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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

忘れなほらー

チェーン荘Ⅱ ~とある神父の一日~

作者: 忘れな草

 とある路地にて

「あなたは神を信じますか?」

 どす黒い色の染まった神父服を着こなし、チェーンソーを持ったおっさんが女性にに問いかけたのです。

「キャアーーーー!」

 声をかけられた女性は悲鳴をあげて逃げ出そうとしたのですが足を切られ

「ほう、神ではなくチェーンソーを信じるのですかそれは素晴らしい」

 男が感嘆すると再びエンジン音が響いたのです。

「いい音だと思わないか?」

 エンジン音が響くと同時に血飛沫と絶叫が響き渡った。

「いい感触だ、そしてこの飛び散る色が最高だと思わないか?」

 さらにけたたましいエンジン音が響きしばらくすると悲鳴と絶叫が止まったのでした。

 

 倒れ伏す女性を一瞥し、男は聖書を開いた。

 しかし、その聖書は赤黒く染まり文字はほとんど識別できない状態だった。

「アーメン、罪深きものに安らぎを」

 男は路地を立ち去っあと路地に再び悲鳴が響き、パトカーが殺到したのでした。


 その日昼、街の小さな教会にて女性と神父が懺悔を行っていた。

「神父様、聞いてください」

 神父は参拝者の懺悔を行っていた。

 その女性が犯した罪は小さなものだった。

 仕事が差し迫っていて、同僚の発注ミスで商品の仕入れが遅れ、会社にクレームが入り上司に怒られてしまったのです。

「それはあなたに非があることなのですか?その上司の方と同僚を交えてしっかり話し合った方がいいのではないでしょうか?」

 神父が女性に問うと

「その上司と同僚が不倫していてかばっているのです」

 神父はその女性の愚痴をしばらく聞き、女性は帰って行ったのです。



 神父はしばらく考え

「有罪ですねその同僚の女性とその上司は……、さてどうしてさしあげましょうか……」 



——次の日

 ボロアパートにて数人の男女が集まっていた。

 神父、料理人、看護師(女性)、研究者、会社員らしいものがいた。

 その中から会社員らしい男が司会をしていて、男が合図をすると

 一斉にチェーンソーを吹かしけたたましいエンジン音の合奏が始まったのだ。


——5分後

「それでは定例会を始める」

 集まったメンバーは誰を斬ったかを発表しあったのです。

「神父さん?どうしたの?」

「罪深き者がいるようです」

 神父は懺悔をした女性とその会社の女性と上司の話をしたのです。


「へええ、それで神父さんは不倫をしていた女性を昨晩始末したのね、それでメインディッシュの上司さんをどうするつもりなの?」

 集まったメンバーの中の看護師風の女性が聞き返したのです。

「手術台を借りたいんですよ、彼にはじっくりと罪の告白をしてほしいので……」

 しばらく話あって集会は終わったのでした。



 葬儀場にて一人の女性の葬儀が行われていた。

 その中には前日懺悔をした女性や、その上司らしき男性神父の男も出席していた。

 殺された女性から近い人間関係の人たちは、殺人事件だったので事情聴取を受けていた。

 そう、通夜に出席した人のほとんどが事情聴取後に通夜だったので疲れ果てていたのでした。


 ほとんど反省した様子のない上司らしき男は、近くの中華料理店に足を運んでいたのです。

 その料理の中に睡眠薬が含まれていることを知らずにそれが本当の最後の晩餐だということも知らずに……。



 上司の男が目を覚ますと見知らぬ部屋の手術台に手足を縛られ拘束されていたのです。

 そして血塗れの神父服を着たチェーンソーを持った男が語りかけてきたのです。

「あなたは神を信じますか?」


ここはチェーン荘。

狂気にが支配する電気ノコギリを愛するものが集うアパート。

今日もけたたましいエンジン音と悲鳴が響いていたのです


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