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こちら陽気なたんぽぽ荘 ~大家と店子の家賃戦争~  作者: かきくけ虎龍
第一部 たんぽぽ荘の家賃徴収人のお仕事編
30/162

生きる名と逃げ出すカッチカチのあんぱんの巻

この話はちょっとした閑話みたいなものです。

今後、色々と協力していくシルクと奴隷少女Aの始まりの話になる予定です。

「ほんとあるか!? ご主人様に代わってとっもす素敵で愛らしい本当に名前をつけてくれるのあるか!?」


「とってもプリティなあにさまの二つに割れた尻の穴を拭く・・・ザ・尻拭いのトイレプレイは出来の良い妹として当たり前なのです! 泥船のタイタニックに乗ったたぬきのつもりで安心するのです」


 はっきり言ってやったのです、うちはあにさま・・・リンの大切なワイフっぽいものなのです、神様からこんなに慕われるあにさまったら・・・もう、初夜を想像するだけで脳内エクスタシーなのです!

 そんな想いがかけめぐっていることなど微塵も出さず、いつもと変わらないシルクの口調に奴隷少女Aは目をパチクリさせながらその返答に満足した。

 

「むむむ、豪胆ある、わかったある、そこまで言い切るなら信用するある。お礼にそこのカッチカチやでー風ムキムキあんぱん、歯が折れなければかじってもよいあるよ」


「ふん、なめてもらってはこまるのです、。うちの歯は飴玉を六個連続で噛み砕くことができる世界最高品質のメイドイン神様製なのです、小麦の化身、ふっくらあんぱん如き、このシルクがくらいつくしてやるわー(ラオウ風)」


「あんぱーん!」←(危険を感じて物凄く嫌がっているあんぱん)


 機敏なのです!

 人身御供にだされそうなあんぱんが踵を返して全力で扉に向かって走りやがります!

 そのまま扉を蹴破って出て行きました。

 

 その先の光景にうちは思わず息を呑んでうっとりしてしまったのです。

 だってだって、足の裏をしっぽり包みそうな白く美しい砂、その先に青い海のようなオアシスが広がり、こんがりと焼きたての薫りが漂うあんぱんたちがいっぱいいやがるのです。

 これで万年赤字の食糧危機とはオサラバなのです!


「シルク・・・だったあるね」

 

 奴隷少女Aがうちにむかって握手を求めるように片手を差し出してきました。

 その手を見てうちはすったまげました。

 まめ、マメ、豆、むむむっ、いっぱい修練をしているのでしょうか? 手のひらに手まめがいっぱいあるのです。


「お空に漂う雲の影でこっそり鍛錬をする武神のように手のひらに小山がいっぱいなのです、手相が変わるほどの凄い手豆なのです、二月の豆まきに手豆を見せただけて鬼も逃げ出すほどの手まめなのです、もはや国宝級なのです」


 奴隷少女Aは照れやがったのでしょうか? すっと手を隠すと、とっても苦笑なのです・・・むひー、その苦笑、とっても可愛い顔してやがるのです、うちやあにさまほどではないですがもし東京に行けばスカウトホイホイの異名をもらえるほどの美形なのです。

 

「あたしの全てはご主人さまのもの。だから強くなる・・・この銅の剣に誓って」


 そう言う奴隷少女A・・・少しだけかっこよく思えました。


「かっこよいのです尊敬するのです、うちなんかあにさまに田んぼでドジョウやカエルを拾い食いはしないと誓いを立てても三時間もたないのです、やぶるのなんてお茶の子さいさいなのです。守っている誓いはあにさまに捧げる予定の貞操の誓いぐらいなのです」


 うちの迫力ある言葉に奴隷少女Aは呆れ顔ではないのですかーっ!?

 ここは深呼吸・・・気持ちを切り替えて。


「なにはともあれ、名を授けてやるのです・・・さしずめ・・・ポチで・・・ウヒャーッ!」


 こいつ目がマジなのです! 居合抜きです、見えない速度で銅の剣が頬をかすめやがりました。

 冗談が通じない子供は怖いのです、嫁入り前にキズものになるなんて神の末席とはいえ恥の極みなのです。


「す、少しだけ考える時間をよこしやがれです。名は生涯のものです。あにさまもヨダレを垂らす、とびっきりのエロチックダイナマイトな名をつけてやるのです!」


 歯の浮くようなセリフをここまで堂々と言ったうちに少し思案顔の奴隷少女Aは荒唐無稽なものを見るような視線を浴びせてきやがりますが、銅の剣を鞘にもどしたので納得したようです。


「わかったある。ここはいったん休戦ある」


「そうです、休戦なのです。風船とは一味違う休戦なのですーっ!」


 その言葉がお互いの口から発せられたことは僥倖なのです。

 ムフフ・・・これで安心してここを根城にできるのです、もう、お天道様の下で干からびながらの生活から開放なのです!


「シルクはうちに名を授ける、その代わり代価として、砂かけババアの家賃徴収は手をかすある。あと、娼婦あるな・・・ご主人様にかぎってありえないと言いきれないあたしがいるある。こちらもあんぱんたちに探させるあるよ」


「丁重にお願いしすのです。うちの愛するあにさまをたぶらかした娼婦は捕まえて赤貧の神に伝わる一子相伝の伝統カマキリキリキリの刑にしてやるのです、ふんす!」


「まずは砂かけババアのところにいくある」


「そうです、年増なのです、あにさまから香ったあの誘惑的ホルモンビンビンの年増の匂いは砂かけババアのはずです、とっちめて、家賃をぶんどるのです!」


 二人は固い握手をかわした。


 こうして、今後、永きにわたってあにさまの女の子ホイホイの妨害と女癖テンプレーションを研究することになる強力な同盟の先駆的な協力が結託されたのであった!


いかがでしたか?

次回から戦闘シーンがはいってきます。

今後共、たんぽぽ荘を宜しくお願いします。

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