第二話 勇者、王都へ
ストックがないので、でき次第投稿します。
旅立ち、その目的は前回『魔王を倒す』ための旅だった。
今回も同じく『魔王を倒す』ための旅。
だが、魔王が持っていた魔剣がこの手にある今、前回とは違う未来を辿る可能性もある。
途中まではなるべく同じく行動をすることにしよう。
「まずは王都に行って魔王の情報を集めましょ? リレスが勇者ってことを言えば貴族や王様も手を貸してくれるかもしれないわ!」
「ああ」
馬車に揺られながら十数分後、王都に着いた。
費用は前の世界のものもあるので問題はない。
するとレイナがふと何かを閃いたようだ。
「あっ、いいこと思いついた! リレスは今『ザ・勇者』みたいな格好してるから貴族街と王城に入れるかもしれないわ! リレスが貴族街と王城で、私が一般街で聞き込みをしましょ!」
「わかった」
前回と違う。
前回は一緒に一般街で聞き込みをした後に貴族街へ向かった。
原因はこの装備のせいだろう。
だが、たしかこの頃のレイナはレベル5くらいだったはずで、たしか『冒険ギルド』と言う場所で魔物を倒して生計を立てている者の王都平均がレベル3程度だったはずなので問題はない。
聞き込みの効率もよいだろうからレイナの言う通り貴族街へと向かってみる。
「止まれ、何者だ」
男の門番に止められる。
「これを」
そこで前の世界で貰った王印の通行証を取り出す。
「こ、これは!? 『この者を勇者と認め、一行の貴族街と王城の入場を無制限に許可する』!? しかも王印まで!? 大変失礼しましたっ! どうぞお通りください」
この通行証は前回のこの時点ではまだ持っていなかったが問題はないだろう。
そのまま貴族街で前回と同じ順に聞き込みをする。
だが前回と比べ、態度が違い上から目線の者が多かった。
前回はレイナも一緒にいたから態度がまだ良かったと言うことだろう。
既にお昼の時間になり、次は王城での聞き込みをしようとしたその時だった。
「だ、誰か助けて!」
そんな声が遠くから……位置はスラム街辺りから聞こえた。
今の声は間違いなくレイナの声。
レイナに何かあったのだろう。
「ライジング」
雷魔法の身体強化でイカズチの如きスピードでスラム街まで迷わず移動する。
するとボロボロになったレイナが屈強そうな大男に今にも殺されそうになっていた。
「これで終わりだ。バーニングナックル!」
こんなところでレイナを殺されるわけにはいかない。
「サンダイン」
一撃で沈めるために最上級雷魔法『サンダイン』で大男に大きな雷を落とす。
「ぐああああ!?」
途中でレベル差に気づき、加減したので殺してはいないがここで3日程は気絶したままだろう。
「リレス!? どうしてここに……」
「助けに来た」
「そう……まぁいいわ。どうせリレスは詳しいことまでは喋らないのでしょ? 助けてくれてありがと」
「ああ」
「あの大男はここらでは珍しいレベル10よ。そんな奴を倒すなんて、格好だけじゃないみたいね」
前の世界のことは伏せておきたい。
レイナたちが自分が一度死んだと知って正気でいられるとは限らない。
前回、レイナがスラム街で大男に襲われるなんてことはなかった。
もしかしたら過去に遡ったことで何かが変わっているのかもしれない。
「一緒に行こう」
一緒にいれば再び大男のような者に襲われても問題はないだろう。
「いつのまにか強くなってたみたいだしリレスがいれば心強いわ。ところでリレスはどこまで聞き込み終わったの? 私は一般街は全て聞き終わったわよ!」
「貴族街全て」
「……ってことは後は王城ね! リレスがいればきっと大丈夫よね。さあ行きましょう!」
レイナを連れて再び王城のある貴族街へと向かうことにした。
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