これが夢のマイホーム? 死にかけ奴隷と腹減りモンスターの巻
こんばんわ、やっと執筆を開始しました。
宜しくお願いします。
拝啓、土偶神アラハ先輩。
率直に申し上げます。
異世界に到着して一日目、いきなりですが挫折しそうなのですよーっ!
これは幻視なのか? ゲームの世界なのか?
いや、もはや「殿ーっ謀反でござるーっ」と言って慌てふためく部下の前で夢幻とうんたらかんたら、と言って踊った本能寺の織田さんの気分です。
さてさて皆さま・・・どんな気分やねんーっ! と突っ込んでください・・・こんにちは、僕です。
夢のマイホーム。
そう現代世界において、多大な借金ローンの代償として手に入れることができる、人生三大イベントの一つ。
そのイベントがこんな形で僕におとずれようとは・・・。
アラハ先輩・・・マイホームなのですが。
何でこんななんにもない平原の真ん中のモンスターの巣のところに建ってんねん!
そう、今、僕の視線の先に家があるのだ。
立派な家だ。
家・・・いや、大きな屋敷のまわりはモンスター対策だろう、とっても高い塀で囲まれている。
ただ、ここは平原のど真ん中。
何度も言おう、アラハ先輩が用意周到に準備してくれた住居がぽつり(・・・)とあるのだ。
しかも街から外れまくった平原の真ん中に違和感たっぷりにポツリとたっているのだ。
ほら家のまわり、平原を見渡せば天然系ペット(モンスター)たちがヨダレをたらして跳梁跋扈しているよ。
「ふーっ、何でこんなところに・・・・・・借金までさせられて、買わされた家って・・・ここ・・・だよな」
「うふぉーっ、こんな夜中はモンスターの遠吠えしか聞こえないような辺鄙なところがオイラと蜜月な時間を過ごすための場所なのか!?」
ヘタリアは興奮している。
ピエロの赤い鼻の色が頬まで染まり情熱的視線を目の前の家にぶつけている。
「ヘタリア、まだ成仏できずに僕に憑いてきていたのか・・・というか地縛霊なのにどうしてあの場所から離れられるんだ?」
「ふふふ・・・おいらを甘く見ないで欲しいぞ、これぞ、主人と奴隷の禁断すぎる愛がなせる技なのだ・・・おーっ、わかったぞ」
「こらピエロおっさん、突然、奇声をあげるなよ。それで何がわかったんだ」
「年下のナイーブな乙女にぞんざいな言い回しって、ご主人様は口の先から肺の中まで失礼でドス黒いな!」
「モサモサのヒゲの生えた乙女って・・・僕は絶対に認めない」
「乙女にヒゲがあるなんて、とってもプライスレスだろ。早く、現実を受け入れるようにな! ところで家を冒険者もこなさそうな、モンスターしかいない場所に建てた理由だけど」
「理由・・・そうか、アラハ先輩なら何か考えがあってだろうかな」
「そうそう、これはとびっきりの考えだね・・・三人集まれば文殊の知恵というけど、一人でここまで知恵を出して、気配りができるなんてさすがだ」
「もしかしてヘタリア、アラハ先輩の意図がわかったのか?」
「当たり前じゃん、何百年地縛霊していたと思っているんだ。おそらくは・・・ここならどんな変態プレイをして嬌声が咆哮化しても、モンスターの遠吠えに交じるだけで人様の迷惑にならないもんな、レッツ、子作りの館へようこそ!」
ヘタリアの答えがあまりにも想像どおりだったため僕は眉間をおさえて小さく嘆息した。
「ヘタリア・・・おまえ、今すぐ成仏して地獄の煮釜で魂を洗い清めてもらえ!」
「おおっ、デンジャラスな変態プレイ嗜虐思考だな・・・やはりピエロおっさん風はどストライクぽいな」
僕は腰元の竹筒水筒から一口水を飲む。
そしてヘタリアがこれ以上余計な事を言うなと言った釘を刺すような鋭い視線を送った。
するとヘタリアはヘラヘラしながら図らずも抱きかかえることになった廃棄寸前の奴隷と当座の日用雑貨や食糧などを乗せた巨大なダチョウもどき(街にて購入)がひく荷台に逃げ込んだ。
「おい、ご主人様、なんかハイエナっぽいモンスターがそこの死体エサよこせよ、と瞳で視線を荷台に浴びせてるぞ!」
よく見てみれば。
ハエが数匹飛んでいる荷台からはいまにも死臭が漂ってきそうな雰囲気のようなきがするーっ。
「ここでおまけにもらった奴隷から死人をだすのはやばいな」
「大丈夫だぞ、オイラは死んでいるから」
「お前じゃねーよ!」
僕はヘタリアとピーピーと掛け合い、モンスターを警戒しながらやたら豪華な正面門に足を踏み入れるのであった。
一週間ぶりの執筆となりました。
これからもどんどん書いていくので宜しくお願いします。
ブックマークや感想、心よりお待ちしております。




