再び王都へ 2
全員の出発準備が整い、機体と積載物の積み込みが終わったのだが
ザロス君が鎮静剤の使用を断って、気合で我慢するといい始めた
・・・お前ブラックホークでもやばかったのに、二日酔いで空とか
絶対ダメなやつだよな? 素直に投薬うけてくれ といっても
そんなものに頼るのは騎士として有るまじき行為でどうちゃら と
なかなかゆずらないので、仕方ないのでそのままでいくことにした
聖獣様であるハリネズミ君に行くかと聞いたら
首を横にふって、ガフ君のところにとことこと歩いていった
それでチェニスが確認してないことを思い出したらしく
少し待って欲しいといってガフ君の家に二人ではいっていって
おそらく、例の右肩の刻印とやらを確かめにいったのだろう
しばらくすると、チェニスの絶叫が聞こえてきたので本物だったらしい
しばらくすると、にこにこ顔のチェニスと、顔を真っ赤にしたガフ君が
二人でこちらに歩いてきた。何があったんだ? チェニスを尋問しよう
そのままチェニスが乗り込み、見送り組が機体から離れた事を確認して
機体と一緒に配備された運用AI兵が離陸を開始する
まずは垂直に飛び上がり、そのままエンジンの角度をじわじわかえて
高度1500くらいで水平飛行にはいる。離陸時はバルロイとザロス君が
また青い顔をしてがくがくしていたのだが、水平飛行に入ると
あれ? という顔をして、窓の外をみたり機内の様子をみたりと
ブラックホークの時と違い、かなり余裕があるし気分が悪くもなさそうだ
「どう? こっちなら酔わない?」
「ああ、これは五月蠅いしやっぱり怖いってのはあるが
前に乗ったのに比べると、気持ち悪くはならないな」
「自分も大丈夫です。二日酔いの所為で気持ち悪いのはあるんですが
この乗り物の所為で気持ち悪いというのは無いですね」
「やっぱり固定翼モードだと上下の振動が常にあるわけじゃないからね
民間機の固定翼だと、もっと快適なんだけどこれは軍用なんでね」
レミリアとアエルの様子をみても、二人とも酔った感じはない
アエルは初めての空ということで、窓に鼻がつぶれるんじゃないかという
勢いで顔を押し付けて、空や眼科の景色を堪能している
一方レミリアは、非常に不満そうな顔でコックピットへのドアを睨んでいる
「あのね、ティルトローターは私でも最初は少し戸惑ったの
さすがにこれは、一応練習してからでないと任せられないのよ
レミリアがそういう才能あるのは認めるけどさ
このてのデカ物って、本当は飛ばすまで1年くらい訓練すんだよ?
帰って暇あったら、たまに練習させてあげるから機嫌治しなさい」
「理屈ではわかってるんです・・・分かっているんです・・・
でもこれ、宙返りとか横転とかいろいろできるんでしょ?
やってみたかったなー・・・前のより絶対楽しいよこれ・・・・」
「・・・あのさ、これは輸送用のティルトローターだ。何をさせる気よ?
まずだな、輸送機ってのはループだのバレルロールだのはしない
それとだ、そんな操縦されたらザロスとバルロイの為にこれ出した意味無いでしょ
ってことを理解した上でそれ発言してるの? あんた偶に物凄い馬鹿になるわね」
しょうがないので、インベントリからV-22のマニュアルを取り出す
「これでも読んでなさい。少しは練習時間短縮できるから」
レミリアは私からひったくるようにマニュアルを奪うと
椅子にどかっと腰を降ろして物凄い集中して読み始めた
この子機械の事になると、ほんとすごい熱中するな・・・マニア気質か?
「レイラ、これなら大丈夫そうだ。酒をくれ」
「軍用機の機内は全て飲酒禁止よ。大人しく窓の外でも見てなさいな・・・
バルロイ、王都いくならついでにゴブリンの耳とか出してさ
名誉男爵っての早くもらえるようにしたいんだわ。どうすればいい?」
「そんなのもあったな。じゃあ、冒険者登録からだな」
「それなしでできない? なんか組織に属するのって面倒くさそうなのと
年会費とか月会費とか維持費とかそういうお金かかりそうな気配がする」
「初回なので登録料がいるな。これが大銀貨5枚だ
それと年会費は確かにあるな。毎月払いなら大銀貨1枚
年間一括払いなら大銀貨10枚で2枚お得だ
ただ、登録審査があるんだが・・・そっちが心配だ・・・」
「魔法が使えないとダメ、とかあるのそれ??」
「いや、魔法の有無は問題ないんだが・・・実技試験がある
現役のCランクやBランクの冒険者と模擬戦をするんだが・・・
レイラ、真剣に頼む。万が一にも、殺すことがないように頼む」
「殺すつもりはないけど、殺される可能性はあるの?」
バルロイは苦虫を噛み潰したような表情で、私と目線を合わさずに
「事故で死亡するケースは年に数件ある。が、それより面倒なのが
新人潰しといって、後遺症が残るけがを負わせるやつがいる
その時の試験担当次第なので、そこは運になるな」
「じゃあ逆いえば、事故と故意ではない攻撃で
試験担当が、そうなることも、あってもいいわけよね?」
「・・・まあ、あまりに悪質な相手なら止めんな」
インベントリからレモネードを取り出して全員に配る
マシだとはいってもやはり乗り物ではあるので酔う可能性がある
酸っぱい物は酔い止めになると聞いたことがあるので、一応配った
まあ、単純に喉が渇いただけってのもあるんだけど
「この世界、なんか色々めんどくさいね・・・貴族だ王族だ
冒険者だとかってのに登録するのに試験だ嫌がらせだと
もうちょい普通に楽して暮らせるようにならないわけ??」
「非常識の塊のレイラに言われてもな・・・」
まったく反論できんわ。たしかに私はここじゃ非常識の塊だ
「あ、それとバルロイ。ついたら両替するところまず教えて
このでかい金貨じゃ買い物もできないでしょ?
