21.白くんの説明回③
「まず初めに、その“食事制限”ってスキルについて教えてもらおうか」
ふっ。立場逆転だぜ。
まあ仕方ないか。とりあえず、これまでのことを洗いざらい話そう。
「じゃあまずは、俺が異世界から転生してこの世界に来たってことから話すわ」
「異世界転生⁉ お前、転生者なのか⁉」
「え? 転生についてなんか知ってんの?」
「この世界では“勇者”って言って崇められてるやつだよ」
「勇者⁉」
マジ!?
転生したら普通は勇者になれんの!?
外道神、案外まともなことしてんじゃん。
……いや、俺は何なんだよ。
「まあ、知られてないだけで転生者はあちこちにいるからな」
「あ、そうなんだ」
「知られてない理由もちゃんとあるぞ。あんた異世界の人間だから、この世界のことは一から説明していく」
「お〜、じゃあよろしくお願いします」
「よし。じゃあまずはルイド教国の説明からだ」
「このルイド教国ってのは、文字通り“ルイド教”を国教にしてる国で、今いるこのアイオス大森林もその領地の一部だ」
アイオス大森林。
なるほど、ここはそういう場所だったのか。
「でな、この国には一応“王”がいるんだが、実権は完全にルイド協会の“教皇”が握ってる」
よくあるやつね。
「でもその教皇と幹部が腐っててな。あちこちに喧嘩を売るわ、国民には重税を課すわ、その金で贅沢三昧だわ……」
「うわぁ」
「しかも『神はこうおっしゃっている』の一言で国民は逆らえない。信仰心が強すぎるのも考えものだよな」
確かに。
いや、普通に滅びるんじゃない? そんな国。
「で、その国と転生者がどう関わってるかというと――」
どうせろくでもない話だろうな。
「異世界人を転生させてるのは“ルイド教国”なんだ」
「え? マジ? 外道神じゃないの?」
「それで転生者を“勇者”として戦争に借り出してる。転生者はなぜかステータスが通常の10〜15倍あるし、強力なユニークスキルも持ってるからな」
なるほど。
戦争のための転生か。
「あと、たまにステータスが普通のやつも出てくるが、そいつらは大体性奴隷にされる。なぜか転生者は全員見た目が良いからな」
「へ〜……大変だな」
森に転生して良かった。
外道神に感謝……いや、やっぱ感謝はしない。
「で、そういう“普通のやつ”や勇者の中には、教国を脱出して他国に逃げるやつもいる。そいつらが“知られていない転生者”だ」
「大体は名前を偽って商人や冒険者になって成功してる。前線に出てた勇者は敵国に捕まって尋問されることもあるけどな」
へえ。
ってことは、元の世界の人と会える可能性もあるってことか。
一刻も早くこの国を出ねば。
「でもな〜、あんたはどれにも当てはまらないんだよな〜」
「まあ、そうだな」
「気づいてないだろうが、あんたの顔も他の転生者と違うんだぞ?」
「え?」
まじ?
確認せねば。
ストックしてた鉄をドーン。
「うわっ⁉」
鉄が鏡に変形する。
「ウニョ」
「ひっ」
風白がビビってるけど、まあいい。
鏡を覗いて――
「……ゑ⁉」
「なんかけっこうイケメンになってる〜⁉」




