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噂の彼女はフルボーグ ゲーマーOL異世界転生記  作者: 弩理庵
第二部 ワグナーの脅威編
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少女達と異界人 2

「私の力不足で貴方達の要望は全部受け入れられないかもしれない

 ただ、決してこの先理不尽な苦労が起こらないように全力は尽くす

 だからそう悲観しないで、前向きに物事を考えてみない?」


 さっきから何度か言葉をかけているのだが、3人は泣き止まない

 だが気になるのは、アエルの表情がいつも通りなのだ

 デ・・・レミリアの表情は苦し気で、会話に入れる余裕がなさそうだ

 この末恐ろしい15歳、こういう時に役に立たんとは・・・


「ランバートン様が勘違いをしていてとても面白い

 彼女達は悲観して泣いているのではないです

 ランバートン様の兵隊を辞めようと考えていたのに

 辞めた後の事まで世話を焼いてくれることに申し訳がないと思ってる」


「え??・・・そうなの???」


 アエルが唐突に口を開いてそう言ったのだが・・・

 あの、それでこんな、泣かれても、普通わかんねーし・・・

 てか兵隊やめて幸せになれっていったの私なんだから、当然だし

 それでなんでこんな、鼻からもなんか垂らして泣くんだよ・・・

 あ、これあれか? カカオって確か興奮作用あったよな・・・

 彼女達、カカオを大量摂取したの初めてだよね?

 これカカオの初大量摂取で興奮状態が加速して感極まったってやつか?


《アルベルト、彼女達どれくらいカカオ摂取したの??

 カカオの摂取で興奮状態になって精神不安定になってないこれ??》


《確かに多目とは思いますが、そこまで感情に影響が出る事は無いかと・・・

 どちらかといえばアップ系の作用ですので、喜ぶ方に影響が出るはずですが》


《カカオの作用を違法ドラッグみたいな表現するのはどうかと思うけど・・・

 つまり現状、カカオの影響でこの号泣状態になっているわけではないと?》


《カカオの摂取が初めてであるとしても、基本的な肉体構造はレイラお嬢様

 が生身であった頃とほぼ変わりません。ですので、カカオ程度でそこまで

 感情に劇的な影響があるとは思えないのですが・・・

 まだ可能性があるとすれば、直前の言動により記憶が呼び起こされて

 その影響で感情不安定が起こされた可能性のほうが高いかと思われます》


 それでこの状態ってことは、アエルが言っていることが正しいとしても

 なんでここまで泣く? こっちが勝手に助けたんだからさ

 ある程度責任もつのは当たり前だし、なんでこんなに泣くんだ??

 記憶の影響・・・もしかして、ワグナー私が突き出したから

 村に迷惑かけたとかって負い目とか懸念があるからかこれ?

 そうだよね・・・彼女達をワグナーに差し出したってことは

 ニルン村はワグナーと帝国の密約のための資源を差し出した

 そういう扱いで処罰される可能性が少しだけあるってことだよね?

 それについて考えてしまって、自分達だけ安全でいいのかとか

 そういう深読みして情緒不安定になってるってことかこれ??


「三人とも、ニルン村については処分が及ばないようにチェニスに頼む

 ニルン村は、帝国との密約で若い女性を求められた事は知らなかったと思う

 なので領主が領民にそれらの行為を強要した、それに逆らえなかった

 そういう話で村への処罰は最小限で済むように取り計らってもらう

 自分達だけが幸せになることへの負い目なんてことは考えないで良いから」


 ここでアエルの腹筋が崩壊したらしく、げらげら笑いだす

 それもちょっとなんというか、ツボにハマったレベルの大声で笑う

 そこそこ離れていた所で寝ていた3組の村人達が目を覚まし

 何がおきたのか? とこちらをぼーっとした眼差しで眺めている

 この糞ガキ! デブリアの件で必死に笑いを抑えた意味が失せたじゃないの!


「ランバートン様考えすぎ。全然違う

 ユミア、パノン、サーラは、この村から離れるから

 助けてもらったのに、自分達は何も返せないのに

 まだ世話をしてくれるから、申し訳なくて泣いてるだけ

 村のこととか誰も、考えてないのに、ランバートン様が考えすぎで 

 おかしくて笑い堪えられなかった」


「こっちがデブリアの事で笑い必死に堪えたのに

 お前の所為で台無しじゃああああ」


「デブリア・・・レミリア・・・うくっ・・ぶふっ・・・」


「笑うな堪えろ! 耐えろこの馬鹿!

