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イルと気づき
窓から見える景色はワクワクする
天を突き抜ける高い工場
空を飛ぶ蒸気列車
ミケラ孤児院
食事の時間が終わり自由時間が始まっていた
イルを含め四人の少女がイルの部屋にいた
四人は自分達を発見隊と自称している
「次は何発見する?」
「街灯とかいいかもね」大人びている少女プウだ
「いいね!」活発で常に元気をばら撒いているソラだ
「じゃあ行こー」おとなし目のレアだ
四人は孤児院の崖のように高い門のドアノブを回し外へと踏み出した
街は人々の足音、人々の話し声、蒸気車の音
その中で街灯を観察する
錆びついた古臭い街灯を三人はじっくりと見て次へと行こうとしていた、街灯とそれに遮られて崩れる建物、いつもは見ない暗い街灯、それが自分にとっては世界が広がった
気づきが世界に溢れてくる
イルは思わず足を止めたが、置いてかれそうになって慌てて走った