んで、冒険者とやらの登録して、例の耳を提出して
それから服の材料を買って、あと鞄とかもか移住でいるものとなると?
いやまてよ、その前に洞窟から回収してきたもので証拠になるものを
城かどっかに運び込まないといけないんだっけ? チェニスそこどうなの?」
「見せた貰った回収物で提供してもらいたいのは
例の鎧と武器、ネズミ顔のローブの死体、偽造通貨、王国製の武器防具
これらを提出してもらえると助かる。場所はおそらく王城になる」
「提出って、ロハってことじゃないよねまさか?
ネズミ顔のは新種で高いかもって話だし、偽造通貨も武器防具も
一応売れば金になるわけだから、そこらは色つけてもらえるんだろうね?
「そこについては・・・財務卿と一応話はしてみる」
「まあ、王国民の義務として提出しろとか
納得できない額面での強制的な買取とかだと
ああ、この国はそういう国なんだって評価するからよく考えて行動してね」
「それはどういう意味だ?」「言葉そのままその通り。そこから先は考えて」
やっぱチェニスは王族なんだな。お金に困らないからお金に関して甘い
それと国の為なら協力するのが当たり前、それが王国の民の義務みたいな
そういう考えが根底に存在するんだろうな。こりゃ将来苦労するぞたぶん
財務卿と話しをするではなくって、私の権限で保証するとか言っておけば
まあ、これだけ頑張ったけどこういう事があってダメでしたみたいな説明
さえあれば、まあしょうがないね、貴方は頑張ったし水に流すよと出来た
んだけどねぇ・・・一応話をするだと、釘さしとかないとね
「コマンダー、あと10分程で着陸予定地点です」
「はいはい了解。ということで皆、あと10分で前回降りた場所なんだけど
チェニス、そこに降ろすでいい? それともお城にでも直接降ろす?」
「これを王都の防壁の内側に入れるのは混乱が起きる
すまないが外に停めてそこから移動という形にしてもらいたい」
「機長、着陸地点に変更はなしだ。予定通りのポイントに降下して」
「了解です。そろそろ着陸態勢に入りますので着席して下さい」
私は着席しないでそのまま全員を一通り見て回る
アエルを窓から引きはがしてベルトをさせ
レミリアからマニュアルを取り上げて着陸に備ええる
チェニス、バルロイ、ザロスはベルトの締め方が甘いのできっちり締める
そのまま椅子に戻らず、右舷乗降扉の前に立って着陸に備えていると
皆が黙ったまま何故か固まっているので、別に雑談くらいしていいと告げる
ほっとしたのか、ちらほらと皆が口を開き始める
「この前の少し小さいのも早いと思ったが、これはそれより遥かに早いな」
「まあ、アルムの村から王都まで300キロくらいだからね
ブラックホークだと離陸だ巡航までの加速だ、減速だ着陸だで
大体2時間かかったからね。こっちは全工程含めて1時間30分くらいかな
まあ、30分くらいは短縮できるようになったって感じかな」
「なあレイラ知ってるか? 普通は歩いて15日は超える
乗合馬車だの一部で船だのつかっても10日でいけるかどうかだ
馬を潰さないぎりぎりの速度で頑張って7日でいければいい方だ
それを一日以下どころか、2時間かからないってのはおかしいんだぞ?」
「そりゃ地上を行くってことは、地形で移動速度が低下したりもすれば
そもそも単純な直線距離ではないから距離そのものがも伸びるからね
今私は300キロって言ったけど、道路を使えばさらにこれが伸びて
トータルで90キロくらい余計に移動しないといけないからね」
「レイラの世界はこんなもんが当たり前にあるのか・・・
俺たちの世界で気軽に隣の村まで行けるのはいつの日なのかね・・・」
この世界で作成可能な交通手段か・・・
石油がないから高効率の内燃機関が難しい
鋼鉄があるから石炭はあるだろうけど産出量が少ないだろな
あ、一つあるな。なるべく勾配がない道路網を作れば運用できるやつが
「一つの可能性として平坦な道路で坂があまりない状態で
村とか町同士で結べるなら、そういう手段を作れなくもない
サンドキャットやら今のってるのやらに比べたら遅いけど
馬車よりはマシになるんじゃないかな。作れれば、だけど」
「それは本当か?? 是非教えてもらいたい!」
「王都から帰ったら基地で技術的に可能か検討はするけどさ
もし作れるとしても、無条件で教えたり与えたりはしないよ?
代償に貴族位とか国の役職は無しよ? そこらもらうとさ
次はこれやれ、その次はそれをやれって、義務として要求されるの
目に見えてるから、そういう地雷は代価として受け取らないからね」
「それはどういう物が出来るか次第で報酬は考えさせてもらう」
「とりあえずはその話はしばらく置いておこう。そろそろ着陸だから
しっかり椅子に座っといてよ。多少はショックあるからね」
機が降下姿勢に入って前に傾いたのがわかる。普通の航空機なら
体を機の正面に向けて座るのだが、MV-22では通勤電車のように
機の正面に体のどちらかの側面を向けて座ることになる
この状態での下降と減速で、バルロイとザロス君が酔わないか
少し心配だったが特に問題はなかったようだ
修正箇所
数話に渡り、V-22のプロペラが、主翼ごと角度を変えると
勘違いした表現を使っていたので修正しました
XC-142というV-22以前に作られたティルトローターと勘違いしていました