 すみません皆さん、うちの若いもんが笑い声あげて起こしちゃって

 いやこの子達の一人が誕生日でちょっと燥いでるんですよ

 本当に申し訳ない、静かにしますから寝て下さい、すみませんね」


 アエルに喝を入れつつ、起きてしまった村人の方々に謝罪をする

 アエルはいまだにブフだのグフだの危険な音を漏らしているが

 拳を握りしめて肘から先を掲げると、ぴたりと笑い声を止めた


「ランバートン様ひどい・・・デブリアひどい・・・くるしぃ・・・」


「いいじゃないの、可愛いって気に入ってた聖獣様のお仲間になれるんだから」


「なんで?・・・うう・・・変な汗がとまらない・・・・」


「あれは私の世界では、違う国でHedgehogって種類名で呼ばれている

 このHedgehogって単語を分解してみるとね 

 hedge これは 生垣 って意味になる

 hog これは 豚 って意味になる

 つまり、生垣の下にいる豚みたいな生き物 ってことらしいわよ」


「生垣の豚・・・ぶわははははははははははははは」


「やかましい黙れ! お前だってへそ出しの豚みたいなもんだろ今は!

 あ、すみません、たびたび本当に申し訳ないです・・・

 すぐ黙らせますので、いえ、黙らなかったらもう腕力で黙らせますので・・・」


「へそ出しの豚・・・デブリア・・・へそ出しのデブリア・・・ぶふっくっく」


「アエルも黙れ! もう本当にすみませんすみませんすみません・・・

 お前ら黙らんと、今後甘いもん抜きにすんぞ!」


 ぴたりと笑いは止まったのだが、レミリアの様子がおかしい


「へそだしの豚・・・デブリア・・・ううう・・・もうお嫁に行けない・・・」


「だったらそんなになるまで食べなければいいでしょうが

 てか貰い手ないならチェイマンに貰ってもらえばいいでしょうに」


「美味しそうだったのでつい・・・誕生日で浮かれてたし・・・・

 こんな誕生日なかったし・・・でもその後でへそ出しの豚・・・

 てかあの金髪長髪のすまし顔の世間知らずは趣味じゃないです・・・」


「レミリアって本当にすごいわね・・・あいつの出自知ってて

 金髪長髪のすまし顔の世間知らずとか評価するとか、凄すぎるわ

 若いからなのかしら・・・それともただ無謀なだけなだろか・・・・」


「レミリアは無謀なだけ。昔からそうだった

 村の外れにあった、ロープでつくったブランコにのって

 一番高いところで飛び降りれば空を飛べるって飛んだ

 そして足を酷く挫いて大人に凄い怒られてた」


 アエルが烏龍茶を顔を顰めながら飲んで、レミリアの過去を暴露する

 まあ、慣れないとこの苦みはきっついかもね・・・私は好きだけど


「まあ、兎に角だ・・・三人ともって、もう泣いてないね?」


「あのですね、私達、すっごい真剣に悩んでたんですよ?

