ピエロ奴隷ってお子様っぽいパイパン筋っ子おじさまなのですかの巻
こんばんわ、何とか書き上げました。
楽しんでいただけましたら嬉しいです。
空はどこまでも澄み切って蒼く、銀色に輝く太陽に照らされた街の外れ。
地図に従って人気がなく肌寒い裏路地をまっすぐに歩く。
「おい、そこの女男の兄ちゃん、このマトコンドラのきのこのエキスを吸って快楽のまま娼婦かモーホー相手の乱打戦を制してみないかい」
「あーら、綺麗なお顔ちゃん、もしかして童貞かしら? どう、あたしの店『ナマナマパプ・モーホー』で働いてみない」
「もしかして、キミ、モーホー男の娘かい? 金貨一枚で俺のきゅうり突っ込まさせてくれないか?」
お前らモーホーばっかかよ!
思わず突っ込んでしまった・・・こんにちは僕です。
流石は荒くれ者が跋扈する裏路地です、下賤すぎる亜人が声をかけてくるぞ。
そのうえ、裏路地にはいかにも怪しげなテントがいっぱい。
狼っぽい亜人や獲物を狙うように鋭い眼光の猫っぽい亜人などなど・・・『それ、絶対に盗品だろーっ』と言いきれそうな場違いな品物を売っていた。
「確か、地図ではここだけど・・・看板は・・・宿屋ちちくりマンマン亭・・・って何?」
これって一見、怪しげな淫売宿。
もう、宿屋ちちくりマンマン亭と言うだけでオチがみえているようなきがするーっ!
・・・ううっ、だけどここで僕は足が止まるがここで帰るわけにはいかない!
そう心に誓って僕は覚悟を決めた。
無論、病気を蔓延させそうな安娼婦が跋扈しているっぽい淫靡な飾り付けの入口にプレッシャーをバンバン感じるが・・・入らなければ先に進まないのだ。
「おい、そこのお嬢ちゃん、何かようか? おおっ、おまえ、男なのか!? 金玉付きの男か! その顔・・・うちの姉さま上玉より上玉じゃねえか」
振り返るとピエロのような亜人が『どうしてこんなところに麗人がいるのでごわすか、ふんす』と言った表情と凄く驚いた目の視線で僕を舐めまわす。
ピエロ風亜人。
一見バカっぽくも見える印象だが、何処か冷めた雰囲気と猛獣を噛み殺すほどの気配を纏っているように見える。
こりゃ、もしかしてピーでピー的なヤバイ人ですよねーっ!
僕はこれ以上、舐められないように訝しげに眉をひそめながら見返すが・・・もう心臓をキュッと握られたような緊張感に苛まれていますよ。
「おじさん、ここって奴隷販売所ですか?」
「お、おじさんだって!? 兄ちゃんは見る目がないのか! おいらはまだ六歳のピーピー蒙古斑もとれてねえちびっこだというのに」
「うそーっ! 冗談はやめてください」
「冗談だって! よし、こうなったらオイラの下の毛が生えていないところをその目で拝みな!」
ピエロはズボンのベルトを掴みパンツごと脱ごうとする。
公衆の面前でなにするねんーっ!
僕はおもむろに腕を上げてまっすぐ腕を伸ばして阻止しようとするが・・・。
そのまま僕の手がズボンに引っかかってしまい地面までかぼちゃパンツを下げてしまった。
――つるりん――
直に触ってしまったぞー・・・ってパイパンなうえにちんちんがないやんけーっ!
「うおぉぉぉぉ、お、オイラの小さな谷間に指をすべり込ませるなんて・・・見せるなんて冗談だったのに・・・しかも・・・」
僕は自分の震える手を見つめながらゴクリと生唾をのんだ。
「お風呂に入りたてでピカピカの新品ワレワレだったのに・・・おいらの新品を弄ばれたーっ!」
「ちがーう、誤解をまねくことを言うなぁーっ!」
うぁぁぁ、路地裏の亜人たちが冷めすぎる真っ白い目で僕を貫いてきますよーっ!
「僕はここに奴隷を買いに来たんだ!」
「オイラを買いに来たの!?」
「いや、買いたいのは奴隷だって」
「ふふん、買う前の味見だったのかい・・・そこまで蹂躙&説得されたら仕方がない。オイラが売約済になってやるから、おじさん顔のちびっこピエロ風亜人なんてそうそういないぜ」
「それって需要がないだけだろーっ!」
僕が放つ拒否にニュアンスなど微塵も理解せず、このピエロ奴隷、己が持つ間違った着信レーダーの赴くままに自分を売りこんでくる。
「ピエロ風のおっさん奴隷なんていらないぞ」
「大丈夫、この姿は着ぐるみだから」
「そうなのですかーっ!?」
僕は綺麗な裏声で驚きの声をあげた、だって、着ぐるみなんて言い張るんだよ!
このピエロ奴隷の存在感と変態性が強すぎて僕は思わず苦笑してしまった。
「ここではなんだから・・・まずは店の中へ」
そう言うとピエロ奴隷は僕の手を握って店の中に連れ込んだ。
何だかディジャブを感じてしまう一コマだった。
いかがでしたか?
この回ぐらいからしばらくは異世界編になります。
感想やブックマークなどなど心よりお待ちしております。




