6.ゴブリン戦
うん。
いくらなんでも5分で超大量のゴブリンと戦う準備をするのは無茶だろ。
おのれ外道神。
とりあえずスキルの鑑定は終わったから、スキルの練習をできるだけ早く終わらせなければ。
今持ってるスキルの中で一番戦闘向きなのは… やっぱ腐食か。
よし。まずは腐食スキルを練習しよう。
とりあえず「刀にスキルを付与する」というのをやってみるか。
まずは触毒丸を持って…
腐食スキル発動!
すると、刀身に明らかにやばいオーラが出始めた。
お。ちゃんと発動した。
というか明らかにやばい色してるじゃん。このオーラ。
禍々しすぎるだろコレ。
ま、まあいいか。というか早く他のスキルも検証しないと。
他に戦闘に使えそうなのは… やっぱ剣技スキルだよな。
よし、触毒丸を振るってみよう。
触毒丸を構えようとして視線を上げると、なんか色んな意味でやばいことになっていた。
「やばい。結界に結構ヒビが入ってるぞ!」
なんかもう崩れそうなほどにヒビ入ってるんだけど。
これ、ホントにやばくないか?
「バリイイィィンッッッッッ‼︎‼︎」
あ。
割れた。
結界が割れた。
うん。
前を見てみる。
「グギャアアァァァ」
「ギュイイイイイイ」
「ギョワァァァ」
……大量のゴブリンが向かってきているね。
うん。
なんか全員こっち見てるような気がするけど、気のせいだ。
気のせいだ。うん。絶対に気のせいだ。
囲まれた気もするけど、気のせいだ。
うん。
「あんの外道神があああああぁぁ!!」
俺の叫びが合図となったのかゴブリンが一斉に向かってくる。
もう知らん!
こうなったら死ぬ気で殺ってやる!!!
まず5体のゴブリンが斧を持って飛びかかってきた。
それを触毒丸で切り捨てる。
次に石の剣を持った10体くらいのゴブリンが俺を囲んできたが、それも回転しながら切る。
すると今度は槍を持ったゴブリンが3体ほど普通に走って攻撃してくる。しかしそれも攻撃される前に近づき触毒丸で3体とも突く。
俺は剣技スキルを甘く見ていたようだ。
ゴブリンの攻撃にほぼ動かずに対処できている。
しかも動きが鈍る鎧の状態で、だ。
今のままでもこんなに強いスキルのレベルを上げたら一体どんなものになるのやら。
しかし、数が多い。
このままだとこちらの体力が切れてしまう。
そんなことになれば大変だ。
いくら剣技が強くても動けなければ意味がないからな。
大量殲滅が出来れば良いんだが。
待てよ、俺にはエグいほどの魔力と金属魔術があるじゃないか。
だからこうすれば…
よし、この作戦で行こう。
しかし、今のままゴブリンに囲まれていれば集中ができない。
突っ切って一旦引き離すしかないか。
そうと決まればやるしかない。
「おりゃあああぁぁ!!!」
走る。 ただひたすら走る。
剣を持ったゴブリンが走ってくるが、ジャンプして避ける。
このように途中で攻撃を仕掛けてくるゴブリン共は蹴散らすか避けるかで凌ぐ。
もう少しでこのゴブリンの大群から離れることが出来る。
それまで耐えてくれよ。俺の足。
「ギャアアアアオァァァァァ」
ゴブリンの大群の一番外側のゴブリンを一刀両断する。
あとはあの丘を目指すだけだ。
走る。走る。走る!
ゴブリン共が追ってきているのがひしひしと感じられる。
ゴブリン共は俺にすぐに追いついて数の暴力で殺せると思っているだろう。
だが。
坂を登りきった俺には勝てまい。
なんせ上空に腐食スキルを付与した
巨大な剣山を生み出したからな。
さすがにあのゴブリン共も「グギャッ?」とか言ってやがる。
まあもう君たちの死は確定しているからね。
お前はもう死んでいるってやつだ。
違うか。
「ギュアアアアアアアアアアアアアアオオオオオオアアアァァァァァァ!!!」
そうこうしているうちに巨大剣山がゴブリンをサンドし、えげつない叫び声とすごい量の血しぶきが広がった。
グロっ。
うん。グロっ。
いくらなんでもグロい。
まあこの惨事を起こしたの俺なんだけど。
どうしようこれ。
「いや〜よく思いついたねあんなやり方」
うわっ。外道神だ。
まあこの大惨事どうしようかと思ってたから丁度いいっちゃ丁度いいか。
「だからその呼び方やめろっつーの」
ハイハイ。
「聞く耳ゼロだ。うわ。」
まあいいじゃないですか。
というかこれなんとかしてくれますよね?
あなたが起こしたことなんだから。
「もちろん私が片付けるけど、僕くんそれでいい?」
もちろん。こんな死体たちの処理やりたくないし。
「じゃあドロップ品も全部消して良いってことで。」
あ。
ドロップ品になんのこれ。
やらかした!
ドロップ品あるか聞いときゃよかった!
あの外道神に嵌められるなんて!
屈辱だ!