あれれっ、そういえば知らない人ばかり、我が家のメイド(奴隷)と懇親を深めてみよう……その1 奴隷親子? ウル&アルナ編
こんばんわ、かきくけ虎龍劇場も記念すべき100回を迎えて嬉しくなっているかきくけ虎龍です。
こちら陽気なたんぽぽ荘、楽しんでいただけましたら嬉しいです。
ハプニング……そうなのです。
昔、シルクが『ムフフ……あにさま! 驚きやがれです! 川に綺麗なお皿がひょこっと浮いていたのでメリメリととってやりましたのです』と言って綺麗なお皿にパンの耳と河原に突き出ていたツクシを盛り付けて僕に見せたあのお皿……その夜、真緑カッパの集団が沢山のきゅうりを抱えて『赤貧の神であらせられるシルク様に息子がちょっかいをかけたことは謝ります……どうか息子のお皿を返してください』とカッパ全員総土下座したときほどのハプニングに見舞われている……こんばんわ、僕リンです。
これは不可抗力なのです……息抜きに家の中を冒険しようと一部屋ずつ見回っていくうちに見慣れぬ小部屋を発見しました。
そう、でき心でノックもせずに冒険気分で入っただけなのです。
あどけない顔立ちのほっそりとした金髪の少女が目を白黒させながら僕を見つめている。
未成熟で細く華奢な身体に透けるような白い肌の張り具合からして年齢よりも幼さを感じてしまう……って何解説してんねんーっ。
「はにゃ……ご主人様? 家内お散歩? それとも計画的エロ散歩?」
「計画的エロ散歩ってなんですかーっ!?」
「ご主人様……エッチ……です。ウル、下着ふんどしつけても良い? もしかして押し倒される?」
ウルさーん! 瞳をウルウルさせながら手に持っている細い帯ふんどしを振り回さないでーっ!?
「ウルっ! 早く服を着てーっ!」
「ハヤクフク……オキテ? ウル掃除は得意……オキテにも従う」
「早く拭くと掟に脳内変換ですかーっ!? ぽにゃと可愛い顔してブンブンとふんどしを振り回さない!」
「あい! ウルはわかったです」
ふんどしを振り回す金髪少女の名前は……いや幼女と少女の間ぐらいの名前はウル。
ウルはちちくりマンマン亭で購入(譲り受けた)した親子奴隷の子供です。
ただ、過酷だったのでしょう。
奴隷としても売れず廃棄処分寸前だったウルは精神はもう壊れている。
僕と出逢った時は栄養失調で身体はやせ細り骨が浮かび……体中に変態貴族たちから弄ばれた痕が見られた。
はっきり言ってしまうと……もう、子供の産めない身体と精神になってしまっていた。
「ご主人様、ガン見してくる。ウル、ロリコンに見つめられるの恥ずかしい」
「誰がロリコンだってーっ!? 変なレッテルを貼らないで! 直ぐに出るから!」
「ウルの身体で欲情するならいっぱい見ていいのに……ウルはご主人様……大好きだから」
そんな言葉(誘惑)に惑わされることなく僕は慌てて小部屋から出た。
それはそれは凄いスピードだ、今ならリニアモーターカーと勝負して勝てるような気がするぅー♪
不幸とは連鎖して起こるものですね。
僕の不注意なのです……凄いスピードで飛び出た僕は廊下にてメイド(奴隷)と正面衝突してしまいましたーっ!
ううっ、なんて日だ!
宙に浮く掃除用バケツ、飛び散る水しぶき……そして僕の頭にホールインワン。
尻餅をするも赤絨毯がクッションになって怪我ははない。
ただ、メイド(奴隷)が持っていた掃除用バケツの水をかぶってしまい上着がぐっしょりと濡れてしまった。
節約のために薄着で過ごしていることがアダとなり、僕のきめ細やかなお肌とピンク色の乳首が透けまくりです。
ああ、家の中で良かった。
これがシルクと一緒に旅をしていた時なら……その日のシルクの視線が僕に釘付けな上、『あにさま、その芸術的なピンク色の屹立を拝みながら吸ってあげてもいいのですーっ、妹としての役目なのですーっ!』とか言ってにじり寄られそう。
「ご、ご主人様! も、申し訳ございません、頭皮を床にこすりつけながら剃髪して井戸に身を投げますのでお許しください」
「どんな剃髪なのですか!? だ、大丈夫だから落ち着いてください!」
真っ青になった相貌を絨毯に押さえつけて、寒空の下で縮こまるウサギのように姿の土下座。
この妙齢な女性の名前はアルナ、ウルのお母さんと本人は言っている。
ただ、ウルはアルナの子ではない……そう、アルナ……この人も精神が壊れている。
廃棄処分奴隷になるまでウルと同様に変態貴族の玩具としての日々がアルナの精神を蝕んだ。
そして、アルナの愛娘は変態貴族の娯楽で殺された。
ウルとアルナの過去の関係性は詳しくわからない。
と、ちちくりマンマン亭の従業員から聞いている。
「ゆ、許していただけるのですか?」
「許すもなにも僕が悪いのです」
「私やウルを奴隷商人に売ったりしませんか? 夜……もし道具を使って酷いことをするのでしたら私だけで……娘には手をださないでください……お願いします……お願いします」
「僕は鬼畜ではありません」
「嘘おっしゃい! あんなことやこんなことを私や子供にしてきたのに……今更……今更……」
「アルナさーん、過去と現代の記憶が混ぜ混ぜ混ざっていますよーっ!」
「混ぜ混ぜ!?……ああっ、あの道具だけは……私が犠牲になります……子供だけは、どうか子供だけはお許しを……あんな巨大なものを入れればまた裂けてしまいます」
「混ぜ混ぜって道具なのですかーっ! それより、何もしませんから顔をあげてください」
「ほ、本当にですか?」
目が真剣だ……今更『うそぴよーん』なんて答え方をすれば『バケツの水で溺死してお詫びしますから子供だけは』などと言って溺死しそうだ。
僕がアルナと非建設的な問答を繰り返しているとお屋敷マイホームにふさわしくない庶民的な「ピンポーン!」というインターホン音が廊下に響く。
これはチャンスとばかりに「お客さんが来た」と言って土下座したままのアルナを置いて僕は玄関に向かう。
玄関に向かう廊下の途中で隻腕の奴隷メイドのフレアと鉢合う。
僕に気がついたフレアは恭しく頭を下げるが珍しく狼狽した表情が見て取れる。
「ご主人さま……お客様なのですが……」
おや、珍しく歯切れが悪い……僕の為なら奴隷少女Aにすらくってかかるフレアにしてはとても珍しいぞ。
「むっきー、あにさまは裏切りものなのです! 信じられないのですーっ、六丁目の妖怪百目が『オレ、全部コンタクトいれてるんだぁ』というぐらい信じられないのです! うちがお父様の豪邸で三食昼寝付きで捕らわれて退屈していたのに、助けにも来ずにこんなところに家を建てて、油売ってやがったのですーっ!」
あれっ……玄関から物凄く大きな声が……って、この声、えっ、ええーっ!
僕は夢を見てるのだろうか……。
この夢ならずっと見ていたい……お願いだから覚めないでほしい。
いかがでしたか?
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