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こちら陽気なたんぽぽ荘 ~大家と店子の家賃戦争~  作者: かきくけ虎龍
第一部 たんぽぽ荘の家賃徴収人のお仕事編
21/162

魔眼(イビルアイ)と使い捨て勇者の巻

こんばんわ、時間を見つけて執筆しました。


「出し惜しみは死に繋がるでおじゃる。いい加減に力を見せるのでおじゃる・・・リン殿」


 極丸の言葉。

 彼女(男の娘)は僕に何を見たのだ・・・僕は確信犯のような言葉を言い淀んだ。

 仄かに汗ばんだ両手をギュッと握り締め、瞳を瞬きさせてしまう。


「リン殿、麻呂の魔眼(イビルアイ)の前では隠し事はできないでおじゃる」


魔眼(イビルアイ)?」


 えっへん凄いでおじゃろうと得意げに極丸が僕の頬をツンツンつつく。

 そして爆弾をおとしてくれやがったーっ!


「そうでおじゃる、偉大なる土偶神アラハ様より認められしスコーピオンクイーン(麻呂)の普遍毒と万能魔眼は一級品でおじゃる、疑うのであれば・・・リン殿が夢の中でシルク殿相手にチョメチョメ夢精オ○ニーしてチ○コから放出した白いネバネバ液体まみれになったパンツを洗ったあの日をいいあてるでおじゃる」


「うおぉぉぉーっ、すみません! 僕、調子にのっていましたーっ!」


 そんなことまで見通せるのですかーっ!?

 驚愕する僕、そりゃもう驚きのあまり踏ん張りすぎてお尻から腸がでそうになったほどだ。

 ただ、僕より驚いている・・・いや、茫然としている人物がそこにいた。


「な、何故、魔族(イビル)が囚われている・・・のだ?」


 陽の遮られた薄闇の中で異世界から召喚された騎士の声音が畏怖と混乱に侵食されていた。

 まぁ、当然だろう、僕が騎士の立場なら恐怖のあまり失禁どころか脱糞しているかも・・・。


「うむ、リン殿の教育(おちょくる)のためにほっておいてたでおじゃるが・・・もう、パンツが黄色に黄ばみまくっている、ヒゲもじゃらの騎士には用がないでおじゃる」


 極丸は異世界から召喚された騎士に冷淡な瞳を向けるとふいぃと鼻を小さく鳴らした。

 すると呆れ気味に溜息を吐き『所詮、欲望の濁流に呑まれた人間族(ヒューマン)の王族の甘言に酔った召喚者(勇者)の末路は使い捨てでおじゃる』と悲しげに言葉を吐き捨てた。


「俺が・・・使い捨て・・・だって」


「そうでおじゃる、ゲーム脳のお手軽使い捨てタイプでおじゃる」


「俺はライカ王国を救った英雄だぞ・・・数々の村や集落を蹂躙したドラゴンもこの手で屠った、繁殖のために女を奪っていた魔窟のオークたちも殲滅したんだぞ・・・なんで、使い捨てなんだ。あれだけ、やってやったのに・・・」


「貴公程度の力量の替えはいくらでもいるでおじゃる」


「替えだと!?」


「もう用済みの貴公とは話すことはないでおじゃる、しっかりこの部屋に充満する高濃度の欝素に生気を奪われて苦しみながら死ぬがよいでおじゃる」


 モサモサヒゲの騎士は周りを見た。

 そう、モサモサヒゲの騎士とともに囚われた騎士や傭兵、魔法使いたちは各々うずくまり生気も気配も一切感じさせない・・・そう・・・緊張と殺気が渦巻いていた剣呑とした雰囲気はなりを潜め、今は変に諧謔的で虚ろな表情と絶望をまとった牢獄にふさわしい住人と化していた。


「俺たちやここの奴らはどうなるんだ」


「俺たち? このヒゲもじゃら星人! 麻呂とリン殿をその括りに加えることはとっても失礼でおじゃる」


「おまえ達、ここから脱出できる方法を知っているのか!?」


「知っているも知らないも、使い捨てカイロのヒゲもじゃら星人には関係ないでおじゃる」


「つ、使い捨てカイロ・・・だと・・・」


「ところでリン殿」


 極丸が腕を組みながらジーと僕を見つめる。

 なんだか『もうもう早く、力を使うでおじゃる・・・ワクワク』と言った熱のこもった眼差し。


「極丸、僕の力・・・どこまで魔眼(イビルアイ)見えたの」


「教えたくないでおじゃる・・・あの甘ーいお尻の感触を思い出すだけで・・・ふふふ」


「もう僕に何も教えなくていいのでそのことも忘れてくださーい!」


「忘れられない甘美なひととき・・・その恍惚としたときに魔王軍に捕まったでおじゃる」


「極丸さんは魔族ですよね、なんで魔王軍につかまるのですかーっ!?」


「それはさておき、リン殿」


 極丸がそう言って静かに耳をすませる。

 そして口角をクイッとあげて意味ありげに僕へ微笑みかける。


「もう、リン殿の(スキル)の一端に触発されたものたちに影響がででいるでおじゃる・・・ほら、部屋の外がうるさいでおじゃる」  

 

 僕も極丸に促されるように耳をすませた。

 先ほどよりも大勢の足音が聞こえる・・・まるで何かを探し回るように。


「案ずるより産むがやすしでごじゃる・・・おや、そのエロチックな視線、麻呂でよければいつでもリン殿の子、産んであげるでおじゃる」


「それは無理でしょー!」


 僕がきっぱりと否定した瞬間。

 僕では到底、予想できそうもない出来事がすぐそこまで迫っていたのだった。




いかがでしたか?

又、この話は改稿します。

ご意見・ご感想おまちしております。


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