スピリットセオリーと真実の闇の巻
こんばんわ、久しぶりの投稿になります。
宜しくお願いします。
生きる事は罪である。
その言葉は罪罪すぎて、何だか人生まで積みそうな勢いがあるほど罪な感じがします。
そして、そんな大仰すぎる言葉が溢れ出そうな闇に支配された世界。
少し前までの地球。
地上に文明を築きあげた人類は文化に舌鼓をうちながらもその破滅への道は一歩一歩その身に忍び寄っていた。
僕が知っている人類は私利私欲のために緑に覆われた大地を砂漠に変換して、大空や地中までも汚染と言うなの垂れ流しによって己の首を真綿に締められるように徐々に締め付けていた。
何より人は権力(名誉や財力)に縋り、憧れ、身を委ねて。
その末路が当然の如く、破滅と言う名の果実に結びついたのであろう。
無論、保険と称される無形なものは人が作り上げた虚像でしかないと証明するようにゾンビとの殺し合いにより人……いや、生命体そのものが地上より間引かれている。
だから、都市部などの人が集まりやすかった場所は誰も座らなくなったベンチなどは砂埃をかぶって風化していく。
僕はゾンビ達が屯している公園の奥へと視線をやる。
「やはり我らが堂々と公園を闊歩しても襲ってきません」
「エサとして認識していないのかな?」
「それは違います、恐らくはご主人さまの奥で眠る……いえ、とり憑いているひねくれ者の過保護な者が放つ過度な威圧がゾンビ達を本能的に恐れさせているのでしょう……ただ」
「ただ?」
ここは腐敗した嫌な臭いが鼻につく公園。
フレアがゾンビどころか魑魅魍魎が渦巻いていそうな公園のど真ん中で空から注ぐ陽光の先を見つめる。
そして深く深呼吸をして溜めていた息を吐き出して言葉を紡いだ。
「ご主人様に融合している魂の欠けらか何かでしょうか? その欠けらの気配がこの世界に入り、何かに呼応して強い気配を放っています、それはそれはドリアンよりもはっきりとわかりますよ」
「もしかして気配って臭いの?」
「もう、それはとてもとても淫靡な気配……いえ、臭いです」
「先に言っておく! 僕はシルク一筋だから」
これだけは断言しておかねば!
どんな格好をしていてもシルクは僕にとってアイラブなユーラブな愛妻になる存在なのだから。
「ご主人様に一言だけ言いたいことがあります」
「さっきからズケズケと言い続けている気もするんだけど」
「この異世界に渡られた目的を達成するためにもこの異世界から本来行かなければならなかった異世界に行く手段を探しましょう」
「本来行かなければいけない異世界?」
「そうですよ……ご主人様、早く思い出してください……異世界です、本来の世界……こんな、生ぬるいゾンビの世界ではない、本当の世界を……」
僕の前に立ったフレアは手足や内蔵が飛び散った公園の一画を睥睨すると熱を帯びた瞳をこちらに向ける。
「どういう事、キミはフレアなの? いや……フレアの姿をしたキミは何者?」
「どうして私がフレアルージュでないというのですか? 奴隷商人から解放していただいた恩……その恩は私の一生をかけて尽くし返していく所存です」
「やっぱり……キミ、フレアじゃないね」
「もしそうだとしたらどうなさいますか? ……さて、お話はここまでです、この街の探索に参りましょう、それとも……」
何かの図星だったのか、フリアは話を逸らすように遠くを見つめる。
フレアの視線の先に白煙が上がっている。
「ここも戦場にいたしましょうか?」
片腕の少女フレアが長剣を僕に向けて微笑んだ。
そして、フレアの微笑みの意味はもう少し……そう、たんぽぽ荘の家賃徴収人としての立場として先に知ることになるのであった。
いかがでしたか?
次回より戦闘がはじまります。
私の大好きな戦闘シーンがやっと執筆できると喜んでおります。
今後とも宜しくお願いします。




