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第2話



帝都にある公爵邸から王宮までは、馬車で20分ほどかかった。多くの貴族令嬢たちと同じく、クラウディアは箱入り娘であり、また、父の仕事の都合上、ほとんど帝都を離れないため、外の世界を知らなかった。よって、彼女にとっては、見るものすべてが珍しく、王宮につくまで、ずっと馬車の窓にへばりついていたというのは、無理もなかった。



****



「さあ、ディア、着いたよ。」


アルファルドに手をとられ、馬車から降りたクラウディアは、目の前に広がった光景に、目を見開いた。

目の前には、他の家からしてみればかなり大きな公爵邸よりも、さらに大きな宮殿がそびえ立っていた。


「わぁ、見て見てアルフ兄様!大きなお城!」


「そうだね。これからディアは、毎日ここに通ってくるんだよ。」


「えぇっ!じゃあ、わたし、毎日このお城、見れるの!?」


「ああ」


「ほんと!? うれしい!」



クラウディアは、初めて見る大きな宮殿に興奮し、頬を紅潮させていた。その様子は、通りかかった騎士や文官、皇宮勤めの侍女や侍従たちの誰もが、振り返って見るほどに愛らしかった。



****



アルファルドに手を引かれ、着いた先は、広い応接室のような場所だった。そこには、すでに10人ほどのクラウディアと同い年か、それより少し上くらいの子たちが集まっていた。



「じゃあね、ディア。僕は、これから仕事があるから、ここでお別れだよ。帰りは、侍女のサリーを呼んでおくから、一緒に帰ってきなさい。」


「はい。アルフ兄様もお仕事、がんばってね。」


笑顔でアルファルドに手を振って別れた後、集まっている子どもたちのほうへ振り返ったクラウディアの瞳は、初めての友だちへの期待でキラキラと輝いていた。



****



クラウディアが到着してからしばらくすると、侍従に伴われた第2皇子アルタイル殿下が入ってきた。さらさらのプラチナブロンドの髪にエメラルドの瞳の、物語からそのまま抜け出してきたような王子様だった・・・・外見だけは。


アルタイル殿下は部屋にいる子どもたちをぐるりと見渡して、不機嫌な顔で一言、


「アルタイルだ。」


と呟くと、目の前のソファにどさりと腰を下ろし、さもつまらなさそうにため息を吐いた。クラウディアたちは、一瞬、どうすればいいのかわからずにかたまっていたが、次の瞬間、わらわらと殿下のそばに寄っていき、最初の呟き以外、何も言葉を発しない殿下の前で、好き勝手に自己紹介を始めた。



****



~side:アルタイル~



(あぁ、面倒くさい・・・。早く終わらないかな・・・。)


アルタイルは、話しかけてくる子たちの話を聞いているふりをしながら、こんなことを考えていた。



侍従に連れてこられた部屋には、同じくらいの年の子が10人程いた。何が思惑かはわかっている。皇家との繋がり欲しさに送り込まれてきた子たちばかりだろう。


(まったく、第2皇子の僕に取り入ったって、何の得にもならないだろうに・・・。)


達観というよりも、むしろ諦観しているアルタイルは、そこまで考えて、ふと現実に呼び戻されて、目の前でちょうど自己紹介をしている女の子に焦点を合わせた。その瞬間、彼は、幻でも見ているのかと、自分の目を疑った。



緩やかなウェーブのかかった美しい金髪の美少女が、愛くるしい笑顔で一生懸命に自分に話しかけていた。見る者すべてを惹きつけるようなその存在は、さながら天使のようで、アルタイルは、先ほどとは別の意味で、声を出せずに彼女を見つめていた。




~side:アルタイル 終了~




前ふり、長くてすみませんm(__)m

メイド様までたどり着いてないです(泣)

が、必ずたどり着きますので、どうか寛大なお心で、お付き合い願います(>人<;)

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