表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちら陽気なたんぽぽ荘 ~大家と店子の家賃戦争~  作者: かきくけ虎龍
第一部 たんぽぽ荘の家賃徴収人のお仕事編
59/162

出逢い……そして……の巻

お久しぶりです。

なかなか執筆ができない状況ですが少しずつアップしております。

今後とも宜しくお願いします。

木漏れ日すら拒絶する薄暗い部屋だった。

 小汚いベッドで繰り広げ弄ばれた苦い記憶。

 イラッとして殺意が湧いて……でもどうにもできなくて。

 

 脂ぎった肌、薄くなった頭を見るたびに嫌悪感と吐き気が混ざり合う。

 

 今日も満足したような恍惚感をまとった裸のおっさんがタバコをふかしながら見下した目で僕をみる。

 とてもイヤラシイ目つきだ。

 死んでしまえばいいのに。


 見つめられる僕の身体の所々に青あざや根性焼きの跡は虐待の証だ。

 誰もが身震いがする行為だった。


 今日も僕の仕事(・・・)は終わった。

 誰か僕を殺して欲しい。

 

 仕事といっても変態嗜好の大人に弄ばれる、ただそれだけ。

 奴隷に人権など存在しない、それは家畜以下の存在。

 僕という奴隷は拒否も抵抗もできない。

 いや、そんな考え方は絶望に支配された今の僕らしい逃げ方だ。

 

 そんなことをほーっと考えていると突然それはおこった。

 

 脂ぎったおっさんは恍惚とした表情を崩して顎に手をやって


「その穴、もう飽きたな」


 と言葉をこぼす。

 冗談めかしつつも非常な声で死刑宣告をされた。

 そして僕は牢獄にも似たこの屋敷からお払い箱になった。

 やっと死ねるんだ……何だか心の片隅に安心感と嬉しさが広がっていく。

 そしてあられもない姿で僕は捨てられた。


 灰色の雲に覆われた空から降り注ぐ冷たい雨。

 冬だから当然、凍え死ぬな。


「あわわわわーっ、発見しましたけつけつ不潔です、おケツが不潔です」


 可愛らしい声だった。

 横たわる僕の前で一人の少女が目を開けて興味深々な視線を注いでくる。

 

 もはや路傍の石よりも価値がない僕に何の用だろう。

 僕は遅かれ早かれもうすぐ死ぬとわかっている。

 もう無力感でいっぱいだが同時に冷静にもなれた。

 最後の僕が生きたという想い出を残すために謙虚な笑みを浮かべてみた。


「はにゅにゅなのです……うちが見え見えなのですかーっ!?」


「き、きみも……」


「もうもう、うちがプリチィーと言いたいのですねーっ」


「不潔だよ」


「なんですってーっ、むむむーっ、こいつは酷い奴なのですーっ! 六丁目のムカデ小僧の六番目の浮気相手ぐらい酷い奴なのです! 耳の穴かっぽじってよくきくのです。この由緒正しき美貌溢れるうちは赤貧の神シルクなのです」


 鼻息荒いぞ……などと思いつつ……意識が朦朧としてくる、もう死ぬのかな。

 

「もうもう、こうなったらうちが拾ってあげるのですーっ! 昔、テレビに出ていたとっても偉い人が言っていた格言に『俺のものは俺のもの、お前のものは俺のもの』と言う素晴らしい教えがあるのです」


 シルク……あれ……僕は知っている……シルク……この子を。


「シ、ルク、僕たちの……子供は……」


「はにゃーっ、こいつとびっきりのエロなのですーっ! 出逢ったばかりで妊娠説なんてとんでもないのです……あれ、おい、こらこら、話の最中に居眠りしてまぶた閉じています、とんでもない奴なのです」


 シルクの言葉が子守唄のように僕を深い眠りに誘っていく。

 少しだけ暖かい気持ちが膨らみながら。

いかがでしたか?

シルクとの出逢い、ここからはじまる物語。

そんなリン君の過去の記憶が解き放たれます。

シルクとの関係やリリスとの因果などを少しずつ紐解きする予定です。

今後とも宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