もしもし、本物の赤貧の神シルクなのですか? 拷問と失禁の結末と新たな進軍
こんばんわ、楽しんでいただけましたら嬉しいです。
「あひゃひゃーっ、やめなはれぇー、そこはおやめなされぇーっ! うちの脇は日本三景よりもディテールなんやからやめなはれぇーっ!」
そのコチョコチョ裁きは匠の技。
振り払われる一筆、二筆、手加減を知らない滑らかな毛先のコチョコチョがシルクの脇と足の裏を撫で回す。
そんなシルクをオカズにお茶をすすっている、こんばんわ、ちょっとだけ微笑んでいる僕リンです。
ここは地下室。
真っ白な石壁に囲まれた一室。
ただし、この部屋にはヘタリアがちちくりマンマン亭から持ってきた家財道具(結納の品?)が所狭しと置いてあるのですが……その三角木馬もぶっといロウソク……どう見てもSM系拷問道具ではないのですかーっ!?
さて突然、我が家に現れたシルク。
罠だらけのこの世界……本物かどうかを確かめるために自称ピエロおっさんのヘタリアの提案を奴隷メイドたち満場一致で採択された。
その名も『すぐに白状するからおやめになって作戦』だそうです。
「あひひーっ、うちはあにさまに逢うために必至で天上界からホウホウのていで逃げ出して来てやったのに、この仕打ちはあへへーっ」
「ほほーん、ドラゴンの鼻毛を集めて作ったオイラのコチョコチョ筆の刑を耐えているとは生粋のMちゃんとみたぞーっ」
ヘタリアは溜息をつきながら手に持つハタキのようなコチョコチョ筆をふりシルクの悶える表情に萌えている。
その筆って毛先がキュっとしてえのき茸みたいやん。
「あひへーっ、あにさま! 何をお茶を飲みながら人ごとのように傍観してやがりますかーっ! うちはMでもSでもないのです、そんなマッ○シェイク的サイズと一緒にするんじゃないのですよーっ」
お茶はほっとするなぁ。
燭台の火に照らし出されて浮かぶシルクの姿……うむ、本物っぽいなぁ。
「シルク……一つだけ質問しても良いかな?」
「はひぃーっ、高貴なうちの足の裏に毛先がーっ、もへぇーっやめるのですーっこの変態ピエロ! あ、あにさまーっ、何でも質問してくだされーっひひひーっ、あにさまのことなら性癖から拾い食いの下痢日記まではっきりこたえてやるのですーっ!」
「ヘタリア、もっとこそばして」
「もへへ、ご主人さまはドSですなぁ、オイラのことを金貨まで出して買ったのだから『ヘタリア、愛してるよ』ともっと愛情込めて呼んでくれれば、お・い・らを好きにできるおまけまでついてくるぞ!」
「全力で拒否するよ。変態着ぐるみおっさんピエロ」
「変態着ぐるみおっさんピエロなんて童貞エロチンコ魔人の異名持ちに言われると筆を持つ手が暴れん坊さんだぜ……なんかシンパシー感じる、もう、エクスタシーっ!」
「はひぃぃぃーっ二人共やめなはれぇーっ、もうもう限界なのですーっ! ダムが決壊してお漏れになりやがりますーっ」
その後、シルクの嬌声とともにパンツから黄色い水が流れ出たところで拷問は終わった。
黄色い水……これは過剰にとった水溶性ビタミンが流れ出た証拠、シルク、僕が苦労しているときに旨いものを食べたな。
普段であればシルクを見たとたん抱きしめているだろうと思い込んでしまう僕の心を尻目にフレアが胸に手を当てて恭しく一礼をする。
「ご主人様に火急のご報告があります」
フレアの言葉のはしに緊張感があるような気がする。
や、やばい……もしかして、僕の御神布……いやいや、寝室に隠していた寝る前にクンクンして寂しさを紛らわすためにベッドの下に隠していたシルクの百年仕込みのパンツが見つかったなどの楽観視できないことなのか!
「ど、どうしたのフレア?」
言葉が詰まりそうになりながらもゴクリと喉を鳴らす。
妙な汗が背中から吹き出しているぞーっ!
「はい、ご主人様の屋敷から北に10キロの平原にてこちらに向かってくる軍勢を発見いたしましたと報告がありました」
「軍勢?」
良かった……僕の秘蔵の品が見つかるよりもよっぽど建設的対応ができそうだ。
「はい、あの旗印……おそらくは魔大陸北部、アササイ地方クレスコ平原を領土とする死霊王グリゴールの軍旗だと推測するのですが……」
「ですが……って何か変なの?」
「それが……見たこともないお姉系のホモっぽい鬼です」
少し困惑しているフレアの次の言葉に僕までもが困惑してしまう。
それって何ですかーっ!? と叫びたい気持ちを抑えて、僕は現状把握のために地下室から出るのだあった。
いかがでしたか?
この話より戦闘のお話とたんぽぽ荘家賃徴収人のお話を掛け合わしていく予定です。
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『こちら陽気なたんぽぽ荘』を読んでいただき、皆様がクスリっと笑っていただけましたらとても嬉しいです。




