リン君とシルクの日常……その6 僕の中の秘密の欠けら編
こんにちは、無事にアップができて喜んでいます。
ミミズチの歯の隙間からコナキンの頭が見えてるーっ!
情けない顔をこちらに向けて『失敗しちゃった……てへ』表情してるぞーっ、てへじゃねーよ!
その瞳は三途の川のまだ先で何かがおいでおいでしている姿が見えている瞳だぞ。
「こうなったらヤルしかない!」
僕は足元に転がっていた棒キレをひろいミミズチを見据えて正眼に構える……って棒じゃなくて妖怪の骨(おそらく肋骨あたり)やんかーっ!
『だらしないリン……私……助けてあげる』
期待の満ちた内容……僕の頭に響く声。
まるでこの時をまっていたような声……可愛い女の子が破顔しながら喜びをぶちまけたような声。
すると僕の中で恐怖が掻き消える……高揚感が高まって、気持ちよくなって、ミミズチの前で軽く髪をかきあげた。
僕なのに僕じゃない……こんな凶暴なミミズクの前で震えることもなく艶然と笑ってたっている。
「私のリンに指一本触れさせない……このリリンの名において」
僕の口が勝手にうごいてますよーっ!?
ミミズチは巨大な身体を鼓舞させて怯えひるむことなく突撃してくる。
「ミンチになりたい? それとも切り身かな?」
僕の意思とはかかわりなく身体が動く、もう気分はマリオネットだよーっ。
僕は軽く手をあげた……こんなところで手を上げてもタクシーは止まらないですよーっ!
思わず自分に突っ込んでしまう。
「えいっ」
可愛らしい掛け声とは裏腹にミンチ状の肉が辺り一面に巻き散らかされる……ひぃぃ、フランケンっぽい肉の切れ端が僕の頬にあたりましたよーっ!
「ごめんね、驚いちゃったかな?」
僕に投げかけられる言葉。
『もう、驚きぱなしですよ……ところで僕の身体をのっとったキミは誰なの?』
「流石はリン君、こんな状態でもれ・い・せ・いだね」
『こんなイベント遭遇はもう慣れましたから』
「だよね……ごめんね、もっと早くに私が覚醒していたら……ずっと……ずっと苦しくない生活を遅れたのに……菊門だって……菊門だって新品のままでいられたのにーっ!」
『僕の口で菊門ってさけばないでーっ!』
「可愛いなぁ……私の弟……リン君」
『弟?』
「そう……私はリリン、リリス母さんの96番目の子……リン君や他の兄弟たちと一緒に実母……リリス母さんを殺めたあの戦争を覚えてないの?」
そのような出来事記憶の片隅にもございません、最近あった戦争といえば落ちていたコロッケパンを巡って野良猫軍団と熾烈な戦いを繰り広げた『裏山コロッケパン闘争』やシルクと一緒に有楽街の片隅でダンボールを敷いて雑魚寝をしていたときにホームレスに難癖をつけられた『そこは俺の寝る場所戦争』ぐらいだ。
「ううっ、リン君可哀想」
なんだか同情されてしまいました……というかリリンさんも心を読むのですかーっ!?
「リリンさんじゃなくてリリンおねえちゃんと言ってほしいな」
いやはや、このスクランブルジェットコースタークラスのスリリングな展開……いったい何が起こっているのやら……僕はただただ心の中で大きく嘆息してしまうのであった。
いかがでしたか?
少しずつ、少しずつですがリン君の秘密が明らかになっていきます。
ここまでに張られたブッ飛んだ伏線がつながるきっかけが見えてきます。
今後ともこちら陽気なたんぽぽ荘をよろしくお願いします。




