リン君とシルクの日常……間幕 シルクの冒険 貧乏神カナエ登場
こんばんわ、楽しんでいただけましたら嬉しいです。
「ご飯探す日和、天気が良くて何よりなのです」
うちは上機嫌なのです。
しかし、うちの力をもってしても美味しい御飯(食べ残し弁当)とスイートな寝床を見つけることはなかなか難しいのです。
夜を安全に過ごすための寝床は野良猫や野良犬との激しい戦いに勝利して初めてゲット出来る至宝なのです、特に神社の軒下は人気スポットなので倍率が高いのです。
むむむーっ、そこのキミ! 野良犬や野良猫との戦いをなめているのですかーっ!?
そんなあまっちょろい甘甘キャラメルの過保護世界の平和主義ではニュータイプの才能はないのです。
やつらは食糧調達の天敵、野良ハトや野良カラスと同程度に厄介な奴らなのです……邪魔するものはいつか焼肉や焼き鳥にしてやるのです!
「うあぁぁ、可愛すぎる」
「天使だ……天使が降臨した」
「程よいさち薄感がたまらないぞ」
なんですか……辺りがうるさいのです。
それにしても天使なんて西洋のものと比べないで欲しいのです! その上にさち薄感ですってーっ、さち薄で収まったら赤貧の神は失格なのですーっ!
うちは今、食糧確保のために公園を歩いているのです。
少しばかり大きな公園なのですが……ゴミ箱がないのですーっ!?
うむむーっ、ほんの20年前はゴミ箱(食糧捕獲場所)がいっぱいあったのに。
「お、お一人ですか! よ、良かったら一緒にお茶でも」
「これを着てください! この✖✖魔法少女の戦闘服をきてください!」
「むしろ結婚してーっ! ぼくちんと結婚したら3食ご飯お昼寝付きの上、そのうえ今をときめくIТ企業の社長ですよ」
そんな怪しげなお誘いは乗らないのですーっ! せめてチョコレートの現物を見せつけられたらホイホイとついて行くかもしれないのですが……うむ、チョコは魔物なのです。
それにしても。
背広を着たサラリーマンやラフな姿の若者……みんなうちを囲む込むでくるのです。
中には「うちの事務所でデビューしませんか!?」など訳のわからないことを言う奴がいるのです。
あにさまとあってからこの身を実態化したものの……めんどくちゃいことばかりです。
おや……何だか嫌な視線を感じるのです。
うちを取り囲むそこのおデブの後ろのベンチからなのです。
「あら? その麗しきお姿、赤貧の神シルク様ではありませんか?」
その声は!? やばいのです、逢いたくない奴に出逢ってしまったのですーっ!
「むむむーっ、違うのです、まったくの神違いなのです、うちは石川五右衛門の助トサカ丸という不埒でハレンチなものでござんすなのです……てっきりめっきりこっきりの人違いなのです」
「その声にセンスのない返事……間違いなくシルク様なのです」
ベンチに腰をかけていたあいつ(・・・)が立ち上がったのですーっ、ずっとベンチに腰を落としたまま封印されればよいのですーっ!
こらぁーっ取り囲んでいた油ギッシュな男どもーっ、そいつのためにモーゼの十戒の海のようにざざざーっと道を開けないのですーっ。
うちのほうに向かってくる奴……清楚な感じの雰囲気、白銀の髪色、左右のお団子頭、神様美少女コンテスト万年3位……スタイル抜群のうえおっぱいのボリュームが自己主張の激しすぎる知り合いなんてあいつしかいないのですーっ!
「こんなところにいるなんてどういう風の吹き回しですか……貧乏神のカナエちゃん」
「ふふっ、運命の神の導きですね」
「あのガリ勉はそんなことしないのですーっ! そんなことしたらあいつ(運命の神)の靴箱に干からびたトカゲをいれてやるのですーっ!」
にぱーっと嬉しそうに微笑んでくるななのです。
「どうですか? そちらでお飲みものでもご一緒に」
「この公園の水道水は絶品なのです……仕方がないです、少しだけ付き合ってやるのです」
「うふ、とてもうれしいです」
仕方がないので女子会(水飲み場)に付き合ってやるのです……。
嫌な予感がプンプンします……というかあにさまがこの場にいなくてよかったのです。
ふぅと胸を撫でたうちにニコニコ顔のカナエちゃんがとんでもない力で服の裾を持つとそのまま引っ張られて水飲み場にレッツゴーになったのです。
いかがでしたか?
拙い文体ですが、少しでも笑っていただけましたらうれしいです。
今後ともよろしくお願いします。




