機械帝国編……懐かしの神社と狛犬の視線がイヤイヤぽくないですかーっ!?
こんばんわ、楽しんでいただけましたら幸せます。
ここってお客も来そうにないし絶対に儲からないだろーっ! と叫びたくなるシャッター通りの商店街を僕は走っていた。
思えば懐かしい、昔はシルクと一緒に賽銭箱からちょろまかした小銭を握りしめて空腹をしのいだ食パンの耳が30円で売っていたパン屋さんがあった商店街。
今は人の気配どころかゴキブリすら遠慮して迂回しそうなほど閑散として商店街は荒れ果てている。
ここの商店街を走り抜けると国道をまたいで大きな神社の参道があったはず。
参道、その先のキュートな狛犬が一対で守っている階段を駆け上がれば昔、シルクと一緒に寝泊まりした思い出の神社がででーんとそびえ立っているはず。
さて……思考を現実に引き戻す間抜けな声が聞こえてくる。
「しろーい御御足がセクシーカバーっ! 舐め回したいからいい加減に捕まるカバーっ!」
「「「下っ端ウイウイッヒー」」」
「いつまで付いてくるねーん!」
「わしと結婚して挿しつ挿されつの春を迎えるまでカバーっ!」
「「「下っ端ウイウ一ヒー!」」」
「ぜったいに捕まるかーっ!」
もう全力で逃げまくる!
後ろから追いかけてくるカバ怪人と黒子の戦闘員。
どう見ても、仮面○イダーや何とか戦隊何とかジャーに出てくる悪の組織代表やられ役怪人と下っ端戦闘員じゃないですか!
兎に角逃げ切らなければ……こんなに全力で走ったのは、昔バイトで子泣き爺・コナキンと共に怪しいバイトをしたとき以来だ!
いかにもご利益ありそうな参道の中央にある橋をわたってお土産物屋が並ぶ通りを走りきろうとした刹那、一人の少女っぽい娘が倒れているー!
やせ細った女の子、もしや、無人のお土産物屋さんで賞味期限のきれたお饅頭を盗み食いして『お腹痛い痛い病』にかかったのでは!?……って最近、僕が出逢う子って痩せていて貧乏ぽいのは気のせいでしょうか!?
「この先はまずいカバァー! さっさと捕まえるカバァーっ!」
「「「下っ端ウイウイッヒー!」」」
カバ怪人の声がさっきよりも近いぞーっ! 緊急事態! 少女を助けてあげたいけど無理っぽいきがするぅぅぅーっ!
ごめんよーっ、ごめんなのよーっ!
僕は心で少女に土下座をしながら走りきろうとした刹那、少女はとんでもない跳躍をして……ってしっぽが生えて鎌になったぞー!
『そこの奥さん! どうだい、この切れ味抜群の鎌で今夜のお刺身もザックザク! ついでに浮気の亭主もザックザクだよ!』とデパートのバナナの叩き売りならぬ、鎌の叩き売りをしていた頃の名文句が浮かんでくるほどの切れ味にカバ怪人と下っ端戦闘員は断末魔を上げる暇もなく切り刻まれた。
「ぱひゅー……もうダメです……死ぬ前に餡ころ餅、お腹いっぱい食べたかった」
「大丈夫、安心して! 生きていてもお腹いっぱいの餡ころ餅なんて食べられないから!」
餡ころ餅なんて美味しそうな言葉をこぼしながら少女の鎌尻尾が終焉蜃気楼のように消える。
力尽きたのだろうか? フラフラと僕の胸元めがけて倒れ込んでくる。
ぴったりとひっつく……うう、臭いです、悪臭です、何ヶ月お風呂に入ってないのですかーっ!? と言いたくなる気持ちを抑える。
うーむ、女の子特有の柔らかな感触は伝わってくるのですが無い乳星人クラスのまな板っぷりの少女……ああっ、シルクを思い出してしまう。
現状、エロカバ怪人から助けてもらったわけだし、この栄養失調系少女粘っこい腐敗臭漂う参道に置いてきぼりにして逃げる訳にも行かず、僕は声をかけながらお姫様抱っこをする。
「まだあるかな……僕とシルクで一生懸命生き抜いた思い出の場所……神社の軒の下につくった住処」
歩き出した僕。
あれれ? うーむ、何だか神社正面の階段の両側についしている狛犬たちから迷惑がられている視線を感じる気がするーっ!
いかがでしたか?
リン君がたどり着いた世界は一体!? そして、この少女の正体は!?
次回、懐かしの神様と狛犬登場で明らかになる予定です。
読んでいただきましてありがとうございました。
沢山の感想やレビュー、感謝の気持ちでいっぱいです!




