リン君とシルクの日常……その2
今日も無事に執筆できました。
僕とシルクの朝はとっても早い。
日が昇る前に起きて朝のお仕事だ。
そのお仕事とはゴミ箱からこっそりとアルミ缶を回収して売りに行く。
350の缶が15グラム程度、それを一キロ弱(70本)程度集めて現金120円をゲットできる。
相場により価格が変わるが僕やシルクを見て哀れんでくれる業者のおじさんが色を付けて入れているみたいだ。
このお金を握りしめて、商店街の焼きたてパン屋さんで無料のパンの耳をもらい、早朝時間サービス品であるアツアツのコロッケ四個入り88円を24時間営業ディスカウントスーパーで購入する。
「あにさま、今日もアツアツホクホクなのです」
「今日も食べられることに感謝しなきゃね」
「ありがたやーありがたやーなのです」
感謝の気持ちがいっぱいになる頃、お天道様が東からお顔を覗かしてお空に登っていく。
その後、僕達は日雇いアルバイトのチラシが乱立する地域に向かう。
「むむむーっ、うちでは小銭も稼げないのです」
「それは僕もかな」
ガチンコの肉体労働系は体力も栄養状態の悪い僕とシルクではとても無理だ。
それに僕たちはまだまだ子供。
背伸びをしても僕は中学生、シルクは小学生にしか見えない。
「これなんてどうどうなのですーっ!」
シルクに渡された一枚のチラシ。
『ショタ募集 時給歩合制 拘束時間8時間 菊門の安全保障』
記載説明が簡単すぎることがメリットでありデメリットなチラシ……っていうかシルクがキラキラした瞳でここなら働けまっせ! と目いっぱい押してくるぞ。
おや、これは。
僕は目に付いた一枚のチラシを手にとった。
『住み込み調理補佐募集 月給制 各種保険有り 住み込み・まかない有り』
うーむ、年齢の規制はなさそうだけど……顎に指を当てて少し思案する。
ま・か・な・い……この魔法の魅力溢れる言葉。
「あにさま、ここに決めればおまんまの食いっぱぐれはないのです、屋根のあるところで野犬に襲われる心配がないのですーっ、猫と残飯の奪い合いしなくてもよいのです」
「日雇いのチラシステーションに日雇い以外の好条件のチラシ……何故、皆、気がつかないのかな」
僕は周りを見渡す。
僕達に勝るとも劣らないほどの汚い服や布を纏ったおじさんやおじやん、おじじなど多数のおっさんたちが真剣な眼差しでチラシを見回している。
「もうもう、そんなこともわからないのですか? このチラシには特殊な呪いがかかっているのですよ」
「特殊な呪い?」
「そうなのです、このチラシは童顔の美男子で童貞だけどお尻を掘られたみとのあるショタに好かれる才能がある者のみが見えるチラシなのです」
「そんな悪魔的なチラシなの!?」
「それは悪魔じゃないのです、ショタな魔人が雇い主のチラシなのですよーっ」
「どっちでもかわらないよーっ!」
こんな悶々としたことを繰り返しながら僕とシルクは日雇いアルバイトを探すのであった。
いかがでしたか?
楽しんで頂ければとても嬉しいです。




