目指せ、屋根付きの部屋。路上生活脱出作戦、運命の面接。あれれ、面接官は土偶なのですかー!?
僕の前には土偶が器用に椅子に座っている。
この状況、真っ先に思ったことが変な面接。
そう思ってしまうのは僕が単にアルバイト面接の経験がないからだろうか?
「それでは面接をはじめてあげても良いですわ」
「はい、宜しくお願いします」
僕は社交的に頭を下げた。
そんな僕を見て頭をクイクイ動かして頷く、そして何か意を決したようにグググッとがぶり寄ってくる。
土偶さーん、とんでもない威圧感ですよーっ。
「このたびの面接はたんぽぽ荘家賃徴収第一部隊の団長であるわたくし名は、そう、アラハといいますの。面接票や身分証明は持ってきていますの?」
「面接票?」
えっ・・・僕は少し小首をかしげ、表情が曇ってしまう。
面接票とは何だ、もしや、僕が奴隷のころに受けた館の主人の前でパンツを脱いでバチバチとムチとロウソクを受ける折檻プレイの種類に似たような言葉があったような・・・。
表情は営業スマイルなのだか頭の上に疑問符が沢山みえてしまったのか? アラハの無表情な土偶の中から威圧的な視線が注がれる。
「もしや、こともあろうに面接票を用意していないですの?」
「す、すみま・・・」
「よくもやらかしてくれましたわね! 男らしいですわーっ!」
僕の言葉をかき消して上書きする勢いでアラハは厚みのある顔をデデーンと近づける。
圧迫感が半端ないがここはお金のため、我慢・・・我慢なのだ。
「その度胸に免じて仕方ありません、面接をしてあげましてよ」
「ありがとうございます」
「ただし、面接を受けるにあたり、注意事項がありますわ」
僕はゴクリと喉をならした。
やはり緊張しているのだ、僕とシルクが路上生活102日目を過ごすかどうかの分かれ道。
夜、たびたび強盗や変出者に襲われてしまった河原の橋の下のダンボールハウスではなく屋根のあるお部屋で過ごしたい、安心した生活がほしい。
そんな本音を口にはしないが切なる想いとなって全身が緊張するほど、僕の営業スマイルがぎこちなくなって渋面していく気がする。
そんな僕の心の機微を察してだろうかアラハは小さく嘆息する。
まるで、そんなに怖がらなくてもいいよっと伝えるように。
「では、注意事項を言ってさしあげますわ」
そして、アラハはとても意味ありげにゆっくりと言葉を発した。
「一つ目、穏やかな性格のシマウマが川のほとりでライオンに襲われて、生き抜くためにライオンを溺れさせようと行動するように、わたくしの魅力に溺れても決死の覚悟で面接中はチンコをださないように」
僕はコクコクと頷く。
「二つ目、ハレンチすぎる貴方のいやらしい視線で舐めまわすようにわたくしの魅力的な土偶ボディを見ても発情しないように、とくに高貴なわたくし相手にチンコを出して迫らないこと」
僕は薄い笑顔をつくりながらもコクコクと頷く。
「という訳で、わたくしと直ちに刹那に一瞬でプロポーズしてください」
「そんなの頷けるわけないでしょーっ!」
「チッ」
「今舌打ちしましたよね」
「あら、わたくしにお下品な言いようですこと。この万年発情期チンコ魔人さん」
「下品は言葉はどっちやねん!」
「なら、合格ですわ」
「どこが合格なのですかーっ!?」
僕の反応にアラハは「あははは」と屈託なく笑うとペロリと可愛らしく舌をだした。
土偶が可愛らしく舌をだすとは滑稽だが、可愛らしかったのだからしかたがない。
唐突に始まった面接も笑って終われるのだからいいのかな?
あれ? シルクはどこにいったのですかー!?