第5章 リン編 試練・・・そして過去と真実の巻
こんばんわ。
やっと仕上がりました。
楽しんでいただけたら幸いです。
拝啓、アラハ先輩。
僕はたんぽぽ荘の家賃徴収人をなめていたかもしれません。
こんなに、こんなにも凄い家賃徴収人が存在していただなんて。
「この女童風男童、訳のわからぬことを言っているな。私は土偶神アハラ様に童貞エロチンコ魔神を鍛え上げてくれと頼まれた魔大陸北部担当の月読のかぐやです」
その声は澄んだ清流のように心地よい。
この月読のかぐや先輩の衣装・・・見かけは黒いポニーテールがよく似合う女子高校生。
おおおーっ! 今は懐かしきセーラー服ではないですか!?
僕は好物の一つです。
「褒められること悪い気はしない、さて、どこから話したらいいかな」
気を失っているはずの僕の脳裏に直接語りかけられる声。
僕は『シルクのことですか?』と心で描くと言葉のように相手に伝わる。
まるで心が繋がっているような・・・というか筒抜けではないですか!?
「隠しているよね」
僕は何も隠していないです。
「へそくりやお菓子は隠してないですね・・・いえ、隠すほど持ってないですね」
ううっ、貧乏ですみません。
「記憶・・・隠してますね・・・いいえ、隠れてますね」
隠れている?
「夢でみませんか? 不思議な夢を・・・呪われた隠し事を鮮明に」
貴方は何処まで知っているのですか?
「ゼロであり全てである・・・そう、言っておきます」
怖いですね。
「私も怖いです・・・あのような存在と関わり合いになるなんて、土偶神アラハ様に頼まれなければしたくないお仕事です」
そんなにヤバイのですか?
「全ては貴方の魂に刻まれた記憶・・・さぁ、行きましょうか」
その言葉を最後に僕の意識がかぐやさんに従順するように更に深い眠りにつく。
そして、寂しげな声が最後に響く。
「過去であり、現実であり・・・未来である世界・・・本当の自分に向き合うために生き抜いてください」
言葉が切れたと同時に僕は意識が現実世界に戻る。
目を見開いた景観に心臓が跳ね上がる。
そこは薄暗闇が張り付くターミナル駅の無人改札口だった。
僕が知っている地獄の世界・・・もう過去のはずなのに。
いかがでしたか?
この回よりリン編がはじまります。
恐怖と残酷な描写が増えてしまうところもあります。
コメディ要素も入れていきますので宜しくお願いします。




