シルクの世界……そして、もう一つの真実
こんばんわ、楽しんでいただけましたら嬉しいです。
脳みそがお粥状態になって思考回路がストップしている今日この頃……こんにちわ、僕です。
あれ? 亡者で溢れかえる修羅の世界にいたはずなのに。
思わず喉が詰まるほどの血生臭い匂いも、不遜な強さを持ち、突き刺すような殺気もない……そう、何かが脳内に響く。
「案ずるな!その欠けらに魅入られた者……そう、保有者は信仰を全うした証だ」
聞き覚えのある言葉。
思わず破顔する……ここは、このノイズのような言葉が壊れたレコーダーのようにエンドレスに頭の中で流れ続けている世界は……。
もちろん僕が置かれている状況は充分に弁えても……心の底から震える、怯えではなく何か表現できない感情が暴走してしまう。
あの時と同じ、朝焼けのような柔らかな光りがこの身を包む。
僕が目覚めた瞬間飛び込んできた白銀の天井。
体のあちらこちらに透明の管が差し込まれ、頭には趣味の悪いヘルメットぽいものがかぶせられていた。
「……にいさま? また、目覚めたのですか……むむむっ、娘にパパと同じぐらいおっぱいがないねと言われて、とっても寂しくてあにさまの乳首にオリーブオイルを塗って遊んでいた刺激でおきてしまわれたのですかーっ!?」
少しだけイラッとしたけど間違いない! 聞き覚えのあるシルクの声だ。
シルクを見ようとするがやっぱり前回同様に身体が動かないぞーっ!
何だか凄まじく筋力が低下している気がするぅぅぅーっ♪
「にいさま……目覚めるには早すぎるのです! こんちくしょーっ、どうして起きやがったのですか!……産気づいたときも起きやがらなかったのに!」
「シ、シ……ルク」
うおぉぉぉーっ、うまく口が動かない。
「あにさま……安心しやがれです! 機械帝国の進行は食い止めてやったのです……絶対に、ぜっっっったいにあにさまと娘は渡さないのです、ふんす!」
娘? ……娘って、もしかして僕ですかーっ!?
今の気持ちを伝えたい……のに、言葉がうまくでない。
「愛しているのです……凄く、もの凄く愛しているのです。うちの身も心も全てあにさまのものなのです……なので、絶対に運命を変えてほしいのです」
「シ……ルク」
「うちはいつも近くにいるのです……どんな時も、悩める時も苦しい時も……死ぬときはいっしょなのです……うちはあにさまだけなのです……あの神妖機大戦で死んでいった奴隷少女Aや福の神のミヒロの想いとともにうちはあにさまのそばに居続けているのです」
ベッドの上でぐったりとした手足……指先も動かせない。
シルクはそんな僕の身体を支えながら喜怒哀楽のどれでもない感情を隠すように、そう、感情を決めかねているような、とても印象的な素顔。
内包している気持ちが漏れることを無理やり隠すシルク……そんな苦しんでいるシルクに僕はあたたかい言葉の一つもかけることができないなんて。
「もう一度……あちらの世界に行ってらっしゃいなのです……たんぽぽ荘の本質を知ってくるのです……あの失敗を繰り返さないために」
あの時と一緒だ……居心地の悪い意識を沈み込ませる闇が色濃くなり、数秒前まで近くにいたシルクの存在が薄く消えて、徐々に思考と感情がとだえていく。
いかがでしたか?
シルクと娘……いったいどういうことなのか!?
そして、たんぽぽ荘とは!?
少しずつ解き明かされていく謎、皆様に受け入れてもらえましたら幸せます(☆∀☆)
今後ともかきくけ虎龍作品をよろしくお願いします。




