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戦場のメンズウォーとヴァルキュリア

作者: 初心者

二郎系始めました。

ここは戦場。


言うまでもなく、生き死にが掛かっている漢達の闘いで。


汁を汁で洗う戦いの場だ。



そう、ここはラーメン屋。


しかもただのラーメン屋ではない。


もちろん二郎系だ。


全増し以外を頼むような弱者は必要とされない、冷酷な所だ。


そう、だからこそ自分に誇りを持って戦っている。



???「全増しで」ニヤ


決まった…。


店の端っこでドヤ顔でメニューを頼む奴がいた。


その名もぜん 増男ましお


彼もまた、この戦場の中で、自分の存在意義を見出していた。



その時だった。


カップル男「俺ニンニク少なめで〜」

カップル女「私ニンニクなしで、麺少なめで〜」


増男「?!」


意味がわからなかった。


どうしてコイツらは存在する?


沸々と湧き上がる感情に増男は耐え切れなかった。


ギロリ


カップルに増男の険しい顔が襲う。


カップル「…ヒィ!キモ!!他の所行こうぜ。そうしよそうしよ」



勝った…。


満面の笑みで目を閉じて勝利に浸る増男がいた。


店長「…(営業妨害だなコイツ)」




その瞬間だった。


???「全マシマシ、麺2倍」




!?



数瞬、時が止まった気がした。


増男「なっ!?」


ようやく思考が回り始め、目を開けて顔を回すと。


そこにはクールビューティーという名にふさわしい女性がいた。


開いた口が塞がらなかった。


増男は、自分が全増し麺多めまでしか頼んだことはなく、未知数の領域にいる彼女が信じられなかった。



増男「事実は小説より奇なり…か…」ニヤ


増男「へへ、いいぜ。行けるとこまで行こう」ボソ


増男「店長!俺にも同じので!!」ドン



ニヤニヤが止まらなかった。


今までの増男にとっては初めての体験であったし、何より漢達の生き死にの戦い(メンズウォー)に美少女が道場破りをしてくるとは思ってもみなかったからだ。


この戦いを通じて、自分はまだ次のステージに行ける…!


そう増男は確信していた。



その場には、側からみれば、美少女とニヤニヤしたキモオタが対峙するという、まことしやかな状況になっていた。


そして10数分後。


店長「あいよ、嬢ちゃん。全マシマシ2倍麺!」



増男「…(あれ、俺先に頼まなかったっけ)」




店長「あいよ、青年。全増し麺多めと、全マシマシ2倍麺!」


増男「?!」


増男「店長、俺…二つ頼んでないけど」


店長「頼んでたじゃねぇか。いつものと、嬢ちゃんと同じの。頑張って食えよ!」



増男「」





後の惨状は言うまでもない。


店で吐き散らした増男は以降、その店を出禁となった。


その後の増男は、二郎系のカップル入店に優しくなったとさ。



おしまい。

撒き散らしたラーメンはスタッフが美味しく頂きました。

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