 本当に御恩も返さないでここを離れていいのかって

 でも、正直に言いますけど

 ランバート様みたいな体になるのは怖いです

 それに、この村はニルン村に近いので

 村の人に会うかもしれないって怖いです

 だから離れたいけど、本当にそれでいいのかって

 凄い真剣に悩んでいたんです!」


「ああ、そういうことだったのね。いいじゃない、それなら違う所に行けば

 恩返しなんて考えないでいいし、兵隊なんてしてほしくないのよ私は

 まあ、村で何か生活をみつけてくれればって持っていたけど

 確かにニルン村に近いからその可能性があるわね。そこは考えてなかった

 でもさ、そういう理由があるんだからさ、良いじゃない違う所に行けば」


「でもですね・・・何か物凄い勘違いして慌てられるし

 デブリアとか生垣の豚とか、もう真剣に悩んでるのが馬鹿らしくなる

 話がでてきて、私達の涙は何だったんだろう? って呆れましたよ」


「あー、そんな真剣に悩む事じゃなかったんだよきっと

 それこそユミアとパノンとサーラの思い違いだ。考えすぎ

 まあ、私も非常に大きな考え違いをしたので、お相子だお相子

 まあ、デブリアと生垣の豚は誕生日のサービスだよきっと」


「私嬉しくない・・・誕生日なのにそれ全然嬉しくない・・・」


「まあ喜べ、もう一つプレゼントがある・・・のだが

 まあ、無意味になってしまったのだけどね・・・・・」


 そういって、インベントリから王都に入る前にレミリアに提示した

 青いドレスを取り出してテーブルに置く

 全員がまるで宝物を見るような目でそのドレスを注目するのだが・・・


「まあ、いま着れないよねこれ・・・腰のとこがほら・・・絞ってある・・・」


「・・・・・・・・・誕生日なのに・・・しくしくしくしくしくしくしく」


「まあ、食べすぎで今そうなってるだけだから、消化されれば収まるでしょ

 まあ、でも、摂取したカロリーがあまりに過剰なので、増えてはいるだろね

 頑張って明日からの訓練で、長距離走で絞りなさい・・・・」


「もっと銃撃ったりヘリの訓練したかったのに・・・しくしくしくしく」


「嫌でもそのうちやることになるよ・・・

 それでね、三人が除隊して違う所に行くのなら、それは本当に構わない

 移住に必要な物資については、可能な限り私の持ち物から出せる物なら

 貴方達に餞別として渡して送り出すつもり

 ただ、申し訳ないけど現金は私はこの国で使われている物を持ってない

 なので資金については、金とか銀とか換金できるんでしょ?

 それを少し持たせるつもりだから、そこは上手い事現地でお金にして」


「そこまでして頂くわけにはいきません!!」


「でもよく考えてみてよ? これから知らない土地に行くんでしょ?

 それで手持ちの物資や道具は皆無なんだよ?

 私が渡せる物は、この世界であまり問題にならない程度の物に限定する

 それに、私がいた世界ではこの世界では必要な物が無かったりもする

 だから絶対、買い入れは必要になるし。最初は慣れない環境で辛いでしょ

 お酒飲んだり、どっかでごはん食べたり、息抜きだってしたくなるって

 それでね、金とか銀とか、正直、あまり余ってるんだわ

 私のいた世界では、電子機器の製造に使うくらいで資産的価値はないの

 だから数百トンの単位でインベントリに入ってるのよ

 それがこの世界ではお金に出来るでしょ? なので気にしないで」


 Call to Stormの世界の中では、現実での貴金属にさして価値はなかった

 エイリアンを倒した時に手に入るAOTと呼ばれる素材にはそういう価値が

 ついたりするものもあったのだが、金や銀やプラチナ、あと一部の宝石は

 武器や電子回路の素材としての価値しかなかった

 もしこの物資をもって現実世界に戻れたなら、私はヤバいことになる

 金の価値がぼろぼろに値崩れするだろう・・・そのレベルで採掘してる

 何せ、採掘しても、一定時間が経過すれば、採掘ポイントが復活するか

 別の場所に同じ規模の鉱山が復活するのがゲームという世界である

 

 有限物資にした場合は、新規プレイヤーは資源を入手できなくなる

 また、兵器や電子機器を大量に消費してもらわなければ

 新しい兵器や電子機器の生産の為に、プレイヤーは採掘を行わない

 こういった事情があるので、ゲーム内における資源というのは

 貴重な物は存在するが、時間経過で無限に手に入るという仕様のものが多い

 

 特に私は貧乏性だったので、資源確保にかなり重点を置いていた

 この基地の建設に大きく貢献してくれた、タイゾウ・ホリイ等は

 採掘専門の工兵としてカスタムして成長させた資源確保部隊である

 普通はそこまで資源確保で困ることがないので、採掘専用の

 AI兵を育成等はしないのだが、私は箱庭的基地を作る事が多く

 やたらと資源が必要になったので、ホリイ一家という採掘専門の

 部隊を編成して常時どこかで掘らせていたので資源が大量にある


「まあ、資源はあまり余ってるのでそこは気にしないでいい

 問題は服だ・・・私は貴方達に合う服をもってない・・・

 それについてだけは、村から現物の提供か

 もしくは現金の提供を受けてどこかで購入しなければならない

 そういう移住に必要な物資の調達があるので、直ぐにって訳にいかない

 そこは理解してね。私もなんでも用意できるわけじゃないので












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