並行異世界編……たんぽぽ荘のマッドサイエンティストさんなのですねーっ!
お久しぶりです!
楽しんでいただけましたら幸せます!
僕は夢を見ていた。
当たり前だと思っていた頃の当たり前ではない夢。
そう、街が人で溢れて、アスファルトで固められた道路には鉄の箱……そう、車とか言う乗り物が臭いガスを吐きながらぶーぶー走っていた頃の夢。
ネオンときめく繁華街ではサラリーマンの酔っ払いが千鳥足でふらふら、たまに貴重な現金収入になる小銭を落としてくれた。
飲食店の裏路地に孤高の輝きを放つ青いポリバケツの蓋を開ければ美味しそうな残飯が無造作に捨てられていた。
ポリバケツの残飯豪華さランキングから言えば中華屋さんがお勧めでした。
「ゴホゴホ……もう、起きる時間」
まどろみの中に聞えた声……そんな古き良き時代は夢の中の出来事だと気がつかせてくれる声。
「ゴホゴホ……もう、早く起きないと身体解剖して臓器を売っちゃいますよ」
僕は慌てて飛び起きると幸薄そうな女の子が片手にメスを持って立っている……なんて恐ろしいモーニングコールだ……ってそのメスはなんですかーっ!?
「ゴホゴホ……さっさと準備して家賃徴収に行きます」
「や、家賃徴収? といかキミは誰?」
「ゴホゴホ……とんでも発言でありんすなぁ。魂が欠けるとそんなことも思い出せないのですね……やはり、私のゴッドハンドぽい素人の手でインドネシア風包茎施術を決行しましょう……麻酔なしで」
「目がマジじゃないですかーっ!? っていったいここは何処? シルクたちは? 皆は?」
僕は簡素な藁敷きベッドから起き上がると目いっぱいの目力を込めてじーっと女の子を見つめる。
蒼いショートヘアの少女……お洒落の欠片も感じられないやや大きめな真っ黒な貫頭衣をずっぽりとかぶり、錆ついたメスを大切そうに右手に持っていた。
「ゴホゴホ……貴方はリン君、そして私の名はパイ。たんぽぽ荘家賃徴収第10部隊に所属している……ここは並行世界と呼ばれる異世界地域のたんぽぽ荘管理人室」
「異、異世界のたんぽぽ荘?」
「ゴホゴホ……そう、貴方の世界は破滅に向かってベクトルまっしぐら」
数秒ばかりフリーズしてしまった……って並行世界って何? 異世界ってローン地獄のマイホームを買わされた世界のことなのか!?
と、とりあえず今の状況を整理しよう……ここは八畳程度の部屋、僕は藁が敷いてあるベッドの上……目の前には怪しすぎる凶器を持った女の子……って状況がさっぱりわからないですよーっ!
「ゴホゴホ……リン君の魂の欠片は向こうの世界に残してきた……だから、少しだけ記憶が曖昧になっている部分もあるはず……例えば」
「例えば?」
「ゴホゴホ……言えない……無防備に眠っている間……ここの部隊長が暇だったので剣山代わりにぴーぴーな部分にきゅうりとナスのコラボレーション生け花の話なんて可愛そうすぎて言えない」
「何ですかーっ! その鬼畜万歳の人権無視されすぎてとっても可愛そう、憐憫すぎて同情していますよオーラ! 目いっぱいの生温かい眼差しは何ですか―っ! 僕の身に何がおきたのか教えてください!」
「ゴポゴホ……もう我儘な子……ヤダ、何でも教えてもらえると思うな、教えて欲しければ対価をください」
「対価?ですか、お金の持ち合わせはないのです……はい」
「ゴホゴホ……ローン地獄のアリ地獄まっしぐらの子からはお金はとらない……そう、例えば」
「例えば?」
「ゴホゴホ……独身生活一筋2000千年の私の恋人になるとか……私のピーピーしもべになるとか……私のピーピー奴隷になるとか……むしろ私のメスの実験体になるとか……むしろ、生きたままメスでぶった切ってピチピチの臓器をよこすとか」
「うぁぁぁぁぁーっ、この人、見た目通りのマッドサイエンティストやん!」
衝撃的なで・あ・い!
そう、これが新しく転異した世界のたんぽぽ荘パートナー『パイ』との衝撃の出逢いでした。
いかがでしたか?
ついにリン君登場、そして新キャラクターパイ!
バイのパイはおっぱいのパイではありませんよーっ!
少しでもクスッと笑っていただけましたら幸せです。
これからもかきくけ虎龍劇場&作品たちをよろしくお願いします。




