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いざ、宇宙(そら)へ

バッテリーを載せ替えてトラックのレストアも完了した

あとは決行日に集まり出発するだけだ


ってあれれれれ?

トラックってこんな機能ついていたっけ?


8月15日AM0:38

僕らの作戦は実行に移された


ここは田舎の小さな村

村民の殆どが農家なので夜寝静まるのも極めて早い

僕の家族も22時には全員が床に付いている


外の様子はというと

街頭なんかはなく、夜中は月明かりを便りに歩くほど暗い

隣家まで歩いて10分はかかるほどで、周囲は田んぼが広がっている

現代に取り残された原風景残る村だ


ガレージに集まった僕らは高鳴る胸を押さえることが出来なかった

いつもは冷静なあの拓ですら、目を輝かせ、今か今かと僕を急かした


じゃんけんで決めた最初のドライバーは僕

母親に気づかれぬよう僕が運転席に乗り

残りの三人で、家からある程度離れた、原っぱまで車を押した


目的の場所に到着すると三人は急いで車に乗り込み

僕にエンジンスタートを急かした

風に揺れる草達を、月明かりが優しく照らしていた


ヒロ『・・ゴクッ』

僕は唾を一つ飲み込み、そおっとキーに手をかけた


キュルルルルル

キュルルルルルル

キュ・・ブロロロロロロン


歓声が上がった


車は軽油車独特の匂いを放ち

大きな揺れは僕らの高まった鼓動に拍車をかけた


浩太『やったーーー!!』

浩太『俺らすげえ事やったなぁ!!』


浩太が興奮して、おしりで跳ねた

裕二は後部座席から運転席の座席に手をかけ僕を急かした


裕二『ね、ねぇ~ねぇ~、は、早く走らせようよ!!』

 

皆は目を見合わせ、大きく頷いた 

僕はゆっくりクラッチを離しながら、アクセルを少しづつ、少しづつ開いていった


ブルロロロロッロッロ

車は大きく二回、前後に揺れゆっくり、ゆっくり走りだした

 

再度湧き上がる歓声に、僕は気を取られないように、ギアをセカンドに入れ

徐々にスピードを上げた

 

とその時だった

エンジンの回転も3000回転あり、そろそろサードギアに入れようかとクラッチをふもうとした瞬間

よもや、するはずのない場面でエンストを起こしてしまったのだった


浩太『ヒロ~!お前、ヘッタクソだなぁ』

うれしそうに浩太が言う


僕は不思議に思いながらも。照れ笑いをし再度エンジンを掛けようとした

伸ばす手がキーに触れた、瞬間だった 


キーーーーン


不意に脳裏に見たこともない風景が浮かんだ


ヒロ『う・・・ちゅう?』

 

 

裕二『・・ロ・・・ヒロ!!』


僕は裕二の呼びかけにハッとした


裕二『どうしたんだよヒロ、突然ぼーっとしちゃってさ』

怪訝そうな顔で裕二が僕を見つめる


浩太『な、なぁヒロもうイイなら、次俺な?・・なっ?』

浩太は運転したくてうずうずしていた


僕は一呼吸置いて、浩太をなだめた

ヒロ『いあ、エンストしちゃったし、もう少しだけ運転させてくれよ』

 

そう言うと僕はエンジンをかけようと身を乗り出した

その瞬間・・・ポロッ

 

 

全員『あーーーーーーーーー!!』


なんとハンドルがとれてしまったのだった


裕二『うわああああああ』

裕二『ハハ、ハ、ハンドルって、、、とれるの???』


僕は慌ててハンドルを差し込んだ

 

その時


キーン


今度は確実だ!

確実に見える!

 

ここは宇宙、パッと辺境の世界にスクリーンが移り変わる

宇宙船の大艦隊に、可愛い女の子も見えた

 

僕は何故か全てを理解しているかのように

ハンドル右のコンソールパネルに手を触れた

 

全員が目を疑った 

 

触れたコンソールはくるりと回転し小さなモニターが現れたのだった

 

ピ・・ガガガ・・

 

モニター『速度を安定させ、離陸スイッチを』

モニター『自動運転システムに切り替え・・るには・・ガガガ』


 

全員『なんだこれえええええええ!!!!』


驚いた

古びたトラックの内装には、とても似つかわしくないモニター

驚く三人を後目に、何故か全てを理解できた僕は

ハンドルをぐっと奥に押し込んだ

 

全員が息をのんだ


今まで古びた内装だった車内は一転

未来の乗り物のようにその姿を変えた

 

軽油車独特のエンジン音も止み

車体は少し浮いているかのように感じた

 

裕二『こ、これどうなっちゃうの??』

ヒロ『・・・わからない・・だけど何故だろう・・・わかるんだ・・・動かし方』


僕はそう言うと押しこんだハンドルを引き上げ、アクセルを吹かした


ヒュイイイイイイイイン

 

風が吸い込まれるような音に包まれ

車体は一気に正面の山に向かって飛び出した

 

浩太『う、うわぁぁぁぁ!ぶ、ぶぶぶぶつかる~~!!』


騒ぐ浩太を気にせずに僕はサイドブレーキ下のパネルを開き

点火スイッチであろう物をオンにした

この間は1秒もかかっていなかっと思う

 

周囲は光と化し、一気に宇宙に舞い上がった

 

モニター『不可視フィールドを展開し、可視化スクリーンをオンにします』

 

モニターがそう言うと、フロントガラスから見える世界は一変した

 

 

地球の上空におびただしい数の宇宙船

更に戦闘を繰り広げているように見えた

 

一機の黒い機体を横切るとすぐさま黄色と白の機体がそれを撃墜した


モニター『大気圏を突破します、寒くはないですか?』

モニターがそう言うと、軽い衝撃の後、機体は宇宙に飛び出していった

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