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こちら陽気なたんぽぽ荘 ~大家と店子の家賃戦争~  作者: かきくけ虎龍
第一部 たんぽぽ荘の家賃徴収人のお仕事編
33/162

赤貧の神VS砂かけババアの巻

こんにちは、午前中に書き上げました。

楽しんでいただければ嬉しいです。

あたしは先程まで佇んでいた丘の上に視線をむけた。

 そして思わず息を呑む。

 妖艶な着物を来た美しき女性と年端もいかない小汚い幼女。

 おぞましい闇と刃と化した砂塵がお互いを牽制する。

 まるで幽閉された世界、拮抗した力が異次元の煉獄をうみだしていた。


「ぐぬぬ、シルクのやつ、あたしたちまで巻き込むなんて、大人気無さ過ぎるむちゃくちゃな力あるね」


 あたしは心中で顔をしかめる。

 澱んだ大気に覆われた戦場であたしは無理やり大きく息を吐く、そして血が滴った鈍く光る銅の剣に視線をうつす。

 ほっとした・・・周りで荒くれ者エサ相手に無双していたあんぱんのように神気に当たって侵食されたあとはまったくない。


「さすがは変態ご主人様からの賜り物ある・・・愛情の賜物ある。ご主人様の変態要素を肉体いっぱいに受け止められるのはあたしだけある。早く欲望の塊であるご主人様の白い液体シャワーをあたしだけのものにするある」


 そして更に苦々しげに口をひらく。


「さて、シルク・・・あたしたちまで巻き込んだ点はとっても反省してもらうある」


 剛毅な覇気を纏った奴隷少女Aは蜂蜜色の瞳に宿る冷たく乾いた意思がその肉体を丘の上の異次元の戦いを繰り広げる世界まで動かすのであった。




「ぺっぺ、もうもう口の中がじゃりだらけなのです」


 うちは小さな掌で唇を抑えるのです。

 額に汗が滲むのですがそこにも砂がひっつきやがります・・・天然系砂パックと思えば美容にも良いような気がしやがります。


 砂かけババアの細胞たる宙に舞う鉛色の砂が無形の刃となってシルクに襲いかかる。

 ただ、シルクが鬱陶しそうに一睨みしただけでその勢いは行くて半ばで削がれただの砂塵と化していた。

 うちのスキル、なめたらあかんぜよ!


「牛チチ馬鹿年増! まだまだ力の違いがわからないのですか! うちが本気を出す前にひれ伏すのです。ひれ伏してシルク様、巨乳に生まれてきてすみませんと地面に頭をこすりつけるのです! 無論、有り金全部吐き出すのですーっ!」


「家賃徴収人がこれほどの力を有するとは・・・絶壁まな板貧乳幼女」


「誰が絶壁まな板貧乳幼女なのですかぁー。うちは成長期前なのです! ほんの600年しか生きていない幼子なのですよ、後、数百年でボインボインのぷりぷーりなのです、ふんす」


「もう無理だとおもうがねぇ」


「じゃあじゃあ、牛チチ年増はいつから牛チチになったのですか!?」


 うちの切羽詰ったその質問に年増(砂かけババア)の得意げな声が聞こえてきたのですーっ、ひぃぃー悔しいーっ!


「そやのぉ、幼女のころから膨らんでいたぞ。わたしゃとびっきりの麗人じゃから、いつも人型のオスたちからイヤラシイ視線を感じていたからのぉ」


「むきー、さりげなく自分自慢してやがります、だったらどうして永遠の独身貴族をエンジョイしてやがるのですか!?」


「グヌヌ・・・傷を掘り返す女童なのじゃのぉ! 出逢いじゃ、運命の出逢いに巡り会えなかっただけなのじゃーっ! しかし、それも終わり」


 妙な気配が一点に集まります。

 すると巨乳めがね年増(砂かけババア)が腰に手を添えて顔を真っ赤にしながらうちが問いかけた言葉に答える声を艶かしい唇からこぼれたのです。

 むむむっ、着物ごしでもわかるほとんど形の崩れない豊満な胸・・・悔しすぎるのです。


「先日・・・運命の出逢いを果たしたのじゃ。あのスコーピオンクイーンに邪魔さえされなければ、今頃子作り三昧の日々じゃったのに」


「そんなパコパコエロ相手がいやがるのですか! チチが揺れる大人びたエロなのです。後生なのです、だったら見逃してやるので家賃を置いてさっさとオスと家に帰ってしっぽりパコパコするのです」


「それが簡単に会えないのじゃ」


 震えるような年増(砂かけババア)の声。

 恍惚とした淡い吐息を纏った言葉がタネとなってうちの心に殺意が発芽しやがりました。


「土偶の神・アラハにさらわれたダーリン・・・リン様なのじゃ」


「リン・・・もしや、あにさまなのですかーっ!? そういえばあにさまから年増と男の娘の匂いがしやがりました」


 うちのどんよりとした怨嗟じみた言葉に救世主を見つけたように年増(砂かけババア)が初々しく耳まで真っ赤にしていやんいやんと両頬をおさえて『ダーリンの居所をしっているのか?』と視線で問いかけてきやがります。

 こんな、ボインボインな年下の義理姉なんていらないのです!

 あにさまの嫁はうちなのです、貧乏でも慎ましやかに二人で生きていくと誓い合ったのです。


 この年増(砂かけババア)・・・この場で始末してやるのです。


「この場にあにさまがいなくてよかったのです・・・」  


 うちは微かな自嘲ぎみの言葉をこぼした。

 嫉妬に駆られて口の端を歪めながら。

いかがでしたか?

砂かけババアの章も終盤です。

感想やブックマーク、ぜひぜひおまちしております。

本日も読んでいただきありがとうございました。

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