やっぱりきてしまいました……の巻
お久しぶりです。
やっと書き上げましたのでアップいたします。
宜しくお願いします。
鋭すぎた!
目はまったく笑っていないし、一寸の慈悲を感じさせない剣線が横薙ぎに放たれる。
戯れ言だと言いきれないほどの殺意に少し尿意がしますよーっ。
日頃の節制の賜物(貧乏生活)か、軽い肉体が強攻撃から間一髪の間合いで距離をとった瞬間、フレアの口元におぞましい微笑が宿る。
「流石はご主人様。素晴らしい反応です、良く躱されました」
「素晴らしい反応ねぇ……もう、ギリギリなのです」
「ギリギリで躱せたことあの世で誇ってください」
穏やかな雰囲気、涼やかな声。
ただ、威圧的で濃厚な殺意がぶつけられると眉がつり上がり溜息がポロリと出てしまう。
なので、大きく息を吸い込んで脳まで酸素を行き渡らせる。
「その首……いえ、脳と魂の欠けらをいただきます」
刹那だった。
フレアの姿が蜃気楼のようにブレると無数の鋭い剣線が僕を捕えるように視界の全域から襲いかかってくる。
フレアの攻撃モーションを見る余裕もなく、反射的に身体を逸して後ろに蹴り飛ぶ。
鮮やかな剣線。
常識ではありえない速度から起こる剣圧が僕の服を切り裂く。
いやらしすぎる……僕がこの姿で街の真ん中にたっていたらわいせつ罪……もしくは粗チン罪で警察行きですよねーっ。
それにしても危なかった……シルクとの日々の鍛錬(ボケ突っ込み)の俊敏性がこの場で役に立つ。
「しつこいですよ………………さっさと死んでくださればいいのに」
フレアがさも残念そうに深く澱んだ言葉を吐くと、長剣が再び僕を捉えようと伸びてくる。
シュンと音がすると右肩から血飛沫があがる。
うほーい、い、痛いですぞーっ!
血飛沫の割には浅い裂傷。
間一髪の間合いで命を繋ぐ。
僕は怯まずに顔をあげて瞳が真っ直ぐフレアを見つめる。
「申し訳ございません……私の片腕のみの未熟な剣技のせいで苦しい思いをさせてしまってしまうなんて」
「そう思うなら剣を鞘に収めてくれないかな?」
「ご主人様さえ、生きることを諦めていただけましたら剣を鞘に収めることができます」
「僕が生きることを諦めるだって……それはないよ!」
そう、僕が生きることを諦めるなんて絶対にないさ。
あの日……そう、あの夜、こっそりとシルクのパンティをクンクンと嗅いで悪臭のために一週間ほどあの世とこの世を彷徨った試練を乗り越えたからには生きることを諦めるはずがない。
狙いは逃げること。
そう、僕の狙いは一瞬の隙をついて逃げる。
宛てはないけど不幸に見舞われることに慣れきったこの体質。
そう思った僕は態度では平然を装っているがオツムの中はフル回転で脱出経路をはじき出している。
その刹那、フレアが消えると音もなく砂埃が舞い上がる。
残像すら朧げに見えてしまうほどのスピードで間合いを詰めてきているのだろう。
「ご主人様……せめて、苦しまないように仕留めます」
「何だか、焼きたてパンの匂いがするね」
「後生を聞き入れます、墓前に必ず焼きたてのパンをお供えいたします」
僕は深い溜息を吐く。
諦観したわけではない……ただただ、呆れたように深く息を吐いてしまった。
この匂い……忘れるはずがないから。
僕の首元で剣撃が交差する火花と音が乱発すると数メートル先にフレアの姿が現れる。
まるで苦虫を噛んだように苦々しげに僕を……いや、僕の目の前に現れた助っ人を睨めつけている。
「こういう時って、正義の味方は必ず現れるんだね」
そう言って目の前の美味しそうな助っ人たちの肩をポンと叩くと。
「「「ゴールデンあんぱーん」」」
『やってきましたぜ!』と言っているような覇気をまとっている。
身体をはってフレアとの間に入るあんぱん兵……数は1、2……ってどんどん増えていくぞーっ!
「ムフフ……やっと……やっと、捕まえました」
おおーっ、待て待てーっ、僕を殺そうとするフレアより殺気がある視線があんぱん兵の後ろから突き刺さってくる。
違う意味合いで僕のシャツはぐっしょりと嫌な汗でいっぱいになるのであった。
いかがでしたか?
この度も拝読していただきありがとうございます。
次話の執筆も頑張りますので宜しくお願いします。




