再び、異世界、奴隷商人に会いにいくのですの巻
こんばんわ、今日は二話目です。
楽しんでいただけましたら嬉しいです。
場所はとってもわかりやすい・・・異世界だった――。
同時に大きな闇に包まれた街だ。
闇は恐怖だ。
その昔、冬の森で野宿をした時に僕やシルクが寝ている耳元をゴソゴソと這ったムカデよりも恐怖感が強い。
そう、何かに畏怖する強大な恐怖に包まれた街であった。
辺りを歩く人々を観察してみる。
身なりがポロっとしている亜人が多いかな。
たてがみが立派なライオンの顔やカバっぽい顔の亜人が目立つ。
と言うか人間族の姿が見えないではないですかーっ。
「うーむ、ここは・・・何処なのかな?」
今、僕は不安と孤独で胸がいっぱいです。
ここ・・・明らかにアウエー感が半端ないですもん。
僕は眼光にひろがる光景と今の状態を整理する。
たしか・・・。
篝火(シルクの父)にシルクを奪われて打ちひしがれていた僕に同情? をしてくれたアラハ先輩が何故か持っていたシルク奪還の希望となるチケット。
そのチケットを貰った、直後『このトーナメントにはチンコの大きさだけでは勝てませんことよ! 実績とそれを証明する力がないと参加すらできないのですわ、なので、試練を与えますことよ』と言われると首根っこを掴まれて有無を言わさず106号室のドアに放り込まれた。
までは記憶にあるぞ。
「それにしても・・・」
僕は兎に角、茶色いレンガがびっしりと敷かれただだっ広い広場の真ん中に立っていた。
裸だったら突然現れた貧弱ボディの変態ターミ○ーターに見えたかもしれない。
さて、広場には柴犬のお尻から出る水がリアルっぽい噴水やちょっとした屋台がならんでいる。
その先にはレンガ造りの無機質な建物が点在していた。
どこか学生さんの歴史の教科書に出る中世ヨーロッパが劣化したような感じだ。
ただ、広場の亜人たちは活気もなく、皆、不安に呑み込まれた感じが伝播してくる。
「そうだ、カバンの中身は」
毎度おなじみになった意外と役に立つ秘密のグッツ。
右肩から垂れるように下がったショルダーバックの中身を確認する。
手紙一通・金貨10枚・アラハ先輩のプロマイド写真。
どうでも良いことなのだが、何故、プロマイド写真(今回は土偶姿のハイレグ水着バージョン)が・・・しかも直筆サイン入りなんて。
知名度がありそうだからいざというときに水戸のご老公の印籠みたいなものだろうか。
さて、手紙だ・・・そう、問題はて・が・み・・・である。
毎回とんでもないことが書かれているので、正直、読むのに警戒心が先走る。
『拝啓・・・なんてかきませんわバーカバーカ。さて、この手紙を拝読しているときは、もう地獄の鬼にお尻をあっはんうっふん・・・いえ、闇に包まれた世界についているころです。まずは童貞エロチンコ魔人名義で家を購入してあります、無論、わたくしへの貸し・・・すなわち借金ですわ。』
うおぉぉぉーっ、アラハ先輩ーっ! 僕名義で勝手に家を購入しないでください。
『そこで力を蓄えるのですわ。その地域を担当するたんぽぽ荘の二号館家賃徴収人に鍛えてもらうように頼んでおきました。もう、煮るなり焼くなり犯すなり・・・好きにと・・・ムフ』
犯すってなんなのですかーっ!?
『そして、チケットはその地域を治める地方伯爵からぶんどったものですわ。当然、地方伯爵は血眼でチケットを探しているはずです・・・」
このチケットは盗品なのですかーっ!?
「まずは家に行く前に奴隷商人のところへいきなさい。場所は別紙マップ1に書いてあります。天涯孤独の身に味方を付けるのは死んでもかまわない奴隷が一番ですわ。では、頑張るのですわよ』
・・・と言うかここが何処なのかも書いてないぞーっ。
今回もヤバイ臭いがプンプンしますぞ。
僕は仕方なく人生二度目の奴隷商人の館に行くのであった。
てかがてしたか?
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