表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

プロローグ

 風呂場で都市伝説のメリーさん×魔法少女って面白くね?と思い、ノリと勢いでパッと書いてしまった次第です。小説を投稿するのは初めです。また、小説をあまり書いたことがないので、拙い文書でお目を汚してしまうかもしれませんが、

読んで頂けると幸いです。

 私は夢を見ている。

 小学4年まで住んでいたお家のリビング。母の身長を追い越したはずなのに、母が膝おらなければ目線を合わせられないほど縮んだ私。

 「蘭子、お父さんの仕事の都合でお引越しをする事になったの。」

 「お引越し?」

 突然母にそう言われた。

 母が真剣な顔で言ってるから大事なことなのだろうと、ぼんやり思った。

 「そう。だから、お友達とバイバイしなきゃいけないの。」

 その言葉をきいて、蘭子は完全に理解した。仲のいい友達の架音ちゃんと唯ちゃんとは遊べなくなってしまうほどに遠い場所に引越すことに。その事に気付いた蘭子は、腕に抱えているフリフリなドレスに包まれたビスクドールの"メリー"をぎゅっと抱き締めた。


 視点が切り替わった。いつの間にか新しい"今"の家の前に、蘭子とその家族は立っていた。3階建てのプロヴァンス風の可愛らしい家。母に腕を引かれ家の中へと入っていく。家の中は、新築の特有の木の匂いがした。自分の部屋で荷解きをしていると、メリーの事を思い出した。髪をとかして、綺麗なお洋服を着せてあげないと。メリーを目指して、さして多くないダンボール箱を、開けていく。

 ない。メリーがいない。どのダンボール箱にもいない。

 母と父に手伝ってもらい、一緒に探してもらったがメリーを見つけることはできなかった。蘭子は思い出した。前の家で引越し作業をしていた時に、使わなくなったオモチャや着れなくなった洋服を捨てたことに。だとすると、間違えてメリーを捨ててしまったのではないのでろうか。蘭子は、泣いた。大切にしていたメリーを捨ててしまったから。

 「また新しいの買ってあげるから。ね?」

 母にそう慰められても、自分が大切にしていた、あのメリーとの時間は返ってこない。


 気づいたら夜だった。リビングにあるテーブルの上には、「チンして温めて食べて」と母からの小さな手紙と、ラップに包まれたオムライスが置いてあった。自分の両親は共働きで家を空けているのだと、頭の片隅で思った。そんな日の夜、家に電話がかかってきた。母のは仕事が終わった時は、必ず電話をかける約束をしていたから、母からなのだと思い電話にでる。

 「もしもし、お母さん?」

 「……。」

 電話の向こうはとても静かだった。

 「お母さん?」

 もう一度呼んでみた。

 「私、メリーさん。今、ゴミ捨て場にいるの。」

 それだけ言うとガチャッと切られてしまった。

 メリー。私が間違えて捨ててしまった人形の名前だ。だけど、人形が電話なんてするはずない。いたずら電話なのでは?でもはっきり、メリーって言ってた。ゴミ捨て場にいるって言ってた。不気味に思っているとまた電話がかかってきた。

 またきた…と思いつつも、今度こそ母からの電話なのではと勇気を振り絞って受話器をとった。

 「も、もしもし…。」

 「私、メリーさん。今、神咲駅にいるの。」

 また電話が切れる。

 神咲駅は、蘭子が住んでいる地域の駅。いたずら電話にしては、何かがおかしい。蘭子はそう思い始めていた。


 そしてまた電話が鳴り響く。またメリーさんなのでは。出たくない。しかし、母からの電話でなのだろう、そうであってくれと自分に言い聞かせ、受話器を取った。

 「もしもし、お母さん?!早く帰ってきて!」

 「私、メリーさん。今、廣川書店の前にいるの。」

 ガチャ。

 廣川書店は、蘭子の家から徒歩5分の場所にある大通りに面した大きめの本屋だ。

 そして、蘭子は気付いてしまった。

 (え、近づいてきてる…?)

 最初はゴミ捨て場だったのに、その次は神咲駅で、今は廣川書店の前にいる。だんだん自分の家に着実に近づいていってる、そんな気がしてならない。

 言いようのない恐怖が蘭子の心を蝕んでいく。

 (早く帰ってきてって電話しよう。)

 そう決めて、受話器をとった。それと同時に電話が鳴った。しまった、電話を受けてしまった。

 おそるおそる受話器を耳に押し当てる。

 「…もしもし。」

 「私、メリーさん。今、蘭子ちゃんの家の前にいるの。」

 ガチャ。

 蘭子の体に戦慄が走った。きてる。メリーさんが、私の家の前に。電話線を引っこ抜き、2階のキッチンの窓から外の様子を伺った。

 玄関の前には誰もいない。家の近くにある電柱が不気味にチカチカしているだけ。

 玄関の鍵が閉まっているか確認して2階に上がると、電話線を抜いたはずなのに電話が鳴った。

 鳴るはずないのに。どうして。もうわけがわからない。怖い。恐怖と怒りを顕にして電話に出た。

 「何なのよ!!いい加減にして!!」

 すると自分の背後と電話口から、

 「私、メリーさん。今、あなたの後ろにいるの。」

 ひゅっと喉から変な音が出た。振り向きたくない。そう思っているのに、体が言うことを聞かない。足が勝手にメリーさんがたってる方向に向いてしまう。向かされてしまう。


 振り向くと、大切にしていたビスクドールの人形が立っていた。蘭子より頭1つ分低い背丈。亜麻色の髪色にショートボブ。陶磁器のような白い肌に、ふりふりドレス。頭にはレースであしらわれたボンネットが乗っている。

 メリーの口が開いた。人間と変わらないような滑らかな動きでこう言った。







 「私、メリーさん。…魔法少女になったの!」








 「はぁああ?!!………って、夢?」

 自分の叫び声で起きた。目の前には見慣れた棚や雑貨が置かれている。怖い夢から覚めて安堵に包まれた。

 ベッドの脇にある、見慣れたカーテンの隙間から日がこぼれている。朝だ。

 さっきの夢は何だったのだろう。やけにリアルだったし、怖かった。

 (てか、メリーさんが魔法少女になったって、どこのファンタジーよ…。)

 「まさに夢だわ。」

 そう呟いて、朝の支度をしに2階に降りていった。

 いかがだったでしょうか。

 感想を頂けると泣いて喜びますが、誹謗中傷はやめて頂くようお願い申し上げます。○○○○はよかった。けど、もうちょっとこうしたらいいよ。みたいな書き方でしたら大歓迎でございます。

 ホラー書くの難しいですね笑。コメディも書くのが難しいです(汗)。頑張ってまいります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