランティア? どんなボランティアなの?」


「むー、夫のお尻にミスリルの棒を突っ込んで、先っぽに糸をグルグル巻きにつけて『雲の糸ゴッコ』で食用のカンタダを釣り上げるボランティアなの」


「わぁ、可哀想なふぶきくーん、それはしばらく腫れ上がって使い物にならないね……ご愁傷さまだねぇ……主にお尻の穴が……トイレするとき……クスクス」


艶やかで腰の辺りの長いキラキラとした薄いピンク色の髪を後ろで束ねて、牛乳フタのように厚いレンズのグルグルメガネに『愛してるのぉ~』と日本語で書かれたアップリケが目立つ可愛らしいショートドレスを着て、不器用な手作りの人型ぬいぐるみをダッコした小柄な美少女がどんよりとした空から降臨してくる。

突如あらわれて閻魔家長女・閻魔ひより。

閻魔姉妹の軽い会話とは裏腹に場の空気は凍りついている。


「こ、こんなの規格外あるよ……バ、バケモノあるか」


「むー、この娘、失礼な娘……誰? ……もしかして、赤貧の神シルク?」


「違うよーん、この娘は奴隷少女Aって言う世界の剣帝なんだって…と言うかひよりお姉ちゃんを規格外ってわかるところが素敵で才能がある娘だねぇ」


 もう自分の感情を説明できないほど奴隷少女Aは驚愕していた。

 ひよりと呼ばれる小柄な少女……その体躯からは時空軸さえも歪んでしまいそうなほどの神気が溢れている。

 そう、神だ……それも妖怪や下級神などではない。


「むー、さっさとお仕事片付けるの」


 ひよりは「むー、めんどくさいの」と小声を漏らしながらそっと大気を一つ撫ぜる。

すると風が鳴った。

 それは絶命のサイン。

 クレスコ平原で生命活動していたはずのものたちが敵味方を問わずに大地にひれ伏した。

 たったひと吹きの風によって命が狩られた。


「あーあ、この死体の山どうするの? ひよりお姉さまったら、それにしても一糸乱れぬ死にっぷりですね、死神たちの仕事をいっぱい増やしちゃって」


 閻魔凛はお気楽な声とお気楽な笑みで平原を見渡す。

 もう、生命の鼓動や息吹が消えてなくなった世界、そして、息もせずに眼前で横たわる奴隷少女Aに一瞥すると小さく嘆息するのであった。


こんばんわ、少しだけスランプ気味のかきくけ虎龍です。

皆様にクスっと笑って楽しんでいただけるように執筆するさいに心がけておりますが、この回は少しだけ死というものが絡んできます。

今後のターニングポイントになる回ですので、ご容赦のほどを。


ブックマークも119件ので増えまして、読んでいただく皆様には心から感謝の気持ちでいっぱいです。

今後ともご愛顧いただけますように宜しくお願いします。

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