魔王の趣味と変態的処刑の巻
ついに第二章も終盤にはいりました。
あんぱんに胸ぐらを掴まれた魔物が大きなお口にホールイン・・・なんとも滑稽な光景である、こんにちは、僕です。
白昼夢のような魔王城での戦い、魔王の配下(魔族)VSあんぱん。
さて問題です、どちらが勝つでしょう?
そして、果たして戦いと呼べるものになるのでしょうか、耳をすまして聞いてみよう。
「ぐおぉぉぉぉん」(←両腕両足を失ったグリフォーンの断末魔)
「ぶひぃぃぃぃぃ」(←下半身を食いちぎられたハイゴブリンの断末魔)
「あんぱんぱーん!」(←お食事に満足しているあんぱんの勝利の咆哮)
答えはあんぱん兵団による一方的虐殺でした。
僕は奴隷少女Aと愉快な仲間たち下層部にある欝素が満ちていた一室から救助された。
極丸はもちろん、何故か異世界の騎士と仲間たちまでぞろぞろとついてくる。
聞くところによれば魔王は戦力の大半を率いてライカ王国に進撃した。
鬼の居ぬまの留守中、魔王城の魔物を粗方鎮圧した奴隷少女Aとあんぱん兵団。
おかげさまで僕の身の安全は保証されました。
と言う訳で奴隷少女は僕に「見せたいものがあるある」と言って首根っこを持ってここまで連れてこられました。
ところでこの場所ですが。
奴隷少女曰く、ここは西の灼熱砂漠一帯を支配する魔王の居城。
ちなみに僕と極丸がこちらの世界に到着してすぐに巻き込まれた戦闘。
先ほど砂漠で勃発した戦闘はこの城の魔王配下VSライカ王国軍を主戦力とする連合軍の衝突だった。
結果は連合軍の大敗・・・ライカ国王をはじめ、名だたるものが魔王軍に捕らえられ、無残な最後をとげる予定らしい。
「ご主人様! 見えてきたある。ちなみに顎をひいて下を見たらあたしのお尻が丸見えあるよーっ! ・・・すんません、調子にのりました、あそこに見えるのが欲望と勘違いの権化、ライカ国王の無残な姿ある」
その言葉の先に見える光景に僕はゴクリと生唾をのんだ。
無残すぎるのだ・・・こら、極丸! お腹を抱えて笑っては駄目だぞまがいなりにも王様らしいから。
異世界の騎士と仲間たちはあまりの出来事に茫然としているし。
そこは斬首的処刑場・・・などてはなく大広間だ、コロッセオをそのまま広間にしたような。
無数の三角木馬にロウソクにムチ・・・はたまた怪しげな拘束具やうねうね動く怪しすぎる機械まで・・・ってここは何するところやねん!?
僕の疑問が溢れすぎる表情を察したのか、奴隷少女Aが胸の奥から溢れる熱い何かを上乗せした視線をこちらにぶつけてすっと傍らにやってくる。
「ほら、広場を見るあるね。この城の魔王のお茶目な死刑風恥辱方法ある」
「みんな・・・息があるみたいだね」
「くすくす、まだ最後の仕上げ前、人生最大とっても生き恥ある。あんな変態なうぷぷな姿を録画された水晶(録画媒体)と死体を世界の王族たちのもとに送り届けられたら、もう、各国の威張っている自我が強いヒューマンたちは戦意消失あるよ」
三角木馬には数人の人がピーピーなことに・・・ううっ、お菊さまに何か刺さっているし脱糞して泡吹いてるし、もはや阿鼻叫喚の世界やんかーっ!
これは怖すぎる、まだ、スカトロプレイや昔の奴隷時代にうけていた変態プレイの方が天国に見えてしまう。
「「「ライカ国王さまぁーっ!」」」
僕の後ろで大きな衝撃をうけて、ただただ茫然としていたヒゲもじゃらの異世界の騎士とその仲間たちが血相をかえて一人の変態プレイ被疑者のもとに駆け寄る。
被験者が浮かべる恍惚とした表情・・・もう戻ってこれないかも。
「ご主人様」
奴隷少女Aが僕の肩をポンッと叩くとそのまま甘えるように首に腕を回して抱きついてきた。
ここまでの出来事が唐突すぎてあまり意識していなかったが奴隷少女Aの肉体が少しだけ女性らしくなっている。
その仕草に『あたしはご主人様だけに懐いているのですよ』という主張が物語っていたので僕は片方の手で頭を愛でた。
奴隷少女の無垢な笑顔が保護浴をそそった結果だろう・・・シルク、決して浮気ではないからね。
「だから早く名前をつけてほしいある」
「僕の仕事が終わったらつけてあげる」
「むむむ・・・逆らえないことは奴隷の弱みある。だけど約束あるよ、もし約束を破ったら、銅の剣をお菊さまに刺してご主人様も少しだけ痛い目にあってもらうある」
「そんなことしたら死んじゃうよーっ!」
今更ながらはっきりと理解する。
こいつらみんなサドスティックバイオレンスなマッドサイエンティストなんだ。
「リン殿」
極丸の呼ぶ声に反応して僕は奴隷少女Aがぶら下がったまま振り向いた。
「幼い少女に対して『でへへ、チョコあげるからお尻触らせて』などと言いながらいちゃつくことは全てアラハ様に報告するとして早く仕事を済ますでおじゃる」
「僕がいつ変態チックなことを言った、妄想族がぁぁぁぁーっ!」
「そんなことよりついてくるでおじゃる」
そう言いながら極丸は僕の手を握った瞬間。
僕は無重力を感じた、そう、身体にのしかかるニュートン力学の骨頂、重力を感じなくなる。
その刹那、お天道様の陽光がこれでもカーっと降り注ぐ砂漠の真ん中にぽつりと立っていた。
「あれっ!? いったい何がおきたの!」
「おやおや大声をだして、これは若い坊やが舞い込んできおった、こんな砂漠のど真ん中に何かようかのぉ」
声の方向に振り返った僕は一言・・・。
「あれ・・・もしかして化物ですか」
と・・・。
いかがでしたか?
少しずつですがお気に入りも増えて喜んでいます。
これも皆様のおかげでございます。
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